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はじめに

スタイリストをしていた私が「食」を仕事にするようになったのは30歳のとき。その頃から旬の食べ物が一番美味しいという理由で、季節の食材だけを使い料理をしてきました。夏には食材にさっと火を通し海塩をパッっと、冬にはコトコト煮て味噌味で、といった季節に合った料理法です。 

実は私、幼少期から高校時代まではとっても病弱で、病院通い、薬漬けの日々をおくっていました。しかし、あるときから病院にいくのをやめ、季節のものを美味しく食べて、単純に気持ちがいいという理由からなるべく自然に寄り添い暮らしているうちに、次第に風邪薬なども必要なくなり、気がつけば40年近く薬をとらない生活です。健康のために特別なことをしたり、なにかをやめたり我慢したこともありません。それに生活時間もかなり不規則なのですが、すっかり冷え症もなおり、手足もおなかもホカホカとあたたかくなりました。

私は今東京の仕事場を拠点にしながら、長野県蓼科にある畑に通い、楽しみながら自然耕で野菜を育てています。それに加え、札幌でひとり暮らしをしている95歳の母の元に1ヶ月に一度訪れる生活をおくっています。あちこち飛び回るのはなかなか大変なのですが、もうすぐ67歳の今が一番健康で、幸せを感じています。

私がこれまでに実践してきた食と暮らしのお話を中心に、案外知られていない心身の不調の大きな原因である冷えの改善策と、日々の生活の中でできる健康になるための簡単なコツを著者「たべるクリニック」で紹介している中から、noteでこれから随時ご紹介していきます。全てを完璧にする必要はありません。ひとつでもいいので、これならできるということからはじめてみてください。体に様々なよい変化が生まれ健康でタフになるだけではなく、表情が豊かになり、お肌もきれいになっていきます。ほんの小さな変化が、いい循環を生み出すのです。私の教室の生徒さんたちもできることからはじめて、元気になっています。

昨今、健康になるための知識や情報があふれていますが、全ての答えは自分の中にあります。人間は自然に治るように自らととのえる能力を持っていますから、自身の体の声を聞いて、体が気持ちいいと感じることだけをしてください。心地がよく幸せを感じられる、我慢しない暮らしためのヒントとして、皆さまのお役に立つことを願って。


*この文章は、2013年にmillebooksより刊行されました、たなかれいこ著「食べると暮らしの健康の基本」より抜粋し加筆修正したものを、millebooks藤原さんのご厚意で公開しております。

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