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たまには硬派なアニメの話でも

「沈黙の艦隊」という映画が数日前から公開されてますよね。

「なんかCMで見た」という人もいるでしょう。

これ原作はかわぐちかいじ氏の漫画なんですけど、同じ作者の漫画が原作のアニメ「ジパング」が今月末までyoutubeで期間限定公開されてます。

多分、沈黙の艦隊の販促なんでしょうけど、ジパングという神アニメをこの機会に布教せずにはいられません。

ちなみにジパングも海上自衛隊および安全保障がテーマの作品で、ロシアのせいで世界がきな臭いこんな時だからこそ視聴してみてはいかがでしょう。

というわけで、ちょっとジパングを語ります。


【草加少佐の志】

ジパングのあらすじは、大体こんな感じです。

  • 2000年代の最新鋭イージス艦「みらい」が横須賀を出港

  • みらいは太平洋上で嵐に遭い、なぜか1942年にタイムスリップ

  • 海上で漂流していた海軍軍人、草加少佐を救助して歴史を変えてしまう

  • 草加少佐はみらいの資料室でその後の歴史を知る

  • 草加少佐が歴史を変えるために動き出す

まあ要するに「最悪の未来を避けるタイムトラベルもの」とカテゴライズできます。

ただ、草加少佐は大日本帝国が敗戦したことではなくて、戦後の日本人の在り方に怒りを感じていることが読み取れるんですよね。

だから、草加少佐の唱える「誇りある講和」、そして「ジパング」は単に戦争に勝って豊かになりたい!みたいな話ではありません。

さて、本来ならもっと草加少佐を解説したいところですが、「戦後の日本人の在り方」という政治のにおいが強めなところを攻めてるので、ここまでにしときます。

ひとまず、注目したいのは草加少佐は「大日本帝国勝利!」というwhatではなく、理想の社会、戦後の日本人にこうあって欲しいというあり方などのwhyを追求しているということです。

ちなみにwhatではなくwhyを追求する大切さは前回の記事にて書いてます。

私もこんな風に本気になれるwhyが欲しいもんです。

【一番テンションが上がる米機動部隊との戦い】

ジパングでは米機動部隊とドンパチをするシーンがあるのですが、これはある意味このマンガを象徴するシーンとなっております。

一応最低限の状況をまとめておきます。

日本軍としては敗戦の象徴、みらいが存在すると困るので、米軍とみらいで潰し合いをしてもらう作戦を取ります。

そのため潜水艦にみらい乗員を人質として拘束して、戦闘海域にみらいを誘導してこの戦闘が始まりました。

前半では第一次攻撃をしのいだものの、後半で第二次攻撃に対する方針でみらい砲雷長が決断を迫られることになります。

専守防衛や先制攻撃の意味について考えさせられるいいシーンですので、お時間ある方は見てみてください。

ここの解釈も深入りすると政治のにおいが出てくるのでここまでにしときます。

【オマケ雑学1】撃沈を間違って使うヤツ多すぎ問題

どうでもいい雑学ですが、昨今は撃沈を間違って使っている人をネット上でよく見かけます。

例えば、「挑戦してみたけど大失敗しちゃった~」という意味で「撃沈しちゃった~」と言ってしまうとかですね。

ちなみに「撃沈」は「沈めること」、「轟沈(ごうちん)」は「沈むこと」というのが本来の使い方です。

まあ「役不足」とか「確信犯」の誤用と同じ感じで、撃沈の誤用にツッコむこと自体が野暮な扱いを受けそうな空気になってしまっている気もしますが・・・

【オマケ雑学2】軍艦は全部戦艦と思ってる人がいるらしい・・・

「戦艦って戦う艦のことだから、軍艦は全部戦艦でしょ?」みたいな勘違いをしている人がいるらしいと聞いたことがあります。

戦艦とは、大口径主砲を装備した重装甲の艦だけを指す言葉です。

あと、1991年に戦艦ウィスコンシンが退役して、「戦艦」は絶滅しました。

現在、現役で稼働している戦艦は世界に一隻もありません。

盛者必衰の理、諸行無常を感じてしまいますね。

ついでなので、戦艦と空母が見た目だけでもどれだけ違うか感じてみてください。

タイトルに2199ってある時点で宇宙戦艦ヤマトが来ると思った(笑)

分かり切っているオチなのにニヤニヤが止まらない不思議よ・・・

ミリタリーに興味がなくても、一目で戦艦と空母の戦い方の違いが分かったと思います。

【オマケ雑学3】戦艦大和の46cm砲って何が46cm?

テレビなんかで戦艦大和が登場すると、46cm砲って単語も出てきますよね。

あれ何が46cmなのか気になったことないですか?

あれは主砲の内径(砲弾が通る部分の直径)が46cmなんです。

「それじゃあ砲弾の直径と言っとけばいいじゃん」て思いました?

でも、砲弾の通り道の直径と、砲弾の直径が同じだったら弾止まりますやん。

だから砲弾の方がちょっとだけ細いんですが、まあ誤差みたいなもんなので事実上、砲弾の直径と言って差し支えありません。

ちなみに大和の主砲はもうちょっと詳しく45口径46cm砲と言われることもあります。

これは主砲の砲身が46cmの45倍であることを示しています(つまり砲身は20.7m)。

こういった銃や砲に見られる○○口径××cmという表記はそういう意味です。

ついでなので、主砲が「砲塔」と呼ばれることについても触れておきましょう。

これを見たら分かりますが、主砲って甲板上の見えてる部分よりも、甲板に埋もれて見えない部分の方が大きいんです。

そして甲板下の弾薬庫と揚弾(ようだん)機構がタワー状になっているから、「砲塔」と呼びます。

ちなみに大和の主砲は40km先の厚さ40cmある鋼鉄の装甲をブチ抜く貫通力があるらしいです。

戦艦はロマン、力こそパワー。

西暦2199年には陽電子ビーム砲が実用化されてると信じてる。

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