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勘違いされた返報性

こんにちは、田辺です!

返報性の法則って聞いたことありますか?

これは、アメリカの社会心理学者であるロバートチャルディー二が研究で発見したもので、人は何か借りを感じたら悪気を感じて、返さないといけない気持ちになるというものです。

かの有名な『影響力の武器』という本にもまとめられていますので、いろんなところで引用されていますよね。

そこからドア・イン・ザ・フェイスといった心理テクニックが生まれていますよね。

で、結局なにが言いたいのかというと、『返報性の法則は借りを作れば必ず発動するわけじゃない』ということです。

例えば、先ほどお話ししたドア・イン・ザ・フェイス。これは譲歩的交渉術とも呼ばれていまして、要て、最初に難しい要求を出して断れたら容易な要求に切り替えるというものです。

営業の場面でよく使われるんですが、商品の値段を確認する場面で「50万円です」と言われたとします。するとあなたは「高すぎる」と困惑したとしましょう。しかしあなたは、その商品がどうしても欲しいのです。

すると営業マンは何かを察したのか急に「わかりました。普段はしないのですが、こっそり20万円までお値引きさせていただきます。利益ゼロです。」と折れたとします。

すると、お得感から「買います!」と言うでしょう。

しかしここには、実は返報性の法則も働いているんです。

つまり「50万円は高いな」と、一度相手の提案を断ってしまっています。なのに相手は50万円を値引きして20万円で提示してきました。

すると、「本当は50万円の商品なのに、20万円にしてくれたんだな。なんか悪いな。」という心理状態にかたむきます。

となると、何度も断るのも申し訳ないなという「お返ししなければ精神」が出てきてしまうというのが、返報性の法則で唱えている内容です。

でも、これって効かない人には全く効きません。

先ほどの営業マンの例だって、ぼくが無理やりストーリーを作ったわけじゃなくて、返報性の法則を教えている営業スクールでも出てくる事例です。

ですが、50万円のものを20万円に値引きしても、人によっては「おいおい、値引きできるんなら始めっからやっとけや。貸しでも作った気になっとるんか。」となります。

そうなんですよ。

つまり、返報性の法則は、お互いに良い面も悪い面もわかり尽くしていて、さらに信頼関係が厚い場合にのみ発動するんです。

よく、恋愛テクニックなんかでも「つかみの段階で返報性の法則を使おう」なんて言われている方も見かけます。

でも、いくら心理テクニックを使おうが、不潔だとかだらしないとかで生理的に受け付けられないのなら、そもそもなにをやっても効果はありません。

まさに人は見た目が大事ということですね。

それに、常に返報性にさらされている人に対しても、なかなか効果を発揮しません。

特に有名人なんかはそうですが、経営者や芸能人といった業界の有名な人たちは、常にいろんな人から何か貸しを作られます。

例えば、ファンの人からプレゼントをもらったりもそうですよね。なんなら見たことも会ったこともない人から、いきなり宅配でプレゼントされたりもします。

しかも、あわよくば仲良くなりたいという魂胆が丸見えだったりするわけです。

そりゃーもちろん、口では「いつもありがとうございます」と言いますが、ひとりひとりに何かお返ししよう!なんて思いません。

やったとしても、セミナーや音声、全国ツアーなどの場面で、多数に対して何かやる程度でしょう。

ですが、そんな人でも返報性の法則を発動させる方法があります。

それは、『誰もやってないけど、本人はメッチャ困ってることを助けてあげる』というものです。

例えば、とある経営者さんの話なんですが、その方は業界では有名な方で、あわよくばお近づきになりたいという人が毎日現れていました。

なので、一方的なプレゼントをよくいただいてたそうなんですね。

ですが、そのプレゼントには裏があることが見え見えなわけで、「何かお返ししないとな」という気持ちは1mmも湧きでなかったそうなんです。

しかしある日、ちょっと変わったプレゼントが届きます。

それは、「これで娘さんに何かプレゼントしてあげてください」というギフト券でした。

実はその経営者さん、娘さんとなかなか遊べていないことで前から悩んでたそうなんですね。

もちろんその経営者さんは、それなりに稼いでいますのでお金には困っていません。ですが、「娘さんに買ってあげて」というフレームがかかってしまったので、「これで娘と会話するキッカケができた!」と大変喜ばれたそうなんですね。

そして、そのプレゼントをしてくれた人に、直接お礼をしたそうなんです。

返報性の法則は、とりあえずやっとけばなんとかなるという、簡単なものではありません。

相手が本当に悩んでいて、誰も助けてくれない。その上で生理的な不快感がない人からしてもらえたら、初めて効果を発揮するものなのです。

もし返報性の法則をビジネスや恋愛に応用したいと考えられてるなら、この辺りもしっかり練り込まれることをオススメします!

田辺輝恭

ReveDunJourプロジェクトは"夢”に特化し、子どもたち若者たちへ夢の持ち方・叶え方を発信しています。世界で夢を叶えてきた達成者たちが在籍。彼らから知恵と考え方を絞り取ることを是非としています。大和の心で我が儘に。