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ZASタグ付け規約 基礎編

1.はじめに

本記事はZAS(Zelvia Analyzing Supporter)におけるベースとなるタグ付けの概要および規約を説明するものである。

ZASについてはリンクを参照のこと。

[履歴]
2020/10/5 初版、守備時における高さの定義を修正

2.目的

基礎的なタグ付けの目的は、ゲームモデルレベルの分析をするためとする。またタグ付けの負担を考慮し簡易的な内容にするため複雑なタグ構成としない。

(蛇足。深くフットボールを知ることの第一歩がゲームモデル分析との考え方に基づいている)

3.タグ対象概要

基礎編のタグ対象となるものはサッカーの構造をシンプルに表現したものとなる。一般的には局面(攻守+2トランジション)とゾーン(Z1~Z3)で整理されることが多いが、試行錯誤の末、ZASでは「局面」「高さ」の観点を対象とする。

(1) 局面

「攻撃」と「守備」の2局面。

この定義のみでは分析が困難となるため、それぞれを2つずつに細分化する(チームタスク)。以下に定義を示し実際にはアルファベット1文字で表現する。

[攻撃]
・ビルドアップ:A
・得点する:B
[守備]
・ビルドアップの妨害:C
・失点を防ぐ:D

セットプレーは余裕があれば付ける。

なおトランジションは対象外とする。

トランジションは現代サッカーにおいて超重要となる要素であり戦術的に細かい設計を植え付けているチームもあるが、世はまさにできなければ万死に値するシームレス時代。なので得点または失点に繋がった状況のときだけ注目することにする。やって当たり前との願いも込められている。

という大義名分。つまりめんどくさい。

(2) 高さ

ボールホルダーとプレッシャーラインを基準とした概念。実際にはナンバリングで表現する。

具体的には攻撃時はこちらのボールホルダーに対面する相手ライン。守備時は相手ボールホルダーが対面している自軍ラインを指す。

[攻撃]
・相手の第1プレッシャーライン(FW中心):1
・相手の第2プレッシャーライン(MF中心):2
・相手の第3プレッシャーライン(DF中心):3
・相手の即時奪取:0
[守備]
・自軍の第1プレッシャーライン(FW中心):3
・自軍の第2プレッシャーライン(MF中心):2
・自軍の第3プレッシャーライン(DF中心):1
・自軍の即時奪取:0

本来、高さはゴール~ゴールの中で相手の位置により無数に存在するが、タグ付けを簡易化するため対面するプレッシャーラインを基準としている。

攻撃と守備で数字が逆なのは、かみ合わせ時に攻守で同じ値を利用する方が流れの理解に繋がると考えるためである。

GKタスクはタグが増えるのを避けるため基本的に1として扱う。即時奪取はライン基準に上手く組み込めなかったので0としている。

ゾーンをタグ対象としない理由はゲームモデル分析(と言うかプレー原則分析)が困難になると考えるからである。例えばゾーン2のタグを付けたとしよう。相手の残りが前方に8人いる場合と4人しかいない場合に攻撃時に大まかな原則に沿って同じ振る舞いをするだろうか?守備時も同様である。

おそらくその際「どこで?」「誰が?」「いつ?」などの細かいタグが必要になると思われるしタグ付けの時間もかかってしまうことになるだろう。更に相手の状況により同じゾーンでの振る舞いが無数に存在しまとめきれない。つまりめんどくさい。

4.タグ付け規約

局面と高さの組み合わせにより以下の定義に従いタグ付けを行う。ほぼ利用しない定義も存在する。

A0-A3 攻撃・ビルドアップ

・相手の第1プレッシャーライン対面ビルドアップ:A1
・相手の第2プレッシャーライン対面ビルドアップ:A2
・相手の第3プレッシャーライン対面ビルドアップ:A3
・相手の即時奪取対面ビルドアップ:A0

B0-B3 攻撃・得点をする

・相手の第1プレッシャーライン対面得点タスク:B1
・相手の第2プレッシャーライン対面得点タスク:B2
・相手の第3プレッシャーライン対面得点タスク:B3
・相手の即時奪取対面得点タスク:B0

C0-C3 守備・ビルドアップの妨害

・自軍の第3プレッシャーラインによるビルドアップ妨害:C1
・自軍の第2プレッシャーラインによるビルドアップ妨害:C2
・自軍の第1プレッシャーラインによるビルドアップ妨害:C3
・自軍の即時奪取によるビルドアップ妨害:C0

D0-D3 守備・失点を防ぐ

・自軍の第3プレッシャーラインによる得点タスクの阻止:D1
・自軍の第2プレッシャーラインによる得点タスクの阻止:D2
・自軍の第1プレッシャーラインによる得点タスクの阻止:D3
・自軍の即時奪取による得点タスクの阻止:D0

5.おまけ

基礎編のタグに対し、さらに各チームで設定しているプレー原則をナンバリングしたものを紐づければ精度の高いゲームモデル分析が出来るようになると予測する。

またフットサルにも流用可能と思われるため試験する。(ボックス時の高さ定義が悩ましい?)

現在はcovid-19の影響もあり一人で試行錯誤している状況だが、また再びメンバーと共にゼルビアが強くなるためにと色々な活動できることを平戸に祈る🙏

ちなみにGUIプログラミングができる人なら基礎編のタグ付けアプリケーションを作ることは容易だろう。

(今は高さ4を0に変えている)
利点としては試合のライブ映像を見ながらリアルタイムでタグ付けできるようになることだが、映像と紐づけできない欠点はどうしようもない笑

(本当はバルディ本の分析フレームワークに従ったタグ付けがしたい)

[参考文献] (飛ばし読み多し)


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