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生きてたから今がある【⑧】

ある女の子の物語
女の子はママが大好き
冬眠してるママに会いたくて
だけど今はまだ会えなくて…
だから繰り返し思い出す
ママにしてもらった嬉しかった事を

三者面談の帰りに
ご褒美だと言って買ってもらった
1ダースの甘い甘いチューペット☆
とっても嬉しくて1日に1本 
カチコチにして食べた

学校に色鉛筆を持っていった
不揃いの12色入りの色鉛筆だった
隣の席の男の子が色鉛筆を忘れていた 
『これ使ってね』
女の子はそう話かけたが
『こっちの色鉛筆使いなよ』
『24色入りで新しいから』
悪気のない一言だった
だけど女の子は悔しさでいっぱいだった
家に帰るとお酒のないママがいた
女の子は色鉛筆の話をした
その瞬間
『色鉛筆買いに行くよー』と
自転車を走らせてくれた
タマの絵が描かれた 
24色入りの色鉛筆☆ 
女の子はこの喜びを
忘れた事はないという
 
女の子が1番好きだったママの姿 
それは仕事終わりに
駆けつけてくれた参観日☆
緑色のジャンパーを着て
お化粧もしていないのに
どのママよりも1番輝いて見えた

これが本当のママの姿
だから悲しい記憶で
塗り替えられる前に
繰り返し思い出す…
またいつか会えたらいいな☆
今は冬眠中の大好きだったママに…

女の子は冬眠から覚めたママに
会う事はできるのだろうか?

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