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白い砂糖は体を疲れさせます

精製された白い砂糖は「空からのカロリー」といわれ、栄養素がゼロでカロリーだけがあるものです。体に適しているのは、穀類など炭水化物の形で摂取して、口の中でだ液と混ざり体に入ってゆっくり糖化していく糖分です。徐々に糖に変わっていくので、処理のためにすい臓から分泌されるインスリンもゆっくり対応します。

しかし、白い砂糖の形で体内に入った糖分はすぐに血液中に送られるため、高血糖になってしまいます。すると、すい臓は大量のインスリンを緊急放出して、非常事態を乗り切ろうとがんばります。つまり高血糖の後に、今度は低血糖状態になるのです。

日常的に砂糖を食べていると常に低血糖の状態になり、脳がそれを回避するために常に糖分を欲しがるようになります。これが砂糖には麻薬のような依存性があるといわれている理由です。そして、スクラロースやアスパルテームなどの人工甘味料やブトウ糖果糖液糖は白い砂糖以上に依存性があり、種々の不調を引き起こします。

さらに、白い砂糖は体を酸性にします。すると体は中和するように働くのですが、その際にカルシウムが必要となり、骨からカルシウムが奪われてしまいます。カルシウムだけではなく、ミネラルやビタミンも奪い体を疲れさせます。よく「疲れたら甘いものを」といわれていますが、全くの逆効果なのです。そんなときはミネラルいっぱいの海塩をとると楽になります。

その他にもアレルギー、うつ、不安障害、ぜんそく、ガン、肥満、認知症、消化器・循環器の不調、癲てんかん癇、リウマチなど上げたらきりがないほど様々な不調を引き起こす原因となる、まさに万病の元なのです。

白い砂糖は化学調味料と同じく舌を強く刺激するので、料理に使い続けるとその刺激がないともの足りなく感じるようになります。また水100ccに20℃で約200g、100℃では476gも溶けます。これらの性質を利用してあらゆる加工食品に使われているので、普段の料理で使っていなくても知らない間にたくさんの砂糖を摂取してしまいます。 

どうしても、砂糖を使いたい時は血糖値の上昇がゆるやかな、ヤシの花の蜜から作られるココナッツシュガー、樹液からのパームシュガーなど、またメイプルシロップ、はちみつなどを。ただし、農薬や化学肥料を使っていないオーガニックのものを選ぶようにしてください。

質の高い塩、醤油などの調味料を使っていると、砂糖や甘味料を使わなくても次第に物足りなさを感じなくなりますが、中毒性があるので急にやめるのはなかなか難しいと思います。完全にやめなくても、とる量を少し減らすだけで健康レベルがぐっと上がり、味覚も次第に鍛えられます。たとえば、スィーツを食べる回数を減らすだけでも体への負担は少なくなります。できるところから少しずつ減らしてください。

*イラスト:秋山菜穂
  画像の無断使用はご遠慮ください。

*この文章は、2013年にmille booksより刊行されました、たなかれいこ著「食べると暮らしの健康の基本」より抜粋し加筆修正したものを、mille books藤原康二さんのご厚意で公開しております。

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