決壊

心が決壊した台詞 5選

記憶に残る傑作には、たった一言で観客の心を揺さぶる台詞がある。
「子供の頃から一流を見せた方がいい」という理由で海外では子供の頃から一流のオペラ、一流のオーケストラへ連れていく。
子供の頃から、若い頃から「本物」に触れることは、感性五感を育む感覚に近い。
大味に慣れきってしまうと美味しい料理を前にしてもただの薄味にしか感じなくなる。
素材の旨味を生かすための繊細な味付けや、細心の注意を払いながらも気配を感じさせない創り手の感性や手腕を見落としてしまう。


きみは優越感の為に不遇の俺を愛した

『ラ・ラ・ランド』
本物」という意味で、若い頃から触れてほしい映画の一つ。単なるミュージカル映画ではない。恋愛映画というより夢を持つ大人の話。根底にウィリアム・シェイクスピアがある。ハーバード大学や有名大学の教授が、400年経った今でも、彼の作品に夢中になっている。(ちなみに監督はハーバード大学卒)6年間の構想の末、練られた細やかな伏線、一流の音楽、俳優の芝居を超えた豊かな情感。記憶に残る傑作とはまさにこのこと。伏線に気づけば気づくほど楽しめる作品。



逝きたいなら――逝っていいんだ

『if i stay』

恋愛映画は最後まで見ないで終わることが多いがこの映画は別。ジュリアード音楽院を目指し、何もかも順調に見えた主人公にある時、災難が降りかかる。その彼女が、居ない間に進められる話の流れがこの上なく愛情にあふれていて心揺さぶられる。特に彼の祖父が彼女に掛ける言葉は必見。




自分は関係ないって顔してずっと一人で生きていくんだ

『言の葉の庭』
『君の名は。』であまりに絶賛され過ぎて今では、彼をおとしめるコメントも多い。注目を浴びることはそれだけ関心が高い証なので放っておく。『君の名は。』がヒットされる以前に発表された本作。アニメなのだが、すでにアニメの枠を超えた自然の描写が余りにもリアル。何なら話を聞かずに背景と音楽だけで最後まで観れそうなこのアニメ。監督が男性にも関わらず、女性目線で綴られる心情があまりにも「雪乃先生」に寄り添っていて驚く。ちなみにこの先生、映画『君の名は。』にも出てくる。



目的を失うと人は壊れてしまう

『ヒューゴの不思議な発明』
正直タイトルがもう少し人目を惹くものだったらいいのにな、と思う。映画好きにしか撮れない作品。子供のヒューゴ目線で語られる機械仕掛けの世界がやがて彼の過去へとリンクし、夢を忘れた大人へと結びつく。映像も贅沢で、人物はどれも魅力的。



きみは自分を抑え込むのがうまいね

『きみに読む物語』
有名、あまりにも有名。なので今更語る必要もないけれど、もし万が一観てないって人がいたらぜひ。大切なものがなにか、それに気づいた時、喪失感すら愛に変わる。生涯を掛けた純愛物語。



ライター。好きなものをもっと深めたり、日々のちょっとしたことをnoteにしたためたり。興味の向いたことを掘り下げてみたり。