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怪我が起こる3つのパターン

自分の経験則からお話ししますと、突発的な怪我って通常の場合では起きません。ある3つの条件下でおきます。

この話をしようと思ったのは、今日のNBAファイナルがきっかけ。ラプターズの優勝で幕を閉じましたが、相手のウォーリアーズはトンプソンとデュラントが大怪我して敗退しました。(デュラントがアキレス腱断裂、トンプソンが前十字靭帯断裂。どちらも完治に半年から1年かかる。)

今回は怪我の原因について話していこうと思います。


条件1:準備不足


これがよく起こるのは、オフの後とかですね。体っていきなり100%の力で動かすことはできません。皆さんも運動前にストレッチやランニングなど準備運動をされると思いますが、それと同じで選手はオフ明けすぐに100%の力を発揮できるよう準備期間を設けます。

特にプロ選手は練習の強度が高いです。強度とは、スピードや接触の強さなどを表します。この高い強度に耐えるためにも、体の準備期間が必要になるんですね。

ただここで準備を怠ってしまうと、怪我に繋がります。100%の体の動きに慣れないまま動かそうとすると、体が耐えきれないからです。


条件2:重要な試合前


重要な試合前って特別な緊張感があります。自分も高校のインハイ・ウインターカップ前、大学のインカレ前など、目標にする大会が近づいてくると、最後の追い込みみたいな感じで今まで以上に頑張ろうってなってました。この感情が特別な緊張感を生むんですね。

でもここでよくよく考えると、筋肉などの体ってそんな急に成長しないですよね?つまり、脳が体のキャパシティ以上に体を動かそうとするので、体が耐えきれなくなって怪我するんです。


条件3 特別な瞬間


これは自分の経験談があります。

高校の入学する直前の話です。春の遠征で沖縄に連れて行ってもらいました。その大会では『ダンクコンテスト』が毎年行われています。自分は前日まで出場する予定はありませんでした。ところが当日朝、いろいろな事情が重なり急遽出場することになりました。

ダンクコンテストとはダンクをしてそのクオリティの高さを競うというもの。当時すでに身長187cmありましたが、高校入学前で試合の雰囲気に慣れていませんでしたし、そもそもダンクをちゃんとできたことがありませんでした。

その中での本番。有名な高校が集まる大会なのでお客さんも結構いました。制限時間内に成功できればいいのですが、何回やっても成功できません。どんどん気持ちばかり焦ります。その時に自分はこう思いました。

『片手でできないなら両手でやってみよう。』

ボールが掴めてないから、ダンクができないって感覚があったんですね。ただ経験として、それまでに片手でチャレンジしたことはあったのですが、両手はチャレンジしたことありませんでした。

本番の緊張感でおかしくなってたんでしょうね(笑)練習したことない両手でやってみたんです。するとどうなったか。

骨折です。全治2ヶ月。

リングの手前にボールがひっかかり、その反動で足が跳ね上がり、このままだとやばい!背中から落ちる!となって、せめて体の正面で落ちようとなって、手がバン!!!って…

不思議なことにその直後は全然痛くなかったんですよ(笑)たぶん会場の雰囲気がそうさせてたんでしょうね。

これって、特別な状況が引き起こす何かが原因だと思ってます。


規模は違えど、似たようなことが最近起きましたよね?そう、NBAファイナルです。

デュラントが復帰した第5戦。ウォリアーズは1勝3敗と窮地に追い込まれてました。もう負けられない状況。そんな中、デュラントは復帰しました。そもそもNBAファイナルが普通の舞台ではありません。それに加えて窮地に追い込まれる特別な状況。いつも以上に頑張らないといけないと思う気持ちが、否が応でも出てしまいますよね。

トンプソンも同じ。もう負けられない試合が続く中で、デュラントの離脱。特別なシチュエーションすぎます。それは頑張らざるを得ないですよね。

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これらの3つのパターンの共通点は、『体を無理して動かさないといけない状況』です。

もちろん練習から試合から全て同じ状況はあり得ません。今回のNBAファイナルのような急遽特別な状況になることも全然あり得ます。

今回振り返って思ったのは、『どんな状況でも平常心でいつも通りのプレーする難しさと重要性』です。

おそらくダンクコンテストの自分も、今回のデュラントやトンプソンも、いつも通りの感情であれば怪我をしてなかったと思います。

勝負事でもいかに冷静に考え適切な判断をするか、感情のコントロールが怪我予防には大切だなと改めて感じました。

以上、選手の独り言でした。

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