見出し画像

続・ネタバレ注意!

やっと下巻を読み終えました、コインロッカー・ベイビーズ。

ということで、またまた僕がビビッときたフレーズを紹介します!

やはり終盤になると、伏線回収のおかげで感性が高まりますね〜。

読んだことある方、ぜひ感想を聞かせてください!(≧∀≦)

さ〜て、次は何を読もっかな。

【ここから本文より抜粋】

p40.発作が起こりそうだって思うときにな、我慢する方法をいろいろ考えて試したんだ、数字を数えたり、座禅したり、歌うたうとか、一番いいのはな、何だと思う? 心臓の音を聞くんだよ。

p54.コンサートツアーは過酷だ。音楽家は演奏旅行で鍛えられる。旅を続けるとどの町も同じに見えてくる。同じ歌をうたい同じ動作をする繰り返しに耐えねばならない。疲労が溜まると観衆の熱狂や興奮さえ新鮮でなくなる。極度の消耗の中でポップスターは自分に問わねばならない。お前はこの商売が本当に好きなのか?と。

p102.自分の欲しいものが何かわかってない奴は石になればいいんだ、欲しいものが何かわかってない奴は、欲しいものを手に入れることができないだろう?

p103.僕は自分が嫌いだった、弱虫で他人の顔色ばかり窺ってた、そんなことで強い歌手になんかなれないと思った、人前で演技をするように教えられた、僕はうまかった、カメラの前ではみんな演技するものだが僕は特別にうまかった、他人の顔色なんか窺っていないという演技だ、質問をはぐらかし、自分の意見だけを強引に話す、非常識な言葉や逆説を使って、すると、他人が僕の顔色を窺うようになった、いつ頃だったかはっきりとは憶えていないが、僕は、他人が僕の顔色を窺う時のために自分の体の中に別の生き物を培養した。

p105.影のない街並、通り過ぎる人や建物、景色全体が発する一種の波を感じ。た。公演旅行で知らない街を訪れる度に感じる波、音とか色、匂いとか風ではない。その人間やその建物やその景色との距離が縮まったり遠くなったりする時に、自分との間にある空気が歪むのだ。街は変わっていない。

p132.まじめな女の子には魅力がないから、あたしはまじめになりたくないわ。

p167.この音は最大限の勇気を与えてくれる、わかったぞ、心臓の鼓動だ。

p185.キクは鮫の緑色の血の中で二つのことを知った。死に抗うのを止めると体から苦しさが消えること、心臓の鼓動が聞こえる間は諦めずに苦しさと戦い続けなければいけないこと、の二つだ。

p205.打撃と打撃の間に恐怖が産まれるのだと初めて知った。痛みを想像するから恐くなるのだとわかった。

p212.もう僕は決して忘れないぞ、怯えて泣き出す自分を嫌うことはない、その他には、どこを捜しても自分は見つからないんだから。

p215.誰もが胸を切り開き新しい風を受けて自分の心臓の音を響かせたいと願っている、渋滞する高速道路をフルスロットルですり抜け疾走するバイクライダーのように生きたいのだ、俺達はすべてあの音を聞いた、空気に触れるまで聞き続けたのは母親の心臓の鼓動だ、一瞬も休みなく送られてきたその信号を忘れてはならない、信号の意味はただ一つだ。

p223.僕は母親から受けた心臓の鼓動の信号を忘れない、死ぬな、死んではいけない、信号はそう教える、生きろ、そう叫びながら心臓はビートを刻んでいる、筋肉や血管や声帯がそのビートを忘れることはないのだ。


最後までお読みいただきありがとうございました(^^) 記事の更新は、あなたのサポートに支えられています。 感想をSNSでシェアしていただけると嬉しいです!