「パーパとタミュラスと和田晋侍ソロについて」

さー、もうすぐです

こんがりおんがく祭(これはソールドアウト)でドッドドバンドのその前日の5月4日、沖縄から香取が帰ってきてツアー中のようなので空日を押さえて急遽企画しました!

 ゴールデンウィークは畑はもちろん、子供達のイベント、各種リハやライブですっかり埋まっているんですが、パーパはね、やっぱり自分にとっては特別で特殊なバンドなんですよ 

ということで当日までまた色々書いてみようかなと

パーパって言うのは、稲田が95年に後輩(神大軽音ジャズ)の香取光一郎と水谷康久に声をかけて結成したバンドです

なのでかれこれ存続24年という自分にとっては1番古いやつ

稲田がジャズ部の部長をやってるときに新入生で入部してきた2人なんだけど、香取とは早速バンド組んだりしてたのは彼が大学構内を鬼ころしの紙パックをちゅーちゅー吸いながら歩いている姿をみたのがきっかけだったですね

当時の香取のピアノはビル・エヴァンス風のシャープで端正なスタイルだったのだが、割と早い目にちょっと得体の知れない音使いをはじめていたと思う
コルトレーンのシーツオブサウンドをピアノに置き換えてさらに高速にそして軽やかにした感じもする(いまもする)

一方アルトサックスの水谷は部のメインビッグバンドに所属して最終的にはコンマスもしていて、全国大学のコンテストで最優秀ソリスト賞をとってたりしていたが、それはコンボ中心の活動をしていた自分とはほとんどずっと接点がないのだった

でも水谷達が引っ張っていた時期はフルバンドはサドメルをメインにやっていて、あれはかなり良かったな

で、彼がフルバンを引退してから、急に絡みが増えるようになった

とにかく2人とも自分の周りでは一等「耳のいい」ミュージシャンです

ところがパーパはそんだけ長くやっててもライブは大して多くない(アルバムも3枚しか出していない)

香取が2000年に沖縄に移住してからはもう年に1回やるかやらないか

でもその少ない活動において音楽性はけっこうな変遷があり、当初はミニマムジャズ、次にエレベーターミュージック、そして歌もの、それからインプロ

なんでこんなにスタイルを変えているかというと、そもそもコンセプトが定まってないからで、というのは結成当初にあんまり「コンセプト」に興味がなかったからだ

しかしいまは興味ありありです

「時間」

現代音楽では散々やられてきたものだけど、それでもというか、結局は自分がやりたいこと"だけ"をやろうとするとメンバーとの最低限の共有項がこれしか残らない("自分だけ"がやりたいことをして他のメンバーにそれがないというのは全く話が違う。各々好きにするべき)

予め決めてあることは「時間」についてリンク設定のみで、あとの中身はほんとにみんな何やっても良いというか

、、『自分がやりたい(好きなこと)』というのは自由という言葉に置き換えてみてもいい

すると自由というのは実のところかなり困難でありだいたい〈真の自由〉など存在するはずもなくて、しかし観念として、フィクションとしてならば可能であろう

無限がほんとうに存在するのかというテーマとも似ている

可能無限と実存無限

というなんのこっちゃ(妻は「読み飛ばしたー」)なパーパの音楽についてはまた別で書くとして、tumulus(タミュラス)です

京都のギタリスト宇津弘基氏によるソロプロジェクト

これもゆすらごで黒田くんにその人物の話をちょくちょく聞いていて、ん?サトリスクール?spasmom?それはわりと縁のある人なんじゃないかなぁと思ってたんです(稲田はスパズマムのボーカル吉田ヤスシとサスペリアやビスコというバンドをやっていた)

それであるライブでそのソロワークのtumulusをお誘いして出てもらったんですが、それは寝ましたね!

これ誤解されそうなんですが、俺は心地よい音楽を聴くと(そして集中すればするほど)寝てしまう癖があるんです※ダメな音楽で寝たことは決してありません。非常にイライラするので

今までも頭士さんのソロとディーゼルギターのライブで寝たし、あとフジワラサトシグループのレコーディング(エンジニアとして)も寝た

ああ、、これは極上だ、気持ちいい、、という感覚からはっと気がつくと演奏が終わっていて、楯川さんに「稲田くんむっちゃ寝汗かいてうなされとったねえ」と言われたことも、、

すごく肩こりもほぐれてスッキリできる睡眠をとれるんですが、記憶が一切ないのでなんとなく損した気分にはなるから、それでやっぱりもっと聴きたいなとまたライブを観に行ったり度々企画に誘ったりするという循環が生まれる

そんなtumulusは「端正でハイテクニック、ハイクオリティなギターソロ」と単純には言えない不気味なデザイン性があると思います

それは彼がプロダクションし様々にマーチャンダイズ展開しているキャラクター「ユッビー」にも見受けられる

ユッビーの下半身はどうなっているのかいつも考えてしまうけどマジで想像するとちょっと気持ちが悪いからよしておこうというのと、タミュラスのギターのあれ?いまのコードの響きはなんだかえらい違和感があるんだけどまともに検証してもおそらくいい事は何も無いから考えないでおこう、、という、きっと同根のホラー感

分析を拒む作品ってありそうでなかなかないし、それでもあえて分析をすると案外グロテスクな人間の思い込みのような、進んで人様に曝け出すのは憚られる奇妙な個人的固定観念のようなものについても考えてしまい、そういうの自分ほんと好きなんですが、この表現、伝わりますかね?


5月4日のパーパ、久々だしせっかくだからやりたい曲がたくさん(と言っても5、6こ)あるけど、それやると「時間」を演奏する時間がへるんだよなあ

まあぎりぎりまで考えてみよう

と、さて、最後の紹介は和田晋侍ドラムソロ

シンジとは新世界ブリッヂ時代に半野田拓のバンドで一緒にやったり巨人ゆえにデカイをイベントに呼んだりしてからずっとなのでこれももう20年近くになるのか

拓のやつはそういえば植野くんとタイチくんもおって京都の学祭でてなぜか宇川さんがVJしてたり、かなり得体が知れず混沌としていたな

巨人を自分のイベントに呼んだときはミッコがインフルエンザかなんかで高熱で高下駄を維持できず地面に這いつくばってギターを弾いてぐねぐねのたうちながら何事かを叫んでいてそれは相当にドロドロな状況で、俺はPAをしていたけど「まるで地獄みたい」とか考えてました

シンジと稲田は他もドッドドバンドやなんやかんや様々な企画で共に演奏しておるのですが、しかしそういえばドラムソロを観たことがない!

何度もアンプや機材運ぶの手伝ったりしてるのに、、

勿論音源や動画では知っててかっけーなーと思うんやけど、でもやっぱり実物観ないと話にならんでしょうね

と、お話になるならないはともかくこれ観て



まずお目にかからない映像ですね

彼の参加するDMBQやリンダ&マーヤももちろん有名なのですが、そのネイティブバンドである巨人ゆえにデカイ、聴いたことないひとはぜひ(やや昔のやつだけどカッコいい)


「ロックミュージック」の様々な制約を外しに外して、しかし良い音で再構築している(本人たちがどう考えているのかは知らない。そういう話をしたことがない。我々はいつもはスナック菓子の「オーロラソース味」が社内会議でどういう具合に通過しいったい誰が最終決定をしてついに世の中に商品として流通するようになってもうたのかとかそういう話をしています)

なんせ、YouTubeで見るだけでもただただおもろいなーと思うんです

和田晋侍は去年から東京に拠点を移しこのドラムソロワークをますます展開している最中なので、みんなもがんがん呼んだらええのに

、、そしてしばらく前に彼は主役として映画も出ていてそれがこちら


このサントラもシンジが担当し作成したのだが、これは俺は非常に驚いた

出来の良さというより、音作り、作曲の根本の発想

通常、サントラや劇等の音源というのは極力ノイズを減らす方向というか、音の切れ目もなるべくフェイドアウトしてとにかく「音楽以外の音」を目立たないようにするもの(だと俺は信じていた)で、例えばドルビー技術はその結晶みたいなもの

しかし彼は含まれるノイズをさらに強めたうえに、FIFOの処理もなく音と音の間をぶったぎってかなり暴力的に確信的に配置している

その「切れ目」が新たなブレイクビーツを生み出す狙いも当然あるんだろうが、それにしても自分はメロディやリフよりもそのノイズの切れ目ばかりに集中してしまった

たしかにこれは"サントラ"としては不合格なのかも知れない

でも音楽の可能性については断然価値がある

ということで、和田晋侍ソロワークはドラムに限らずすべて(※あと、シンジの「歌モノ」というこれまた奇怪かつポップで大変な『世界』があるけど、別の機会に)みなさんに自信を持っておすすめいたします!

いよいよ明日の開催ですー

(最後みんなで一緒に演奏しようかといま考えています)

2019年5月4日(土)@大阪HOPKEN

・パーパ
 (稲田誠b/香取光一郎p/水谷康久sax)
・Tumulus
・和田晋侍ドラムソロ

OPEN 19:00 / START 19:30
CHARGE¥2000  [別途1drink¥500]

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?