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ぼくが変わろうとした訳

8月26日、CHANGE-未来を変える、これからの働き方をエクスナレッジ社さんから著書が発売されました。

2000gで3月に生まれた僕は、身体は小さく、何をするにもみんなよりもいつも遅れていて、その現実に向き合うことが出来なくて、勉強からもなにかと言い訳をつくっては逃げていた過去。
そんな僕が変わるきっかけとなった出来事を本の冒頭に書かせて頂きました。

はじめに
とにもかくにも右も左もわからない状態のまま僕は26歳で設計事務所をはじめてしまいました。
もともと独立願望はさほどなく、楽しく働ければそれで良いと思っていましたし、雑誌を開けば、建築の大学を卒業後、アトリエ事務所に勤務して、その後、独立をされている方ばかりが目にとまり、それに比べ勉強を大してすることもなく、遊びを優先してきた僕ではとうてい無理だと勝手に決めつけて、自分の過去の行動に後悔してばかりしていたのでした。
誰かと比べれば、どう考えても自分が劣っていることは言うまでも無く、そのころは建築の大学に行かなければ上手くいかないものだと、諦めている自分がいました。
それでも何とか自分の人生を変えたい、変わらなければという思いが、心のどこかにありました。
せめて、いまいる事務所でなんとか技術を身につけて、自分の好きなデザインの建築をつくれるようになりたい、それが、25歳の時の僕の目標でした。
1年後、不景気のあおりをうけ、事務所の給料もままならない状況が続き、辞めざるを得ない状況となり、仕方なく自分の事務所をつくったのでした。
正直に言えばその時は設計が主題と言うよりは、この一年は自転車のレースにいく一年にしようという目的で、自由に時間を使えるようにしたかっただけでした。

ただただ生活するだけのお金をなんとか稼ぎ、気ままに働く、そんな日々が過ぎていたある日、自宅で友人を集めて誕生日を祝う日に、来るはずの後輩がいつまでたっても到着せず、連絡も取れないことがありました。
そのまま夜更けまで友人達とお酒をかわした翌朝、ニュースで後輩が事故で亡くなったことを知りました。
ひとりっこだった僕に、まるで弟がいるかのように、その後輩は週のうち3~4日は御飯をたべに我が家に来ていたので目に前にある事実を受け入れる事が出来ませんでした。
それからというもの、なにも手につかない日々が続き、毎日のように事故現場にお参りに行っていました。
それに見かねた施工会社社長の江角さんが、夜食事に僕を連れ出してくれました。
その時、言われた言葉、「彼は死をもって、これ以上辛いことはないとおまえに教えてくれたのだから、だからそれを無駄にしないようにおまえは頑張るべきなんじゃないのか」と言われました。

たしかに考えて見れば、この出来事に比べれば、きっとあらゆることは苦しくても乗り越えることが出来そうです。
そう言われた翌日から、まるで天からのお告げかの如く、色々な仕事の相談が訪れたのでした。
後輩からとにかく頑張れと言われているかのようで、ぼくはどうせならば、なんとなく仕事をするのではなく、
自分自身が意味を感じて仕事をしていくべきなんだという信念がその時に芽生えました。
彼のおかげで、僕は仕事への向き合い方のみならず、人として、もっと変わらなければならないことに気づかせて貰いました。
一時的に大変だったことも、いまでは大きく変わるために大変さが必要だという思いとなりました。
だれしも今のままでは嫌だったり、物足りなかったりという思いはあると思います。
そんな時、なにかのきっかけや、背中をおしてあげることのできる本になればと思い、この本をつくりました。
他者や物事をかえることよりも、自分が変わること、とても大変だけれども、それが自分の人生を豊かにすることだと
いまの僕は心からそう言えます。
この本を手に取って頂けたこと、本当にありがとう。

と、こんな文章を書かせて頂きました。
いつも誰かの背中を見続けてきた僕が、こうやって本を出すことが出来た背景には、そんな駄目駄目な僕に優しく声をかけてくれた友人や、昔の恋人、家族がいて、建築という好きなことを仕事にして、本という形で世の中に伝えることができるようになったのも、この20年近く、ワークパートナーの吉田やスタッフが僕の駄目なところに目をつむりながら、個性を引き出してくれたおかげだと思っています。
そして妻や息子という、最高の応援団のエネルギーを貰いながら、楽しく仕事ができているからこそだと思うのです。

多くの失敗やコンプレックスという誰もが持っている経験。
これを自分の石炭に変える。
そんな本です。

今夜18:00-21:00で東京事務所でもある社食堂で、日頃の皆様への感謝もこめて出版記念のパーティーを開催します。
誰でも参加できますので、ぜひこの機会に僕たちの事務所に遊びに来て下さい。

【CHANGE 出版記念パーティー】
9月6日(金) 18:00-21:00
エントランスフリー
※ワンドリンクオーダーをお願いいたします。

数量限定で「どこでも社食堂カレー」など、社食堂名物をフィンガーフードで提供予定です。
どうぞお楽しみに!

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遊びと仕事を同居させながら楽しく働き、クリエイティブにビジネスをしていく方法をお伝えしていきます。 お金や税金、相続対策、保険、株、資産運用などもふくめ、今を生き抜くための知見を惜しみなく書いています。 もやもや考えて変わりたいけど変われないだとか、これからどうすれば良いのか迷った時、きっと背中を押すことが出来ると思います。

月刊 谷尻誠

¥1,000 / 月

建築家(suppose design office 代表)、起業家。 tecture、絶景不動産、TECTURE、DAICHI、Yado …

公には出来ないけれど、ここだけで書くことが出来る情報も含めて、皆さんに共有出来ればと考えています。 建築業界の凝り固まった環境を見直しながら、新しい働き方や、経営方法、ブランディングについて綴っていきます。