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アカウント移行中です。久居 梨子で再出発します!

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マガジン

  • 療養日誌・今では雑記

    2019年のはじめに骨折し、手術・入院した時のことをまとめています。どんどん気持ちが暗くなっておりますがまさに雑記です。タイトルは中原中也の「療養日誌・千葉寺雑記」からきています。ぜひ読んでください。

最近の記事

お知らせ

新しいアカウントを作りました。 note ID はchocolatesociety(チョコレート社会)です。 https://note.com/chocolatesociety (まだ何も投稿していませんが...) 近々このアカウントは削除か非公開にすることを考えています。 有難いことに好評だった作品もいくつかありましたので それらは新しいアカウントで再掲する予定です。 ぜひまた見に来てくださったら嬉しいです。 アカウントを変更することについて 特に深い理由はないのですが

    • 息を止める

      まだ眠り続けている君にそっと触れる。台風一過だ。大嫌いな快晴だよ。 カーテンから洩れ入る強く真っ直ぐな光。このままでは部屋にいてもきっと日焼けをしてしまう。そう思うほどよく晴れた空だ。 私は午前の講義を終えて、何もない午後を迎えた。大学からアパートへ戻る途中、懐いている野良猫が私にすり寄ってきてそのまま一緒に帰宅してしまった。 私は昼食を取る気にならなかったが、野良猫はお腹を空かせていたらしく私のことをじっと見つめてきた。いつものことだ。 しかしキャットフードを常備してい

      • 春の夜に前世など考えてみる

        突然だけれど、最近の私の悩み事について書き下そうと思う。悩み事は二つ。どちらも春だから気が変になっているだけかな、なんて思う。 まず、一つ目。自分の背後がとても気になるようになった。 あなたはゴルゴ13か何かですかと思われそうですが残念ながら私はただの一般人です。具体的に言うと机に向かって作業をしていると、どういうわけかふいに後ろから人に頭を殴られるような気がしてならないのだ。そのため、何度も振り向いてしまう。これまでの人生で後ろから殴られたことはないので、原因がよく分から

        • 【詩】昨日と今日

          会社を辞めてしまってから 昨日と今日が入れ替わっても問題ないような そんな日々にいる 無気力では無いからこそ 余計に悲しくなる 昨日の大雨に流された桜の花びらは 鮮やかな時を突然奪われてしまった やがて来る終わりが早まってしまった 今日という暖かな日を水溜まりの中で過ごす無念 少しずつ色素が失われていくのを見て 思わず泣きそうになった 明日もきっと 今日と大差の無い日になる そんな予感がしている 私の心は花曇りのまま どんな春風に吹かれても どこへも飛んでいかないのです

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        • 療養日誌・今では雑記
          3本

        記事

          【イラスト】カピバラ

          【イラスト】カピバラ

          【詩】雪と桜

          くるくると渦巻いて さらさらと流れていく 吹雪の中 川面の上で桜の花は何を思う 向こう岸へ 向こう岸へ 色素の無くなりかけた 朽ち果てつつある悲しみも 濁流が流してしまった 誰にも言えずにいた希望が またどこかへ旅立とうとしている 手を伸ばしても どうせもう届かない 体の痛む寒さに  桜の花は色を濃くして じっと待っている 明日を見ている からかっているのかい? 動き出せずにいる私を 花を咲かせた樹は いずれ花弁を落とし 葉をつける その頃の私が 少しでも元気であるよ

          【詩】雪と桜

          【詩】忘れるということ

          きっと今も こうしているうちに 私は何かを忘れていっている どうでもいい大切なことや 嘘みたいに幸せな夢や あの人の声とぬくもり よく冷えた冬の朝 夢から目覚めるたびに 心の片隅で生きていたものが またひとつ 私の体から消えていく そして 一生思い出せなくなる それはきっと仕方のないこと やるせないこと 忘れることで幸せになったりもするよ 何とも言えない でもあのことだけは もう少しだけ繋ぎ止めておきたい どうすれば良いのか分からないけれど

          【詩】忘れるということ

          【詩】午後の君

          いつか君が泣いていた日のことを 思い出してはまた忘れてしまって 朝が昨日を塗り替えていく あれからいくつもの季節をまたぎ 君の知らない場所に住み たくさんの人と出会ってきた 長く時間をかければ 大体のものは良くなると 訳もなく信じてきたけれど 傷は癒えていくと思っていたけれど 君のことを考えると 私は 何も手に付かなくなってしまうよ 今では色んな見え方をするようになってね あの日のことも散々悩んできたけれど 深い悲しみの中から 君の優しさを感じ取るようになって 私はまた

          【詩】午後の君

          【詩】朝霧

          気づけばいつも電車の中にいる まだ眠気の残る車内で 窓際に座り 流れる景色を眺めている よく冷えた冬の朝 闇は旅の支度を始め 当たり前のように日が街を照らし始める 山々はまだ微睡むかのようだ 葉の落ちきった木々は柔らかい毛のよう 横たわった獣にさえ見える 誰かの溜息で出来上がったような霧に包まれ 誰かの涙で出来上がったような朝が来る 目覚めてあまり時間が経たないのに こんなに感傷に浸ってしまうなんて 仄暗い気持ちがマフラーのように 首元に巻き付いてくる 息苦しいのに生

          【詩】朝霧

          涙についての出来事

          朝の空は薄い青だった。風はとても冷たく、体の端々に痛みを感じるほど。 それでもずっと上を向いて歩いてしまうほど穏やかな空であった。 浅縹色。葉を失って鋭くなった冬の枝が空間を縫うように真っ直ぐ伸びている。 何でもないいつもの出勤。私は駅へと向かって歩いている。 少し広めの歩道でたくさんの小学生たちを追い越して進んでいく。 運動の出来ない私でも、これぐらい体が大きくなれば早さで勝つことも出来るんだなあと、馬鹿げたことを毎度思ってしまう。 たまに思い出すのはここが桜並木である

          涙についての出来事

          スッポン【詩】

          青い沼でひとり泳いでいる かれこれ思えば長く 時々 疲れて 沈んで消えて 時々 いいこともあって 浮かんで流れて これは何という行為だろう 君もちゃんとここにいるとしたら 沼のそばで月でも眺めている それぐらいの 薄く、暗い距離 私達はいつか交わるだろうか ただただ 何匹かの私がうなだれて 沈んで消えて 青になる…… 青 死ぬか堪えるか ずっとそんな生き方だ 私の気づかぬうちに君は 影も香りも形も失くして ここを去ってしまうのだろうか わざと 傷つこうとしてい

          スッポン【詩】

          療養日誌・今では雑記#2

          #24日前に入院し、3日前に手術。少しだけ入院しているという事実を受け入れられるようになりつつある。(腕の)痛みはまだ強いが、術後すぐのあの絶望的な苦しみからは離れつつあるように思う。安心してひとりきりになれる時間がないのが一番のストレスかもしれない。(病室が個室で無く、合同だったため。) 早く退院したいな。病室の方とは仲良くなりつつあるけれど。(入院期間の目安は)2週間ぐらいと言われたけど心の中ではおおよそ10日後をゴールと考えようかな。それなら(残り)1週間は切っている。

          療養日誌・今では雑記#2

          療養日誌・今では雑記#1

          #1レタス色したカーテンから淡い光が見える。 誰かのいびき、うめき声、昼も夜も鳴り止まぬ。 面会に来る人たちの優しい声に癒されている。 -------------------------------------------------------------- お見舞いに来てくれた母親に、欲しいものは?と聞かれ 迷わずノートとボールペンをお願いした。 嬉しくてとりあえず書いた文章。 ここにある「面会に来る人たち」というのは同じ病室にいる患者さんの面会に来ている人たちのことを

          療養日誌・今では雑記#1

          療養日誌・今では雑記#はじめに

          はじめに 今回のnoteに書くことは、とても個人的なことになるのだけれど、今年の初めに大怪我をして入院生活をしていた体験記になる。簡単に説明をすると、雪の降る夜に転倒をして左腕の橈骨を脱臼、加えて尺骨を折ってしまった。尺骨・橈骨とは手首から肘にかけて生えている2本の骨のことである。 結果、私は怪我をしたその日の晩に緊急外来で入院し、翌日には人生初の手術を経験した。それから2週間ほど入院していた時に、病室で記していたものを今回こちらに投稿しようと思ったのである。  どうして半

          療養日誌・今では雑記#はじめに

          平成はどこにいったんだろう

           仕事で領収書を作成する時、既に印字されていた「平成」の文字に二重線を引っ張って「令和」の文字を書き足す。その瞬間、私は毎回ショックを受けているような気がする。なんだか悲しくて、行き場のない気持ちになるのだ。  新元号が発表された時、言葉の響きや意味が正直あまりピンと来なかったのだけど、平成生まれの私は初めて元号が変わるという大きな体験に心を躍らせていた。周りの人は「元号が変わっても何も変わらないよ」と冷静だったので、私は少し肩身の狭い思いでいた。心の奥底で、今の生活に、今

          平成はどこにいったんだろう

          【詩】夏にいた日々

          梅雨も忘れて空は真っ青 強い日差しは干された布団の上 静かに吸い込まれていく 汚れもない雲の白 新緑とよく似合う 眩しくて 恐ろしくて 薄まることのないあの季節 失ったあの人のことで 去年はいくらでも時間が潰れた 養分をたっぷり蓄えた木を 人知れず抱き締めていた そのまま消えてしまいたかった あの時はもう来ない だけど夏はまたやって来る これからも 私をなじって 傷つけ置いていく 大学沿いにある銀杏並木 見上げると緑の葉が あの時の私の願いを 降り注ごうとしている

          【詩】夏にいた日々