オーラを身にまといし医師

おだやかに丁寧な説明をしてくれる、それだけで信頼度が増すものだ。
てか、それがとても大事。
お医者さんとかは特に。
患者に向かって偉そうな態度をとり、「しょーもない質問とかするなよ」オーラを身にまといし医師のなんと多いことか。

先日、謎の腹痛のために行った内科のお医者さんは、「しょーもない質問とかするなよ」オーラを身にまといし医師ではなかった。
考えうる原因を丁寧に説明してくれるお医者さんであった。

パッと見ただけではわからないので、レントゲンを撮り、血液検査して、翌日あらためて結果を聞きに行った。

人体の仕組み的な内臓の絵を見せながら優しく説明してくれる。
「ここが悪かったら炎症起こしてるはずだけどそれもないし、ここが悪いなら数値がもっとこうなってるはずだけどそれもない。
異常はないようなので、ひとまずお薬を飲んで様子みてください。」
ということに。
確固たる原因はわからなかったものの、お医者さんが丁寧に診察してくれたという実感を得られるだけでこちらは安心するものなのだ。

最後にお医者さんはこう言った。
「お薬を5日分だしておくので、それでも痛みがあるようでしたらLINEください」

LINE?
え?これからLINE交換するってこと?
それで色々とやり取りするってこと?
全患者とLINE交換して、患者の都合のいい時に相談して、って、めちゃめちゃ親身すぎるし、だけどあなたの負担がでかすぎないか?

それに、申し訳ないんだけどいきなりLINE交換するのはちょっと抵抗あるんだが…。

戸惑いながら僕はたずねる。

「え、LINEとは…?」

お医者さんは少しあきれた顔で言葉を切りながら答えた。

「ら、い、い、ん!」

あ、来院ね!

結局、薬を5日分飲み切る前に痛みは消えたので、再び来院することもなかったし、もちろんLINEもしなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?