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あるYRHの食事〜カレーライス


“あるYRHは一日3食680円の食材費(消耗品含む)で給食会社に食材の調達、調理などを委託しています。施設と委託会社の相応の都合により、栄養士は施設の職員のみで、献立作成、発注、在庫管理、材料費の管理、食数の管理などの業務を行なっています。”

◎本日のメニュー(11月30日)
昼食 カレーライス、福神漬け、コールスローサラダ、レモンティ、フルーツ ~約640Kcal

カレーライスは、好き嫌いの幅が広いメニューです。給食では、ハウスバーモントカレーベースの甘口と、調理員が自由にアレンジする辛口、それとカレーを全く食べない入向けにカレーの材料で煮物と3種類を作り提供しています。入居者全体の約1/2が甘口、辛口が1/4、残りの1/4の人数がカレーを食べません。

カウンター配膳なので、カレーライスのご飯は食べる方がお皿に盛り付けますが、設置場所の問題もあり、カレーは調理員が希望を聞いて盛り付けています。中には強者もおり、「ハーフ&ハーフにして!」と甘辛の両方を希望します。ちゃんとご飯を真ん中に盛り付けており、右に甘口、左に辛口。

他にも、「芋を多く入れてね」「辛口でルー多めにしてね」など、要望は様々受け入れます。さらには、お粥を食べたいけど、カレーも食べたいので、別のお皿に盛り付けてほしいなどもあります。カレーライスの日は調理員はカウンターで大忙しです。不思議なことに、カレーライスの時はいつもは『肉禁止食』にしている人も食べてくれています。ご飯もいつもの1.3 倍は炊きます。

食事の摂取基準の塩分の制限が年々厳しくなり、カレーライスのメニューにスープを合わせることは少なくなりました。夏はカルピスだったり、温かい飲み物が欲しいときはレモンティーだったりします。副菜はサラダを少しとお口直しのフルーツやゼリーを合わせることが多くなっています。サラダもスプーンで食べられるようにカットしているのですが、それでもやはりほとんどの入居者がお箸をお持ちになられます。習慣なんですね。お箸は使用しなくてもお膳にあることが大事のようです。

カレーの日、カウンターでのコミュニケーションはお互いに楽しい時間です。

*このお話は実話をもとにしたフィクションです。なお、「YRH」とは私がDAI語風に考えた養護老人ホームの略語です。

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