仕事の方法化

仕事を方法化するのはあまり好きじゃない。やり方を画一化すれば、結果も画一化したものになりがちだからだ。
画一化されたものしか生まれない世界って美しくないと思う。いや、もとい、そういう世界は醜い。

だから、仕事を方法化することはできれば避けたい。けれど、方法化しなくては、伝達、移転ができないという面もある。伝達や移転ができないと規模を拡大することがやはりむずかしい。

規模を無制限に大きくすることなんて醜いから、そんなことは望んではいないけど、それでもある程度の大きさは、仕事を楽しむためにも必要だと思う。そうした観点から、うまく方法化された仕事と属人的な部分の調和を図る形が作れると美しいと思っている。

考えずに済む方法化ではなく、考えるための方法化

いま僕自身が直面しているのは、そういう課題だ。
そもそも方法(の明文)化が嫌いだし、苦手な僕が、仕事を方法化しなくなくてはならない必要性を感じている。

方向性としては、方法化することで考えなくて良いようにする方法を導入するのではなく、いつ何をどんな風に考えなくてはいけないかを示す方法を作りたい。答えを示すのではなく、問いを示すもの。そして、どの順番で問いを解いていけば良いかの順番を示すのではなく、その順番を状況に応じてどうやって考えればよいかを示すもの。
そんな方法化を考えている。

仕事の仕方を単位化する

ゆえに、まずやるべきは、うまくやれている仕事を取りだし、その仕方を要素化することだ。ここで仕方と言ってるのは、まだ方法化に至らない個々人が属人的にやっている仕事の「方法」という意味で使っている。
そういう仕事の仕方をできるだけ多く、とりあえず、必要と思われる分だけは集めたい。

収集が終わったら次に行うのは、仕事の仕方の一連の流れを、どのような単位で解析すればよいかという意味での要素化だろう。

どういう単位でひとつの仕方を見ることで、考えることを促進するような仕事の方法化ができるか?という点で、仕事の仕方を単位化していく。人を機械化するようなプログラムづくりが主眼にはない。あくまで、人に創造的な仕事ができるようなガイドづくりが目的だから、単位ごとにどんなものを目的に創造すればよいかを考え、実行できるよう、どういう単位が最適かを考えて単位化をしたい。

その点から考えると、単位化は単にバラバラにすれば良いのではなく、再び、仕事の流れとして組み立てられるようにしておくことが必要だろう。
インとアウトの関係を明らかにすることで、前の単位の仕事の目標が次の単位の仕事の前提を作るような関係性を作れるように単位化しておくこと。組み立てをする際のヒントが何となく、それぞれの単位に埋まっている状態をつくりたい。

各単位の要素を明らかに

そう考えると、各単位の仕事の中の要素をどう細分化していくかという方向性も見えてくる。

単位化された仕事を、
・「何故」行うのかという目的
・「何を」仕事により生みだすかという観点における具体的な目標
・「どうやって」目標を達成するかという観点で実施する必要がある内容−−何をインプットとして、どんな作業により、アウトプットに変えるか。最初のインプットから最終アウトプットである目標に至るまでの工程に含まれる要素作業はどれだけあるか)
を、この3つの視点で、細分化していく。
そうすることこで、各仕事の単位を定義できるのではと思っている。

各単位の要素を明らかにする際に大事なのは、どうやればいいかの答えを示すことではないだろう。答えを示したのでは応用が利かなくなるからだ。いまの仕事の環境においては、同じ状況で同じやり方をすれば結果が出るような単純な状況は少ない。その都度、状況は異なり、出すべき結果も同じではない。そうであれば、同じやり方をすれば同じ答えが出せるという方法ではなく、どのような目的において、どのようなものを用意して、どのような観点で考え、作業を行えばよいかというロジックというか、仕組みを方法化することが必要だろう。

別々の状況における別々の結果が求められる状況で、それぞれが自分で考え、行動するには、どうすべきを考えることができる方法を用意すること。そんなことをいま考えている。

むずかしく、創造性が求められる仕事を、どうすればできやすくできるか。そんなことがいまのぼくの興味だったりする。

#コラム #仕事 #エッセイ #ビジネス

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Hiroki Tanahashi

言葉とイメージの狭間で

ヨーロッパ文化史に関する話題を中心的に扱いながら、人間がいかに考え、行動するのか?を、言葉とイメージという2大思考ツールの狭間で考える日々の思考実験場
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