見出し画像

チャイのワークショップ:県外編

実技前の神妙な時間

今回は、2016年に、僕が初めて関西以外で「チャイのワークショップ」を開催した時の記録です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

香川県高松市にある「まちのシューレ963」は、カフェ、ギャラリー、生活雑貨、工芸品、食品などを扱うお店で、僕とは、カンテでチャイ用の茶葉を買っていただくようになってからのお付き合いです。そして、僕が通販している「マサラ・チャイ」を作ることになったきっかけのお店でもあります。

ある時、「まちのシューレ963」のお茶担当の方から電話があり、「マサラ(パウダー)を直接茶葉にブレンドしてもらえませんか?」と言われたんですね。それまでは、チャイ用の茶葉とマサラパウダーを別々に販売していたんですが、「それではキッチンでチャイを作る人によって分量や味がまちまちになるので」というような理由だったと思います。

「できなくはないのですが、今までスパイスを茶葉にブレンドして販売したことがないので、少々お時間をいただけますか?」と返事。

その頃の僕としては、マサラチャイを作る時はその都度茶葉とマサラパウダーを鍋に投入して作るのが普通で、最初から混ぜておく習慣がなかったので、試作をする必要があったのです。万人向けに最適なブレンドの量を何回かの試作をしてシビアに計算し、なおかつカンテのスタッフに飲んでもらって完成させたのが、現在の僕の「マサラチャイ」の茶葉とスパイスの比率なんですね。

その後、僕は2015年にカンテを辞めることになるんですが、カンテではこの「マサラチャイ」を作る人がいなかったので、シューレさんとの取引は退社した僕が個人的に引き継ぐ事になりました。翌年、「私たちのお店でも『チャイのワークショップ』をお願いできますか?」と打診され、関西を出た事がないけど大丈夫かな?とは思ったものの、好奇心もあったので引き受け、カンテのイーマ店まで打ち合わせに来て頂きました。レッスンの内容は「マサラチャイ」と決まりました。

さて、ワークショップの当日。今回もいつものように90分の3本立てで、1回に7人で21人が集まってくれました。シューレさんのお力に感謝。他県からも参加者が来られたそうで、香川県でもチャイへの関心度の高さが伝わって来ました。チャイ、恐るべし。(笑)

始まる1時間前にセッティングを完了し、2杯点てのカルダモン・チャイを作って味の確認も済ませました。

一回目のレッスンは、主婦の方と会社員の方が半々。いつも一通りシナリオ通りにやろうと思うんだけど、名刺を渡して自己紹介を始めると、いつの間にかアドリブに走ってしまい、やることが前後してしまう。今回も、まずはスパイスの説明から始めて各自にスパイスをブレンドしてもらうはずだったのに、いきなりチャイを作る所から始めてしまい、スパイスはその都度説明を加えるという形になってしまった。

「スパイスは使いすぎないように」というのが、僕の基本姿勢。なぜなら、スパイスの味がチャイの味(紅茶の味)を変えてしまわないようにという配慮のためです。日本人は普段からそれほどスパイスを使い慣れていないから、一気にたくさん入れがちだけど、本当は少しでいいんですよね。香り付けなんだから。

参加者の生徒さんたちは、僕の解説を一言も漏らさないようにとメモし、なおかつ、他の生徒さんたちの実習を食い入るように見ていました。各自出来上がったチャイを一口味見して「おいしい」というその言葉を確認するまでは、僕も気が抜けません。楽しくもあり、緊張する時間でもあります。二回目のレッスンは、少しチャイを吹きこぼすこともありましたが、失敗は成功の元、一度は皆やってることなので、心配なし。三回目のレッスンは、親子三代で来られた方がいらっしゃいました。おばあちゃん、お母さん、娘さん、それぞれにチャイへの思いは違っていましたが、チャイとスパイスの関係とかを熱心に質問されたのが印象的でした。

・・・・・・・・・・・・・

さて、僕の作るパウダーのマサラチャイも美味しいですが、3年ほど前にできた「マサラチャイSP」は、かなりふんだんにホール(原形)のスパイスを使っているので、自分でいうのもなんですが、バランスが良くて美味しいです。(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?