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【交渉】Win-Winを見つけるセオリー

これって名前があったんか!!って思ったことあります?

つい先日、とある企業にコンサルティングをしていた時の話です。

社長さんがNO.2の人に相談を持ちかけたんですが、お互いの意見がどうしても納得できなかったみたいなんですね。

機械部品の製造業をしてるんですが、社長さんは新しい設備を導入して、とある部品の生産量をアップしたいと考えていました。するとNO.2は、その設備を導入するなら部品Aだけじゃなくて部品Bもその設備で生産したいと言ったみたいなんですね。

ですが、そんなことをすると生産に当てる時間が減ってしまうので、業績アップもどっちつかずになる可能性があると社長さんは思ったみたいなんです。

とはいえ、その設備を2つ導入するとなると、今度は人員面や維持コストの観点から難しいらしく、話がどっちつかずの平行線をたどってました。

この話を聞いて、ぼくはオレンジの話を思い出しました。いろんな本でも引用されてるんで、おそらくあなたも耳にしたことがあると思います。

2人の姉妹が、ひとつのオレンジをめぐって口喧嘩をしています。「半分に分けたら?」 と親が言いましたが、2人とも 「ひとつ分が必要なの!」 と言って譲りません。

しかし数分後、話し合いの結果、姉妹で無事に分け合うことができました。

実は、姉はケーキ用のママレードを作るためにオレンジの皮が欲しかったのに対して、妹はオレンジを食べたかったので実が欲しかっただけだったのです。

これは、「相手が何を欲しがってるか、慎重に見極めようね」という戒めでよく使われる寓話です。

で、さっきの社長さんの話は、設備は1つしか導入しないけど、部品Aと部品Bの2つを生産したいと言うNO.2の意見と対立してしまうというものでした。

ですが冷静に考えると、その部品Aと部品Bは「両方とも年間を通して安定供給しなければならないものなのか?」という面ですり合わせできてないことがわかりました。

なので、すぐさま担当ラインの責任者と営業責任者から情報を集めてもらうようにしたんですね。

すると、部品Aは確かに年中を通して供給する必要がある部品でしたが、部品Bは年に1〜2度スポット的に生産すれば十分採算があうという話が出てきました。

なので結局、部品Bが必要な時期に部品Aの生産量を調整するという形で、この話は無事完結することができました。

オレンジの話のように、1つのものを奪い合いになって押し問答になるという場面は、よくあると思います。

ですが、Win-Winの妥協範囲を見出すセオリーは『自分は重視してないけど相手が重視しているもの』と『自分は重視しているけど相手は重視してないもの』をお互いに見つけ出すことです。

こうすることで、一見どうしてもお互い妥協できそうにない状況に見えたとしても、実は妥協範囲が生じることも珍しくありません。

今回の社長さんの件も、こうやって客観的にお互いが欲しいものとお互いが譲れるものを見つけて擦り合わせたから、うまく話がまとまったんだと思います。

なんですが、今回の件を受けて、ぼくは初めて知るものがありました。

妥協範囲のことを、交渉用語でZOPA(Zone Of Possible Agreement)というみたいなんですね。

いや〜、恥ずかしながら知りませんでした^^;(でも、知ってしまったんで、これからは得意げにZOPAを使いまくってやりますw)

昔あるテレビ番組で、博多大吉先生がお祭りに売ってるピロピロ笛(呼び戻しともいうんですかね?)のことを、『名もなき玩具たち』と表現していました。

それを見て当時のぼくは「確かに!あれの名前はわからんw」と爆笑してたんですが、意外とどんなものにも名前はついてるものなんですね。

新しい現象や状況に出会った時も、名称があるかどうか調べてみるのもいいかもしれません。

田辺輝恭


ReveDunJourプロジェクトは"夢”に特化し、子どもたち若者たちへ夢の持ち方・叶え方を発信しています。世界で夢を叶えてきた達成者たちが在籍。彼らから知恵と考え方を絞り取ることを是非としています。大和の心で我が儘に。