なんとなく2015年のJリーグをざっくり予想する

あと1ヶ月でシーズン始まるので去年の成績と人員の入れ替えを元に順位を予測してみます。とは言っても細かいのは無理なので4つくらいに分けます。そして2シーズン制で全部予想とか無理なんで、年間勝ち点で去年準拠な感じで行きます。

ACL圏(1〜3位):G大阪・浦和・柏

G大阪:今年も強い。宇佐美・パトリックを軸にしたJ1屈指の攻撃力は今年も健在。ただし弱点(宇佐美は密着マークに弱い、パトリックは足下弱い)もわかっており、昨年の11月の浦和戦では彼等二人の攻撃は封殺された(その後浦和が自滅したけど)。しかしそんなことは長谷川監督は承知しており、オプションとしてペナルティエリア内で決定的な仕事が出来る赤嶺を入れたのはいい感じ。サイドハーフはじめ少々層が薄い気がするけど。しかし最大の謎は藤ヶ谷さんの復帰。東口が代表でいないこともあるからなのかもしれないけど、何故…?

浦和:ボランチやセンターバックにまともな補強が出来ていないのが泣き所。那須・槙野・森脇のCB3名が全員頻繁にオーバーラップするため、リスクマネジメントに少々不安があるしボランチの負担も大きい(とはいえそれは持ち味の一つなのでやめるわけにもいかないけど)。さらに守備の要の阿部・鈴木・那須の3名は今年34歳となりそろそろフルシーズンでの稼働が厳しくなってくる。しかしオファーしたところことごとく断られたから、そこはもう現有戦力でなんとかするしかない。岡本や小島などがどこまで割って入れるかだけど正直厳しい。そのかわり前線にはズラタン・石原などの実力者が揃って去年原口の移籍と興梠の負傷で沈滞した攻撃陣はマシになりそう。しかし人が余っているため柏木をボランチに回すことを目論んでいるようだ。彼にこのシステムでのボランチをやらせるのはタスクが増えすぎて相当無理があると思うんだけど。それにしても、「11人のチームを仕上げるのには長けてるが控えも含めた18人のチームを作ることが全く出来ない」ペトロビッチ監督にこの有り余る(普通に余る)選手層を使いこなすことが出来るのか?とはいえ代表寸前くらいのクオリティ高い選手が集まってるしそれなりにできあがってるチームではあるので、研究されて苦戦しながらもとりあえず普通に優勝争いは出来ると思う。優勝できるかは知らん。個人的には左WBを務めることになるであろうレフティの橋本に期待。

柏:監督交代、戦力刷新。ユースでやっているサッカーとトップでやっているサッカーを融合させるという所謂「一貫校」的な取り組みのモデルケースになるのでは。正直ちょっと色つけてるけど、前線は大津・レアンドロ・工藤・クリスティアーノと実力者が揃っているので、中盤の選手が調子を上げれば大分行けそうな気がする。4-3-3らしいけどクリスティアーノと茨田がインサイドとかになるのかな?戦術が全く変わるので序盤は苦戦しそう。ACLもプレーオフからで全チーム中最も過密なためにチーム作りの時間がないのが辛いけど、完成した時の爆発力は凄いはず。去年同様後半強そう。

賞金圏(4〜8位):鹿島・名古屋・FC東京・神戸・湘南

鹿島:ACLがなければ優勝候補。ジネイがメディカルチェックに引っかかったのは痛いけど高崎がフィットすればあまり問題にはならないだろう。ただし選手層が薄い。特にボランチと左サイドバック。だけど山村は多分使われないと思うので千葉に行った方が良かったのではないか。

名古屋:なんだかんだで去年大幅に巻き返した西野グランパス。ケネディが抜けた穴にきっちりノヴァコヴィッチを獲得。しかしノヴァコさんは内輪もめのひどいチームばかり行ってかわいそうなのでそろそろ心の安らぐ場所を見つけて欲しい。レアンドロ・ドミンゲスと喧嘩しないでね。あと今年も矢野貴章をサイドバックとして使うようで、比較的対人は強いがスピード系の選手に弱いように見受けられたのでどう手当てすんのかな、と。西野さんがそこまで考えてるとはあまり思えないけど。

FC東京:個人技はあるけどフィットしてるのかしてなかったのかよくわからなかったエドゥーを放出して前田さんを獲得。彼は自らのゴール力もさることながら、スペース作ったりして周りを生かせるので良い補強だとは思う。あとは丸山の復帰も地味に大きく、森重にカニーニや奈良に吉本などCB層はJ1随一。多すぎる気もするけど。イタリア流の守備が去年よりきちんと機能すればという感じなんだけど、今年も配球役がいないのが泣き所になりそう。

神戸:もはや流浪の移籍人になりつつある安田、FC東京で干されてた渡辺千真を獲得して戦力底上げ。そして大宮崩壊の影の張本人と噂される高橋祥平を取ったのだけど、絶対ネルシーニョと喧嘩して干されると思う。ハイプレス万歳サッカーの昨年は夏で息切れしたがネルシーニョだから多分それなりの成績は収めると思う。

湘南:若干期待も込めて。J2を圧倒的な走力と成績で勝ち上がったけどその核だった丸山と武富を元のチームへ返却。まあしょうがないよね。その代わりに浦和で干されてた坪井と山田を獲得したので、一部レッズサポも期限付き移籍の意志を見せている模様。しかしウェリントンが金額交渉折り合わずに代わりに取ったポルトガル人FWギマがメディカルチェックでアウト。保険として取っといた藤田に命運がかかる。でもウェリントンの退団リリースは未だに出ていないので、もしかしたら一発逆転あるかも。それよりも今年の湘南の一番の心配事は胸スポンサーのエナリスがちゃんとお金を払ってくれるかどうかだと思うよ。スタートダッシュできればそのままいける。ただ夏は辛いだろうなー。

残留圏(9位〜15位):川崎・鳥栖・広島・新潟・横浜FM・松本・甲府

川崎:去年浦和と並ぶ大失速をした風間革命ゲリラ軍。浦和が守備に力を入れ始めたために攻撃偏重サッカーをJ1で孤独に追究していたけど最後にコケたのは一緒だった。浦和・広島もそうなんだけど正直研究され尽くされてる感が否めないので今年はつらいと思う。その割に弱点を補おうとしない男らしい補強。もはや宗教。

鳥栖:去年はよく頑張った。しかしながら今年も同じくらいの成績を出せるかというと正直厳しいと思う。韓国流のフィジカル力押し縦に速いサッカーに慣れた選手が新監督とフィットするか。現有戦力の大部分の慰留に成功しているので、そこまで崩れることはないと思うけど。

広島:高萩と石原が揃って抜けたのが痛い。野津田・皆川・浅野・工藤・ドウグラスでは正直穴を埋めるには至らず、今年は苦難のシーズンになりそう。あと色々便利な森崎兄弟も今年34なのでつらくなりそう。しかし佐々木とかまた渋いところ取ってくるよね。CBのバックアップにしては贅沢感ある。

新潟:また凄いブラジル人取ってきた!!!田中亜土夢が抜けたりしたけど、なんとかなるだろう。あまりフィットしてなかった岡本に代わり磐田から山崎を呼び、なんだかんだで柳下監督の息のかかった選手が増えてきつつある。アジュビレックス新潟!!今年もポゼッションしようとしてうまくいかず断念して結果中位、みたいな感じになりそう。

横浜FM:そんな装備で大丈夫か!?まさかの補強ゼロ。レンタル復帰組と大学・ユースから各1。監督だけじゃなくて色々体制が変わって様子見な感じがある。中村俊輔と中澤に頼り切ったチームをどう再編するかというそろそろ出てきそうな課題に対応するにはおそらく外国人監督が良いのだろうというところからのシティコネクションを使った人事なんだろうけどどうなることやら。補強は夏にする、ということなんですかね。しかし開幕前にけが人で過ぎててやばい。この前齋藤学が1トップやってたけどそこまで人がいないのか……

松本:昇格できたは良いけどかなりの草刈り場に。船山・山本・犬飼(DFだけど)といったスコアラーを抜かれてどうするの的な状態。新外国人オビナに割と全てかかっている。あと鳥栖から坂井達弥が入っているのは見逃せない。彼は代表にふたたび選ばれるのだろうか!?(うーん…)ただ反町監督はスカウティング上手い印象があるのでどこも嫌だろうなあ。

甲府:監督が樋口さんになったけど戦力の流出が激しく正直かなりしんどい。青山と佐々木のいないDF陣とかどうするんだろう。とりあえず野田が入ったし3バック継続なのだろうか。しかしいまいちパンチの足りなかった前線にアドリアーノを置いたのは良いかも。攻撃は彼に任せつつ後は盛田含めた全員で守り抜くのだ!

降格圏(15〜18位):清水・仙台・山形

清水:去年ゴドビ監督をクビにしてサポーターの方々の気が収まったかと思いきやチームは全く収まらずに更に成績が急降下。大宮とセレッソがそれ以上の爆死をしたため一命は取り留めたが全く状況は好転していない。あからさまにヤバかった守備陣は松本から犬飼を取ったくらい。そしてトップスコアラーのノヴァコヴィッチが名古屋に引き抜かれてしまい、大前と長沢の二人にかかることに。でも誰がどうというより戦術の問題というか、守備組織が全く出来ていないのに大榎監督が気付いていなさそうな気が。静岡の闇は深い。

仙台:赤嶺・角田・太田・渡辺などのコアメンバーを抜かれてしまったがそれの手当があまり出来ていない。おそらく金園・金久保・渡部辺りが代わりにやるのだろうけど若干心許ない。あとキーパーどうするんですかね。去年山岸が必要だったのは山形ではなくここだったような気もする。手倉森時代の堅守速攻はもはや影も形も無くなりかけている。

山形:現人神となった山岸範宏の獅子奮迅の活躍でJ2の6位から逆転昇格を果たしたけどプレーオフ組の常というか、戦力が圧倒的に不足している。特に心許ないのがDF陣で、お隣仙台から渡辺を引き抜いたけどそれでもまだ足りない。基本カウンター系のサッカーだと思うのだけどそれでいいのか。山岸が10点くらい取らないと厳しいシーズンになりそう。

おまけ:J2→J1昇格予想:千葉・大宮・C大阪

千葉:補強は的確。弱みだったボランチに川崎の戦術に全く合ってなかったパウリーニョ、引き抜かれまくってたサイドバックに関東大学No.1サイドバックの北爪、そして森本の相棒には東欧のスターペチュニク。彼のフィット具合にもよるけど関塚サッカーの継続で多分自動昇格行けると思う。山村が取れなくて守備陣の層が若干薄めな感じなのが泣きどころか。てかいいかげん戻ってきてくれ…

大宮:高橋祥平・ズラタン・橋本晃司・長谷川悠などたくさん抜けたように見えて、金澤・菊地・渡辺大剛といったセンターラインの重要選手はだいたい残っている。これにムルジャ・家長・泉澤がいて、GKに加藤と塩田、DFに河本等それなりに良いメンツを持ってきている。若干選手層が薄くなってる感じがするけど、J2では群を抜いていい感じだと思う。あとは家長の使い方か…右MFなのに左を駆け上がってクロス上げたりするからね。3-5-2の真ん中に置いてボランチに手当させるのが一番か。あと戦い方に若干の整理が必要かも。全部家長が良くない気もするけど。

C大坂:なんだかんだで生え抜きの南野と杉本が出た以外ほぼ残った。新ブラジル人フェリペでカカウとフォルランへの配球路を確保、浦和のチームマネジメント失敗の代名詞となってしまった関口を取りサイドアタック強化、茂庭をタイから呼び戻して崩壊した守備の立て直しという力の入れっぷり。監督も元鹿島のアウトゥオリで盤石感ある。しかし問題なのはフォルラン。ではなく、フォルランに雑な扱いをして追い出し部屋みたいな事をするフロント。チームの雰囲気がそれで悪くなることになぜ気付かないのか。降格するチームは選手や監督の問題以上にフロントの問題が大きいということを感じた去年。学ばないと繰り返しちゃうよ。

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