ひとがたくさん集まる会は苦手だけれど
昨夜はこのnoteを開発運営している、ピースオブケイクさんの新オフィスお披露目会に家族でおじゃました。
代表の加藤(貞)さんが『もしドラ』を大ヒットに導いて、ダイヤモンド社を退職、渋谷のビルで起業されて、cakesをローンチして……。すんごく遠い昔のような気もするし、ものすごく最近な気もする。
会社がうまれた2011年当時をいろいろ思い出し、ちょっぴり感慨深い気持ちになりながら会場に入った。
新オフィスは広くてきれいで気持ちのいい空間で、お披露目会にはたくさんのひとが来ていた。cakesやnoteのクリエイターさん、出版社やエージェントの方。そしてその家族。
オフィスの大部分を占めるぜいたくなイベントスペースは熱気がすごくて、そんな場ははじめての娘は緊張と眠気と人見知りで変な顔をしながら、わたしに始終ぎゅっとしがみついていた(だから今日は左手が筋肉痛)。
さて、大人数の会やパーティが苦手なわたしは、そういう場にお呼ばれすると高性能レーダーのごとく知り合いを見つけては、「もはやサシ飲みでいいのでは……」という空間をつくってしのぐのが常だ。もしくはトイレの花になるか。
昨日は家族がいたので多少気は楽だったけど、それでも「娘もいるし20時には帰らねばね」という言いわけを心のどこかに引っさげていた。
ところが。
いつもなら一瞬で萎縮してしまうような密度だったのに、なんだか楽しくて。たぶんパーティでははじめてじゃないかな、娘を小脇に抱えて自ら会場をうろうろしていた。
ふと目があった人になんとなく話しかけたり、話しかけられたり……。「久しぶり」はもちろん、「あなたのこと知ってます、はじめまして」という、いまどきというか、不思議なあいさつがたくさん交わされる。
「あのひとに会いたい、会えたらな」という積極的な気持ちでのぞんだわけじゃなかったけれど、
結果的に「会えてよかった」「好きになった」「仲よくなれそう」がたくさんある場だった。気づくと20時を30分も過ぎていて、「じゃあ、また」と声をかけて急いでタクシーに飛び乗った。
たぶんちょっと興奮していたんだと思う。朝起きてもまだ、耳や身体に会場の感覚が残っていた。
なんでかなあ。昨日の映像を思い出す。そしてぼんやりと言語化できたのだけど。
パーティ会場じゃなく、広場だったんだな。あそこにいるのは「ピースオブケイクという主催者に呼ばれた個」ではなく、「cakes・noteという広場に集ったひとたち」だった。
その広場が好きで集まったという共通項があるから、「どうもどうも」でいい。名刺はいらない。「悪いひと」はいないよね。そんな感覚。
付き合ってメリットがあるかとか所属はどこかとか、そういう変な「評価」のない場だった(書いていて思い出した、わたしはこの「評価」のあるパーティが大嫌いだ)。
だから、加藤さんのことを考えながら会場に入ったのに、クリエイターのひとたちと話すなかで感慨深さなどはるかかなたに吹っ飛び、ただただどっぷり楽しめたのだ。そういえば「加藤さんとどういう知り合いですか?」みたいな会話がないパーティを開けるベンチャー、すごいんじゃないかな。
そんなたのしい広場をつくってくれて、体験させてくれて、どうもありがとうございますという気分だ。
これから(株)ピースオブケイクがどう成長していくか注目しています、なんてビジネスっぽいコメントはまったく出てこず、
ただただユーザーとしてこの広場を楽しませてほしいなと思う。「じゃあ、また」と言って別れたひとたちに、ほんとうにまた会いたい。
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