会話とチームワーク

仕事の場で、ちゃんと話をする力。
誰かといっしょに仕事をして、成果を出そうとしたら、会話を通じて仕事を前に進めていく力は欠かせない。

これまでなら、会社の中のいつもいっしよにいる同じ部署の人たちと主に話してればいいという、そんな世界もあったかもしれない。
けれど、どこもかしこもイノベーションだ、と新しいものを生みだすことが求められる世の中では、誰かが作った計画に乗って安穏と受け身であてがわれた仕事を黙々とこなせばいい立場の人はどんどんいなくなる。ルーティンでまわせるそういう仕事自体が少なくなるし、残った仕事もそのうたAIだのロボットだのがやってくれるようになる。

つまり、これからは誰もが何の計画もない白紙の状態から、みずから仲間といっしょに(そのプロジェクトではじめていっしょに仕事をするような組織の外の人たちも巻き込んだ仲間だよ)何を何のために為すかの計画を立てて、コンパスに使いながら(そう、コンパス、これからの計画は地図じゃない)仲間とその都度、状況や見解やアイデアや意思を会話を通じて確認しあいながら、目的地を目指して協力しあうことが、仕事をする基本のスタンスとなるだろう。

内容だけじゃなく、どう言うかもちゃんと考えて

というわけで、仕事をする上で、いろんな人と会話をする力というのは、ますます重要性を増してくる。話し慣れた人としか会話ができないのでは、今後の仕事はむずかしくなるだろう。
だって、ルーティンをこなすのとはまるで正反対な、新たなものを考え、作りだすイノベーティブな仕事においてはその都度、必要な専門性やスキルは異なるから、それに応じて、誰と仕事をするかは変わってくるのだから、組織の中の人と話す以上に、話すのがはじめての外部の人と話をし、いっしよにディスカッションしたりする機会は当然増える。

もちろん、何を話すのかという内容もさることながら、昨日の「チームビルディング」という記事でも書いたとおり、チームとして同じ目標に向かって同じ目線で仲間としてのリスペクトを互いに持ちつつ、各自が積極的に自分と仲間のパフォーマンスを最大化させられるよう、振舞おうとすれば、どのように会話するか?というのもとても大事になる。

相手が不快になるような上から目線の話し方とか、圧迫したり、小馬鹿にするような言い方がダメなのは当然ながら、やたらと他人の目を気にして自信なさげに話すとか、恥ずかしがって聞こえにくい小さな声で話すとかも良くない。だって、会話の場が盛り上がる方向ではないし、楽しくもならないから。

チームのため、どんな風に話すと良いか

自分や相手のパフォーマンスを最大化するベクトルを評価基準だとしたら、相手が気分良くディスカッションに参加できる場作りに貢献できるような話し方を選択する必要がある。
話すスピードだとか、声の出し方だとか、一度に話す長さだとか、間の置き方だとか、相手に対する目線だとか、そういうひとつひとつに気をつかって、その会話の場がより創造的な場になるよう、参加者ひとりひとりが自分の話し方をコントロールするわけだ。

もちろん、すべての場で通用するような正解はない。
むしろ、時と場合によって、どういう話し方をすると、チームでの会話の場が良い方向に向き、チームが成果に向かって一丸となって動けるかを考えて、話し方を考えられることが必要かもしれない。
だって、プロジェクトチームには、明るく和気あいあいとディスカッションしたほうが良いシーンもあれば、ちょっと苦しい状況に差し掛かってすこしシリアスめに会話をした方が良い場面もあるはずだから。
なので、いつも同じトーンで話せばよいわけではない。その場面場面にあった、より良い会話の仕方の選択は常に求められるだろう。

パフォーマンスを最大化するため、話し方を工夫しよう

だから、ただ何も考えずに、自然と話せばいいなんて思ってたら間違いだ。感情に任せて、好き勝手にあれこれ言うなんて、あまりに大人気ない。
話すこと自体が仕事である。
仕事として、どんな風に話すかをちゃんと考え、そのためのスキルを磨くことは、会話の機会や重要性が増えるなかでより不可欠なものとなっていく。

とはいえ、いちいち、毎回考えなくてはならないのでは、気持ちが持たない。むしろ、そういうしゃべり方を普段から仕事モードの際のデフォルトに変えてしまう方が楽だと思う。
僕はそうなってるので、その意味では自然と話しても、ある程度はチームでのコラボレーションを考慮した話し方になってるのではないかと思う。

もちろん、これにはいくらでも上には上があるし、あるチームに通じたものが、他のチームには通用しなかったりするわけで、できる/できないも状況によるから日々精進が必要だ。

フラットに、同じ目線で

具体的には、どんなことを気をつけると良いだろうか。

例えば、プロジェクトチームの間では、丁寧語はあってもいいけど、敬語とかは廃止するとかはぜひ取り入れたい。「やってください」はあり、「やっていただけますか」はなし。もちろん、「やれよ」もない。チーム内でフラットな関係で目標に向かえるようになるためには、上下関係を想起させる敬語や命令語はダメなのはわかるだろう。どれだけフランクな関係にするかはチームの目的などにも寄るから、一概には言えないが、あまりフランクでない方がよければ、適度に丁寧語を使って、〇〇だよね、より、〇〇ですね、くらいの関係性にしておくとよいかも。

あとは、同じ目線で話をすることも大事。歳上だとか、勤続年数とかは無しにしたい。誰もが同じように発言できる雰囲気を作ることが大事だし、発言するよう努力しないといけない。だから、誰かを説き伏せるように長々と自分ばかり話すのは良くないし、みんなが話せるチャンスを作ることも必要だ。
そして、チャンスが回ってきたときに話せるよう、意見や質問は常に用意しておかないといけないし、それが自然に出てくるくらい、会話の内容にコミットしておく必要がある。
これってアホな質問じゃないかとか気にする必要はないし、聞く方も、誰かの質問をくだらないとか評価するのはなしだ。ブレスト同様、他人の意見の批判とかはしない。そういう方向で話す時間が長い方がよい。

ポジティブに、そして、聞く力も

その意味では、いかにポジティブな雰囲気に会話の空間をしておけるかも大事だ。明るい声で話すのを心がける。声のトーンってチームワークの場づくりを考える上ではとても大事だと思う。たとえ愚痴をいうときでも面白く言えるとよい。

ちょっとシリアスな内容でも、会話のトーンまでネガティヴにする必要はない。問題が起こったときでも、問題は問題と捉えつつ、誰かのミスや不足を必要以上にディスったり、いいところまで否定するような話し方は絶対にダメだ。むしろ、問題解決とともに、ミスって落ち込んでるかもしれない人をどう立ち直らせるかという観点で話ができるとよい。当人がいようといまいと。

明るく軽い雰囲気のほうが誰もが気軽に話しやすい状況が生まれるのではないか。冗談も言える環境じゃないと、何か真面目な話しかしちゃいけないような気になる。
でも、真面目なふりをした話だけが真面目なわけじゃない。そういう話以上に真面目なことが冗談っぽく言った言葉の中に入っていたりする。
だから、冗談でもなんでも、チームの雰囲気を良くしたり、面白く仕事に向かえるようにするためには、きっと必要なんだろうと思う。

もうひとつ、会話を成り立たせるためには欠かせない要素。
それは相手の話を聞きとる力だ。
相手の話を理解しようとしなければ、話は進まないし、進めるためのまともな質問もできない。
とはいえ、ちょっと長くなったので、この話題は次回にとっておこう。

#会話 #エッセイ #コラム #ビジネス #プロジェクト #チーム

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Hiroki Tanahashi

言葉とイメージの狭間で

ヨーロッパ文化史に関する話題を中心的に扱いながら、人間がいかに考え、行動するのか?を、言葉とイメージという2大思考ツールの狭間で考える日々の思考実験場
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