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推しがもうすぐ卒業するので

思い出話をする。

2017年7月16日。私はヒップホップアイドルlyrical schoolのリリースイベントに足を運んだ。前に行ったのは1ヶ月前。その前はさらに1ヶ月前の新体制お披露目。いわゆる旧体制からのオタクだった自分にはピンときてないところがあってそんなに行ってなかった。そんな中「マルイメン屋上で浴衣を着てライブします」との案内。楽しそうだから行ってみるかと軽い気持ちで足を運んだ。

ライブが始まってメンバーが出てきたのだが、一人だけ浴衣を着慣れてないのかおぼつかないよちよち歩きで出てきた子がいた。メンバーカラー赤のhinakoちゃんだ。なんだこのかわいい生き物は。そこでもう目が釘付けになってしまった。そしてシングル曲「夏休みのBABY」で特大のレスをもらってしまった僕はライブが終わった後の特典会でhinakoちゃんと最初の2ショットチェキを撮った。「学校で流行ってるポーズとかあったそれで」って言ったら、「じゃあ変なポーズしよ!」って返されたのが訳わからなすぎて好きってなった。hinako推し爆誕の瞬間である。

ちなみにその時のライブは相当良くて楽しいなって思ったのですぐ翌週も行ったのであった。推しができて、シングル曲の次に出てきた新曲「つれてってよ」が良くて、新しく形成されてきたライブのスタイルも良くて、とにかくリリスク楽しいぞってなってあっという間にたくさんライブ通うようになっていた。まだ遠征はしてなかったけど、関東のイベントはほとんど行ってた(なお翌年にはツアーほぼ全通というところまでジャンプアップする)。そしてライブではほとんどhinakoちゃんばかりみてた。動きも表情も多彩でかわいくて見てて飽きないというのもだけど、ラップ・ヒップホップとか全然わからない状態で入ったのにその音楽・ビートを受けて誰よりも楽しそうに身体を動かしていたから。振り付けのないリリスクで誰よりも多彩な「音に合わせた動き」をしていたのはhinakoちゃんだった。楽しそうで幸せそうでかわいい。僕はそのハッピーな姿を見に行ってたんだな。他のメンバーにいたずらしまくるおてんばぶりも流行りのものをさっと取り入れる今どきの女の子っぽさもキュートなアイドルぶりも、全てが魅力的で目が離せなくて(他のメンバーにネタにされるくらいに)ずっとhinakoちゃんばかり見ていた。かなり初期から。

ステージ上で歌って踊る推しも大好きだったんだけど、それ以外のシーンの推しも全部最高なんだよなって思いながら見てた。MCとか配信での喋り方が友達に話しかけるような感じで全く飾ってない感じなのはとりわけ好きだった。普段そのままっぽい喋り方だけどギャルっぽさみたいなのはないというか、きちんと愛されて育てられていい友達と自由に過ごしてきたんだろうなということが感じられる喋り方。本人も最近TikTokライブで「リリスクではかなり素のままやらせてもらえた」って言ってたけど、その辺がメンバーとのふとした喋りにも出ていたんだなあと感じられる。本人発信のYouTubeではそんなところがよく出ているので繰り返し見ちゃう。

※出すのこの動画かい!

今から振り返ると、そういうところがとてもとても好きだったんだなって気がしている。インスタライブやTikTokライブでいたずら半分のコメントやスパムっぽいコメントが来ることもよくあったけど、反応するにしても大事なラインは外さないみたいなところもあった。あとはライブ中の表情はかわいかったり憂いを帯びてたりするものと同じくらい爆笑してる表情が印象に残っている。ステージでも現れるhinakoちゃん特有の人間味みたいなのがとにかく好きで好きで仕方なかったんだと思う。

もちろんライブ行く度に特典会にも行った。hinakoちゃんはツーショットチェキが好きで、いっしょにポーズを考えたりするのが楽しいんだと言ってた。なのであまりいいポーズ考えられなくてごめんとは思いながらもコミュニケーションを楽しんでくれてることが伝わってきたので推しと話す時間は常に心地よいひとときだった。誕生日もよく祝ってもらった。ファンの誕生日とか父の日母の日とか、人にとってのメモリアルな日を大切にしてお祝いすることを大事にしてるのはとてもいいところだなってずっと思ってた。冒頭に挙げた「変なポーズのチェキ」はその後も7月16日周辺に同じポーズのチェキを撮ってくれた。よく覚えてるよね。そういうところが本当にいい子で好きなんだよなあ。

看護師・保健師資格のための受験勉強、さらにはその後看護師として働き始めて兼業アイドルになってからもずっとハードな日々を過ごしてきたhinakoちゃん。そんな姿を見て僕は応援したいなって思ってたし自分も多少のことでは音をあげないようにしようと思ってた。推しがいると背筋が引き締まるというやつだ。自分にとってもお手本みたいな存在でもあった。自分も仕事柄資格試験とかを受けることが多く、その結果を報告すると毎回自分のことのように喜んでくれるのも嬉しかった。お互いを応援しあってる感覚があったし高めあってるような気がしてた。ディズニーが大好きだったhinakoちゃんに倣って自分もディズニー行ってみたりして、それですごく楽しめたし推しを見る解像度が上がったので、その後3回くらい行ったのであったw自分の人生に大いに影響を与えてくれたなあと改めて思う。


2022年4月12日にhinakoちゃんがリリスクを卒業することが発表された時、寂しさや悲しさがまずあったんだけど、これまでにたくさんのものをくれてありがとうという気持ちがじわじわ浮かんできた。そこで最後の3ヶ月間は感謝の気持ちをたくさん込めて過ごそうと決めてここまできた。そうして振り返ると、hinakoちゃんもまた僕達との時間をひとつひとつ大事にしようってしてくれてたなあということを感じている。バスツアーとかではまず何より「みんなと話したい」って言ってくれて、僕達のことを大切にしてくれているんだなあということを改めて思った。本当にファンのことを大切にしてくれる子なんですよね。

ラストツアーの序盤の特典会では「ひなね、たにみん*とやりたいことあるの。でもやるためにはお金が結構かかっちゃうから……」と言われた。何をしてみたいのか聞くと、「チェキで文章を作りたい」と。あっ、前にYouTubeで話してたやつねと得心した僕はその場で二つ返事でOKしようと思ったら剥がされてしまったので次の会で「やろうよ」って返事した。悔いを残したくないから。そうすると乗り気になったhinakoちゃんは「何回かに分けるんじゃなくて一度にやろうよ!たにみんのループ、面白そうww」とはしゃぎ出して、いざやるとなったら途端にノリノリで進めていった結果、ツアー神戸公演にて一つの作品が完成した。

ここに至るまでの気遣いとはしゃぎのギャップというか両面性は全部僕が好きなhinakoちゃんの姿そのものだったし、一緒にポーズ考えて試行錯誤している時本当に楽しそうで嬉しそうだったのが印象に残っている。ツアーにおける最も印象深く幸せだったシーンのひとつ。

*hinakoちゃんは僕のことをたにみんと呼ぶ。2018年ごろにはすでにそう呼ばれていた。そこからhimeちゃんやyuuちゃんもそう呼ぶようになり、オタクの間でも浸透していった。なんだかんだ語感含め気に入ってる呼び名である。

こうして振り返りを書いていたらいよいよ次で最後なんだなって実感が湧いてきてしまった。今回のツアーは曲も好きだしhinakoちゃんもいつも笑顔でかわいかったし、「その日だけの瞬間」がどのライブにもあったので常に最高の時間を過ごすことができた。その幸せな時間があと1回しかないことは今でも信じられないけど、だからこそ最高の中の最高の時間を過ごせたらと思っている。hinakoちゃんを推し始めた時、「この子のことは最後までちゃんと推したい」って思って、いつの間にか大体のイベント行くようになり、遠征も当たり前のようにするようになった。最後まで推させてもらえることに感謝しながら日比谷野音のライブは楽しみたい。まずはそれが何より。

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