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食べると暮らしの健康の基本

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たなかれいこ的、心地がよく幸せを感じられる、我慢しない毎日のための「食べる」と「暮らし」のヒント。 *2013年にmillebooksより刊行されました、たなかれいこ著「食べる… もっと読む
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ビールの前に、まずはお湯

全てのお酒は体を冷やします。体をあたためるお米から作られる日本酒も冷やします。比較的冷えにくいお酒は赤ワインですが、飲み会の席では「とりあえずビール」ということが多いのではないでしょうか。ビールは最も体を冷やすお酒なので、空きっ腹にいきなりビールを飲んでしまうと、胃腸がギンギンに冷えてしまいます。 そんなときはビールの前に60〜70℃くらいのお湯をコップ1杯飲むだけでも、その影響を少なくすることができます。この「まずはお湯」作戦、お酒を飲む前だけではなく、朝の体温が上がらな

自然に触れる

私は長野県蓼科で、趣味で自然耕による野菜作りをしています。東京と蓼科の畑を往復する生活をはじめて20年ほどになりますが、一向に飽きることがありません。 都市部で生まれ、東京での暮らしも50年ちかく、それに土アレルギーで虫が大嫌いという元々は自然とは縁遠い私ですが、ファームに立つと心がうきうきしてきます。ときどき蓼科通いがなければ仕事がもっとスムースになるのにと思うこともありますが、東京では得られない満足感や幸せ感があり、やめることができません。 3時間かけて畑に通うのは正

生きた食べ物を食べよう

自然界にない化学合成されたものは私たちの健康の邪魔をします。その代表といえば、食品添加物。 様々な加工食品に使われていて、まんぜんと食べものを口にしてしまうと相当な量を取り込んでしまいます。 着色料や着香料、保存料のような添加物だけではなく、最近は本物の食べ物をひとつも使わずに化学合成して作られる「食べ物もどき」もよく目にします。白い粉を調合して食べ物ふうにするのです。 加工食品のほとんどは人工的に味付けがされ、ひとつの食品に何十という薬品が使われています。ひとつひとつ

バルサミコ酢、和食にも合うんです

お酢といえばおこめから作られる米酢を使うことが多いと思います。しかし私の実感では米酢は体が冷えるので、冷えにくいバルサミコ酢や香酢、アップルビネガーがおすすめ。これらのお酢は不思議と日本人の味覚にぴたっと合うので、普段の料理にいつも使っています。 その中でも特におすすめなのが、バルサミコ酢。ぶどうを搾った果汁をこし、その後ゆっくりと煮詰めて作られるお酢で、ワインと同じく赤と白があります。 食材の味を損なわず甘さと風味、奥行きを与えてくれる上、醤油や味噌との相性抜群で和食に

農薬の弊害

スーパーで売られているほとんどの野菜や果物には農薬が使われています。丁寧に洗えば大丈夫と考えている方も多いと思いますが、水溶性で無味無臭な農薬は野菜や果物の中にまで吸収されます。だから、どんなに丁寧に洗っても完全に落とせるものではありません。 農薬は虫の中枢神経に働きかけ、過度に脳を興奮させて殺すのですが、虫と人間の中枢神経と脳の構造は同じなので人間の脳にも影響を与えます。1回の摂取量はわずかでも、農薬は私たちの体の脂肪などに蓄積されやすいので体内に溜まってしまいます。

夏でもお湯で皿洗い

足湯や半身浴が冷えに効果的なことはご存じの方も多いと思いますが、忙しい日常生活では足湯や半身浴はそう簡単にはできません。 しかし、忙しい家事の間でもすぐにできる簡単な方法があります。それはお湯で手をあたためること。手だけでも十分効果があります。指先をあたためると血流がよくなり、体全体があたたまるのです。そのためにわざわざお湯を用意しなくても、手を洗うときや洗い物のときにお湯を使うだけで大丈夫。 給湯器の温度設定を43〜45℃にします。 特に夏に実践すると効果的です。暑い

足首をあたためる

靴下を何枚も重ね履きする冷えとり法があるようですが、必要以上に重ね履き をすると、足の指が自由に動かなくなってしまいます。足の指が動かないと全身 の骨格が正常な位置で働かず、いい姿勢で歩行することができません。ちゃんと した歩行ができないと筋肉は正しく働かず、体はあたたまりません。そして、血 の巡りも悪くしてしまうので、さらに体を冷やすことになってしまいます。  靴下を何枚も履かなくても、足首まわりをあたためていれば大丈夫です。もし 重ね履きをするのなら、足の指がちゃんと

ピュアな水で水分補給

人間の体の約60〜70%は水分でできています。 水は体の中で栄養を運んだり、老廃物を排出したり、また体温調節など様々な働きにかかせません。 私たちは1日に約2・5ℓを体外に排出している、つまり約2・5ℓの水分を摂取する必要があるのです。1ℓほどは食事や代謝水(食べ物を分解する際の化学反応でできる水)でとれるのですが、残りの1・5ℓは毎日水で補給しなければなりません。 最近は外国産のペットボトルの硬水もよく目にしますが、日本で暮らしている私たちの体に合っているのは軟水です

はしりものには手を出さない

   人間の体は、たとえ都会に暮らしていようとも、季節と呼応しています。特に四季のある日本では、季節の移ろいに影響を受けます。現在使われている暦は実感する季節より早く、今の暦よりも1ヶ月ほど遅い旧暦が日本列島に暮らす私たちの体には合っています。 農業技術の発達で、今は一年中いろいろな食材を手に入れることができるようになりました。「はしりもの」は高い値段で販売されるので、競うように本来の季節よりも早く栽培された農作物が店頭に並びます。全ての農作物には本来の季節があるのに、スー

白い砂糖は体を疲れさせます

精製された白い砂糖は「空からのカロリー」といわれ、栄養素がゼロでカロリーだけがあるものです。体に適しているのは、穀類など炭水化物の形で摂取して、口の中でだ液と混ざり体に入ってゆっくり糖化していく糖分です。徐々に糖に変わっていくので、処理のためにすい臓から分泌されるインスリンもゆっくり対応します。 しかし、白い砂糖の形で体内に入った糖分はすぐに血液中に送られるため、高血糖になってしまいます。すると、すい臓は大量のインスリンを緊急放出して、非常事態を乗り切ろうとがんばります。つ

暑がりの人こそ冷えている

汗っかきの方や暑がりの方は、自分が冷えているとは思っていないのではないでしょうか。それは大きな勘違いです。ここでは冷えているかを簡単に見分けられる3つのポイントを紹介しますので、自分はどうかチェックしてください。 体温36℃以下は黄信号、37℃の微熱は赤信号冷えを見分ける一番簡単な方法は体温をはかることです。まずは自分の平熱を確認してください。平熱が36℃以下の方は確実に冷えています。体温が36.4℃以上になると大半の不調は回復に向かいます。そして37℃前後に常時微熱が出て

夏に向かう今こそ!体をあたためよう

ほとんどの現代人が冷え症といっても過言ではありません。冷えは万病の元といわれることがありますが、肌荒れ、頭痛、肩こり、生理不順など、多くの方が抱えている様々な体の小さな不調の原因の多くは冷えからきています。これらの症状にひとつでも当てはまる方は冷えています。 冷えを感じていないからといって、冷えていない訳ではありません。冷えを感じる場合はまだ症状が軽いのですが、本当に深刻なのは冷えていることが実感できないほど冷えてしまっている人。そういう場合は逆に手足がカッカと熱く、頭に

コーヒーは午後から

    年中、朝からコーヒーを飲まれる方は多いと思いますが、コーヒーは体を冷やします。コーヒー以外にも紅茶、緑茶、ほうじ茶、番茶、牛乳、豆乳など、みなさんが普段飲まれているほとんどの飲み物は体を冷やします。体をあたためるお茶は三年番茶とミントティー、一部の中国茶だけです。 お茶の葉の新芽から作られる緑茶や紅茶は体を冷やしますが、生育3年以上経過したお茶の木から収穫された茶葉や茎を使い、熟成を加え焙煎した三年番茶は体をあたためます。そして、ミントティーは血流をよくする作用があ

はじめに

スタイリストをしていた私が「食」を仕事にするようになったのは30歳のとき。その頃から旬の食べ物が一番美味しいという理由で、季節の食材だけを使い料理をしてきました。夏には食材にさっと火を通し海塩をパッっと、冬にはコトコト煮て味噌味で、といった季節に合った料理法です。  実は私、幼少期から高校時代まではとっても病弱で、病院通い、薬漬けの日々をおくっていました。しかし、あるときから病院にいくのをやめ、季節のものを美味しく食べて、単純に気持ちがいいという理由からなるべく自然に寄