小林章さんの数字をデザインするWS参加レポート

谷です。好きなGaramondはStempel Garamondです。

この記事は、2018年11月18日に開催されたTDC主催のWSのレポートです。著名なタイプデザイナーであるMonotypeの小林章さんが数字のデザインをレクチャーしてくれるというWSでした。

1. 作った書体
2. 当日のようす
3. 振り返り

1  作った書体

参加者は、0〜9までの数字を宿題として作成します。当日は小林さんのコメントを元に、6時間かけてひたすら数字をブラッシュアップします。

今回、自分はジオメトリックサンセリフを作りました。1時間ごとに制作過程を残していたので、gifアニメにしてみたのが下の画像です。
本職のタイプデザイナーには遠く及びませんが、最初と最後のデザインを比べると、素人なりにもディティールやプロポーションが洗練されたのが分かります。

2  当日のようす

参加者は、グラフィックデザイナー、Webデザイナー、UIデザイナーから、デザイナーではない一般の方まで、様々な職種の方が15名が参加されていました。会場は東京工芸大学です。

最初に各自が作ってきた書体を貼り出して、それぞれデザインの意図を話します。
作風がかなり幅広く、イノシシをイメージしたブラシ調の書体や、インクトラップをアクセントにしたサンセリフなど個性豊かでした。

その後はそれぞれ割り与えられたテーブルで、ひたすらIllustratorと格闘します。小林さんは順繰りに参加者のテーブルを周り、ものすごく丁寧にアドバイスをしてくれます。一概には言えませんが、大体、1時間に1度回ってくるような印象でした。

小林さんがアドバイスしているところを、事務局の人が常にビデオカメラで撮っており、それが会場のプロジェクターにリアルタイムで写されていました。他の参加者へのアドバイスが常にシェアされている状態で、これは面白い試みだと感じました。
自席から見ることができるので、興味がある人は聞くし、そうでない人は黙々と作業するというような仕組みになっていました。

WSの最後は講評で、WS開始時の数字と、最終のものを比較しました。
どの方も書体としての統一感や、デザインの納得度が上がっていたように思います。

3  振り返り

とにかく、やればやるほど「タイプデザイナーはすごい......市販のフォントすごい......」という気持ちになります。直して、印刷して、確認して、というサイクルは、出口のない森を歩き続けるような気持ちでした。
ただ、小林さんのコメントが的確なため、自分の作品が確実によくなっていく実感がありました。「こうしろ」という答えを示すのではなく、参加者に気付かせるようなアドバイスをされていたのも学びにつながりました。

普段、書体やグラフィックデザインから少し離れているUIデザイナーだからこそ参加する意義があったような気がします。タイプデザインをする側になると書体を選ぶ目が鍛えられますし、業務で突然ロゴデザインを振られた時などに知識が役立つと感じます。

自身の修正過程を振り返ると、大きく3つのことをやっていたように思いました。(小林さんのコメントではなく、あくまで僕個人の意見です)

・曲線を整える、視覚補正する
  
尖って/凹んで見える線、細く/太く見える線を整える
・黒みやサイズが違って見えるものを補正する
  1の黒みが弱く見える、4が細く見える+先端が黒く見える、
  8のくびれ部分の黒みが強い、9が右に傾いて見えるなど
・ディティールに一貫性を持たせる
  5の線の切れ目が斜めになっているならば、2もそうなるのではないか?
  5と3の円形部分が同じハリになっているか?など

WSの運営としては少し不満がありました。USBは事務局が用意すると書いてあったのに当日はUSB持参前提になっている、機材準備が間に合わず定刻からすぐにWSを開始できなかった......など。ただ、事務局の方はどの方も親切で、長丁場の中でも参加者を常に気づかっていただきました。

終了時刻の6時になって外に出ると、すでに周囲は真っ暗でした。帰り道でふと、そういえば小林さん、ほぼぶっ続けで立ちっぱなし・喋りっぱなしだったなと。恐るべし.......。


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Tani

UIデザイナーによる書体分析

UIデザイナーが書体の知識を深めるために書いています。 Cover photo by Ashkan Forouzani
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