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真夏の夜の怪談(?)

なんだかんだ後回しにしていたら、もう立冬…。
この記事は、8月のお盆を過ぎたあたりに書き始めたのだが、気がついたらこんな時期になっちまった…。
いかんなぁ。なるべく思ったことは、その日のうちに書いておきたいね。
そんなわけで、9月に入ったばかりの”テイ”も残しておきます。
すみません。

9月に入り、朝晩はだいぶ涼しくなってきたが、日中はまだまだ真夏日の暑さである。
夏といえば、怪談である。
自分は、全く霊感がないのに、人一倍、怖がりである。
小学生までは、夜中にトイレにイケなくなってしまうくらいだった。
だが、小学生時代の夏休みは、昼のワイドショーで、「あなたの知らない世界」が全盛の頃で、お昼に何故かその番組を見ては怖がっていた。

怖がりのクセに、怖い話を聞いてしまう。
そして、怖い話のサワリだけでも聞いてしまおうものなら、その怖い話を最後まで聞かないと、逆に呪われるんじゃないかと、勝手に思い込んでいる40代最後の男子である。

こんな自分だが、怖いというより不思議な経験は何度かある。
幼少期や浪人時代に経験している。
それは見えてしまったというものだ。
たぶん、ご先祖さまが見えたのかもしれない。
ハタチを超えてからは、まったく見えなくなってしまった。

これからお話するのは、そんな大人になってから経験したちょっと怖いお話である。

あれはいまから、5~6年前になるだろうか。
ある夏の日、某県某市に宿泊した。
翌日のマラソン大会に出場するためである。

宿泊するとなれば、その土地の風俗文化を探究するために、前日の夜に某所に出かけることにしている。
もちろん、事前のリサーチは欠かさない。
最高の前夜祭にしたいから。

その夜も、某コンビニの前で待っとけばよいと事前に得た情報どおりに、某コンビニの前で待っていた。
するとすぐに、お世辞にもキレイとは言えない、というか、うすぎたねえ格好のオジサンが話しかけてきた。
「うわ〜、ホントに話しかけてきやがった」
と内心、喜んでイイのか悪いのか、半信半疑で話を聞くことに…

「にいさん、どう?」
「どう?ってナニが?」
「にいさん、もう知ってるクセに~」
こんな会話をしながら、交渉する。
話が決まると、どこかに徒歩で案内されるもんだと、勝手に思っていた。
「いま、迎えの車に来ますから…」
「え、く、くるま!?、車を使わなきゃあかんのかいな…。でもまぁ、車でせいぜい5分、10分くらいのとこなんでしょ」と、まだ気持ちに余裕があった。
「すぐ、近くだから」とオジサンは言った。
ここまでは、この言葉を信じていた。

自分の車も大したことないが、オンボロの軽に乗せられた。
「運転手のオジサンにナニ話せばいいんだよ…」
こう思いながら、気がつけば、10分以上、車は走っていた。
「おいおい、まだ着かね~のか。すぐ近くって言ってたじゃん」と心の中で憤る。
でも、この後のお楽しみのタメだ。ガマンしようと思った。

そうこうしているうちに、自分が乗った車は、訪れた某市から隣町へと入っていった。
「うわ~、これあかんやつや…。終わった…、俺。ごめんよ、母さん…」
まさに死を覚悟した。最低でも身ぐるみ剥がされて、腕の1本は失うかもしれない…。
まるで、ナニかの見すぎのような妄想をしてしまっていた。
風俗のお店とおヤ◯ザさんはどこかでつながってるからなぁ…。
死ぬ前に、まだまだいろいろやりたかったなぁ…。
辞世の句でも残そうか。

そんなことを思ったときだった。
隣町から走ること20分、某ラ◯ホに車は入っていった。
え、まさかオジサンと…。これはこれで、また人生終わったと思った。
もう家に帰れない…と思った。

とある部屋の前で送迎の車が停まる。
「はい、お待たせでしたね。◯◯分、おいくら万円です」
「中で待ってますから」
あ、そういうこと…。
部屋に入ると、薄明かりの中で誰かが待っていた。
良かった…。ほんとに良かった…。やっとここで安堵した。

怖い思いをしたこともあって、この後は、ほんとうに楽しいひとときとなったのでした。
おしまい❤

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