ある女の子の物語
女の子のママは
波瀾万丈の人生だった
女の子にパパはいなかった
ただお兄ちゃんと呼ぶ人がいた
とっても怖そうで
ママだけを愛する人
女の子たちには自由が許されない生活
おかわりしてもいい？
その一言がどうしても言えなかった

そのお兄ちゃんが入院した
たった3ヶ月の間に
また違うお兄ちゃんが来た
女の子は戸惑いながらも
新しく来たお兄ちゃんを
受け入れる事しかできなかった
子供にはお兄ちゃんを選ぶ権利もない
ただママの選んだ人を
お兄ちゃんと呼ぶしかなかった

新しいお兄ちゃんが来てから
ママはお酒に溺れるようになる
また今日も酔っ払っている
それが当たり前の毎日となった
そして恐れていた事が
現実となる…
前にいたお兄ちゃんが退院して来た
酔っ払いのママを巡っての
男同士の大乱闘
とっても怖くて
女の子は姉とふたり震えながら
嵐がおさまるのを待った

そして数カ月が過ぎた頃
女の子は引っ越す事になる
新しい町、新しい学校、新しい友達
小さな女の子の心は
どうなっていくのだろう？