動物園のキリン係

 動物園でアルバイト募集の紙を見たので、張り切って応募してみた。動物は好きかと問われたので、大好きですと答えた。特に好きな動物はいるかと訊かれたので、キリンですと答えると、それはよかった、いまちょうどキリンが足りなくてね、きみにはがんばってもらうよと言われたので、はいと大きく返事した。バイト初日、制服があるので事務所に来てくれと言われる。行ってみると、茶色の大きな網目模様の服をかぶされ、蹄と尻尾をつけられる。こんな格好までしないといけないのかと不思議に思っていると、長い首の頭をつけられ、なにも見えなくなる。首短いね、と言われ、はあ、キリンに比べたら、と答えると、困るんだよなぁと言われ、いきなり麻酔を打たれて昏倒する。目が覚めると、全身どう見てもキリンになっていて、どんな方法で伸ばされたのか、首の長さも本物のキリン並みになっていた。バイト料弾むからと言われ、仕方がないので九時五時で、木の葉をもさもさ食べたり、檻の中をゆらゆら歩き回ったりしている。なかなか重労働なうえに、こんな格好では日々の生活を営むのもたいへんなので、せめてもう少しバイト料を上げてもらえないだろうかと考えているところだ。

――了――


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