夫が編集した本の帯コピーについて聞いてみた話

夫が編集した本『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』が、発売3週間で9万部を突破したらしい(すごい)。

この本の帯に置かれているメインコピーは、「『なんで、あんな奴が評価されるんだ!?』の謎を解く!」。昨夜それを眺めながら、ビールを飲んでくつろいでいる夫に聞いてみた。

* * *

妻「ねえ、こうしたほうがいいって話じゃなくてさ、雑談なんだけど」

夫「うん?」

妻「コピー、どうして『あんな奴』のほうにスポットライト当てたか言語化してる? たとえば『なんで、自分は評価されないんだ!?』って自分にスポットライトを当てる方向性も、可能性としてはあるわけじゃん」

ああー・・・・としばし宙を見たあと、「編集者モード」になった夫が口を開いた。

夫「世の中、かなりの人が他人をうらやむ気持ちを持ってると思うんだよね。たとえばSNSで評価されてる同じ業界の人に対してケチをつけるのも、嫉妬混じりのことが多いでしょ?」

妻「まあねえ」

夫「でもそれは仕方がないというか。SNSやネットで見たくないものも見えちゃうし、人間だから嫉妬しちゃうのも仕方ない」

妻「うん、わかるよ」

夫「けど一方で、自分に自信を持っている人はそこまで多くない、とおれは思ってる」

妻「というと?」

夫「なんていうかなあ。『自分が評価されるべきかは置いておいて、アイツが高く評価されているのは解せない』とモヤモヤしてる人のほうが、『オレこそを評価すべき!』と思う人より多いってこと」

妻「それはそうかも。芸術家とかクリエイティブ系は『自分こそが!』タイプも多そうだけど」

夫「もちろんビジネスマンでもいるっちゃいるけど、多数派ではないかなと。あんまり迷いなくこのコピーにしたなあ」

妻「ふーん。で、この本を読んだらモヤモヤが晴れるの?」

夫「その解せない事態が起こってるメカニズムが、心理学的にわかる。で、自分も『錯覚資産』(*本書のキーワードです)を身につけられるようになる」

妻「へえー。知ってると知らないとでは精神の健康レベルが変わりそう。あ、ビール一口ちょうだい」

* * *

やっぱりちゃんと言語化してるんだなあと感心しつつ(上から目線だな)、その「うらやみの気持ち」はすごくわかる、と思った。

たとえば、「雰囲気かわいい」という言葉。

「あの子って雰囲気かわいいだけじゃない? 顔のパーツ見るとそうでもないよね?」

こんなことを言うのは、たいてい「雰囲気かわいくないそこそこ美人」か「雰囲気かわいくもなれない自己評価ふつう以下のコ」だ(ごめんなさい)。

自分の評価が気にくわないのではなく、相手の評価が高いことが納得できないのだ。「(自分がかわいいかは置いておいて)なんであのコが評価されるの?」。うらやましいよ、ズルいよって。

これは「性格が悪い」では片付けられない、と思う。人間の目が向いている方向の問題というか。目は外を向いているから、自分以外のことがまず入ってきちゃうのは仕方ない。

じゃあそのままでいいかというと、そうじゃない。
これはスーパー自戒を込めるけど、どこかで外に向いている目をぐるりと自分に向けないと、本心では「いいな」と思っていることにも気がつけないし、「いいな」と思う姿に変わることもできない。
なにより、「ズルい」という攻撃的な気持ちを抱えるのは美しくない。

自分の中に「なんであの人が!?」という気持ちが芽生えたとき。自分がなにをうらやんでいるのか、意地を張らずにちゃんと分解できる状態でいたい。そして相手の「術」を盗んでしまう素直さを持っていたい。

だいたい、相手が本当にズルい(狡猾である!)ことなんて、そんなにないはずなんだから。


と、その「術」のひとつとして、『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』を読んでみるのもいいんじゃないでしょうか。ぜひに!

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田中裕子

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