THE King ALL STARS「未来の水平線」

この話は何度もしてるんだけど、昨年自分が見た中で一番良かった日本人によるライブアクトは間違いなくARABAKI ROCK FEST.における加山雄三のそれだった。はっきり言えば土産話にでもしようと思って見たはず、なのに。冷静に考えてみれば中堅・実力派のロックバンドから選りすぐりのメンバーを揃えて、若大将として一世を風靡したこの人と組ませて良くないわけはないんだけど、シンプルに温故知新という言葉を超える何かがそこに存在していた。

そしてこのTHE King ALL STARSはそのARABAKIの時のメンバーが元になっているバンド。表題曲は佐藤タイジの作詞作曲で、グループサウンズの音を現代にアップデートしているかのようなサウンド。THE BAWDIESやOKAMOTO'S等が好きな人にも勧められるサウンドな一方で、渋みのある若大将の声は今元気な「中年ロッカーズ」好きにも訴えかけるものがあるのでは。

カップリングには弾厚作こと若大将自身の曲のセルフカバー。徹底的にインストゥルメンタル・ロックの格好良さを追求した「CRAZY DRIVING」とスチャダラパーのサンプリングによるヒップホップナンバーとして生まれ変わった「ブラック・サンド・ビーチ〜エレキだんじり〜」の好対照な2曲を収録。

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