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たかが顔、されど顔、でも顔は顔

 意外なことに、まだ書いていなかったのだが、私の特技は人のいいところを見つけること。(※ 過去記事たどっても見つからなかった。下書きにあるのか?)
 皮肉屋で、世界を斜めに見てて、ペシミスティックで、人間嫌いなのに、人のいいところを見つけるのが得意。皮肉なことに。
 好き嫌いとは関係なく、人を観察しているといいところが見えてくる。だからといって好きになるわけでもないけど。あ、好き嫌いに関係なく、人は観察する。身についたクセ。あ、いいところを見つけるのも、身についたクセかもしれない。

 一度も就活をしたことがないので、履歴書の正しい書き方を知らない。
 アルバイトなど応募するとき、持参する履歴書に「趣味 特技」欄があると、「特技:人のいいところを見つけること」と書くことが多い。だって特技だもの。
 料理は得意ではあるけれど、もともと趣味だったし。仕事も特技のひとつだけど、「仕事」と書かれても受け取った側は戸惑うだろうし。(※ お金をもらってする活動を仕事と呼び、報酬の1.5倍に見合う労働を提供できる。ただし、品質より量を求めるような仕事は苦手)

 私が住むシェアハウスに「恋人に求めるのは顔。好きな顔なら他は問わない」という人がいる。マッチングアプリなんかで、好みの顔を見つけてデートしているらしい。
 その人にも、その考えにも、悪い印象はない。ただ、「好きな顔」へのこだわりが理解できないのと、そもそも「好きな顔」ってなんだ?という疑問を抱いている。

 先日、私とは違う視点で人を解説する人に、そのことを質問してみた。
「顔が好き、ってどういうことなんだろう?」
「デザインが好みとか、そういうのと同じじゃないかな」
 ほうほう、わかりやすい。
 そう言われれば、理解できる。
 私はデコラティブなものが嫌い。シンプルで、奇をてらってないものが好き。そうか、たしかに服やインテリア同様、目に入るところに好きじゃないものがあれば居心地が悪い。それは隣にいる恋人にもいえるのかもしれない。

「顔って言うと、顔しか見てない、人は顔じゃなく中身だって言う人がいる。でも、あの人は顔を好きになったら、他はなんだって受け入れる。
 顔以外の要素にこだわりがないから、付き合ったらすべてを加点していく。中身がって言いながら、こんなことしてくれない、こういうとこ嫌いって減点していく人よりいいと思うけど」

 ここにいたか、究極の「人のいいところを見つける」のがうまい人!
 私が見つけるのは、その人の特徴的ないいところなので、基本ひとつ、ふたつ。だが、顔にこだわる人は、私がいいところと思わない、特筆すべきでもないことも「いい」と思える。
 なんと器のでかいことか!

 この話には続きがあり、
「私は人の顔が覚えられないんだけど、そうか、人の顔に興味ないから覚えられないんだなぁ」
「でも、記憶は映像タイプなんだよね? 構造タイプならわかるけど、なんか珍しい」
と言われた。
 私は、人の顔にこだわりがない。美醜も見てはいるけれど、完璧な美も醜も出会ったことがない。「きれい、かな」はあるけれど、「かわいい」と評判の身近な人のことも「うーん、言うほどかな」と思う。ちなみに、私が「かわいい」と言うときは美醜ではなく、行動や動作、考え方などが「かわいい」と言っているのであしからず。

 人の顔の特徴的なパーツは思い出せるけれど、全体を思い浮かべられるようになるには、長い付き合いが必要。しかし、長いこと会っていない人の顔は、もうはっきりとは思い出せない。たとえば、戸籍上の父親や姉、テニス界の知り合いなどは、全体像の記憶はなんとなくあるけれど、顔だけ思い出そうとしても無理。
 シェアハウス住民たちも、ほとんど顔を思い出せない。写真は思い出せるけれど、それ以外の角度の顔は「はて?」って感じ。
 本当に顔に興味がない。

 が、SNSのアイコンや投稿写真の顔をじっくりながめるようにしたところ、とある人物の顔を「なんか好き」と思った。
 交流はあるけれど、直接会ったことは一度しかなく、そのときも顔をじっくり見たわけではない。「なんか好き」とは思ったものの、思いがけない場所であいさつされても、おそらく気づくまでに時間がかかるだろう。
 結局、顔に重きを置いてないのだ。
 あ、ちなみに「なんか好き」と思った人は、シンプルですっきりあっさりとした顔立ちの女性。ほとんどお化粧をしておらず、つけまつげもマスカラもなし。大きな目をしているわけでもなく、くっきり二重でもない。
 たとえるなら、アラン模様の白いセーターみたいな感じ。伝わるだろうか。

 好みの顔について語るには、まだ私の顔歴は浅すぎる。



 
 

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