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妻の本

本日、妻のはじめての著書が出版されます。
お昼はぼくの会社でもある社食堂で特別メニューの麻婆丼が!、そして今夜はお披露目会を行います。
ぼくの友人知人のみなさま、ぜひお越しください!
出版に際して、ぼくは大したことは出来ていませんが、寄稿させて頂きました。↓


細胞の原料は食事
妻は言った。

ふとした時、SNSで妻が食の場を作りたいという事を知り、物件リサーチが趣味でもある僕は、渋谷区富ヶ谷に、長い間借りられていない物件を妻と内見することにした。
まだ息子が生まれて間もないころだった。

子供が出来たことによって、社会との距離を取らざるを得なくなる女性が多い現代において、いまこそ社会との接続の場をつくることで、子供が出来ても働くことが可能だということを実現しようと、ヒトテマをオープンしたのは息子が6ヶ月の時だった。

子育てと両立したいという妻の思いもあり、週に一度だけオープンするレストランというコンセプトに辿り着き、抱っこひもで息子を抱えたまま、ヒトテマの営業は始まった。

週に一日であれば、妻の負担もそれほどではないだろうと思っていた。

夜中に目が覚めると、キッチンに妻は立っていた。
少し時間を見つけると、またキッチンでなにかを作り始めていた。
誰よりも早く起きて、来る日も来る日も、キッチンに立っていた。
本を読んでいるのを見れば、全ては食事に紐付いていく書籍を常に手にしていた。
寝ても覚めても、妻は料理のことを考えているようだった。

“ヒトテマという一手間しかかけませんよ”という言葉のうしろがわに、日々の時間が費やされているということを僕は知っている。

その時間が、家族の健康や、お店に来て下さる皆様の健康を司る、お手伝いができていること、
それはきっと、彼女の日々の時間が物語っている。

息子は好き嫌いのない元気な4歳になった。
ぼくたちの細胞は、妻の食事が原料でつくられている。 

谷尻 誠


公には出来ないけれど、ここだけで書くことが出来る情報も含めて、皆さんに共有出来ればと考えています。 建築業界の凝り固まった環境を見直しながら、新しい働き方や、経営方法、ブランディングについて綴っていきます。