2017年のJ1リーグをざっくり予想してみる

今年は去年以上に開幕が早い。というかゼロックスカップはもう終わってしまった。結果のことは言うのはやめよう(浦和サポ)。そこで、ここ数年の自分の恒例行事として昨年の成績に陣容の変化を織り込んで今年のJ1リーグどうなるの?という予測をしてみたい。今年から1ステージ制なので予想もスッキリだけどそもそも毎年年間勝ち点で予想しているのであった。まあ順位は明記していないけど、概ね書いてある通りと思ってもらえれば。各チームのチーム名クリックすると移籍情報が見られます。

ACL圏内:鹿島・浦和・神戸

鹿島
去年CSを制してJ1リーグチャンピオンとなった鹿島がまずは本命に挙がるだろう。補強の積極性もリーグ随一で、新潟からレオシルバを引き抜き、神戸からペドロ・ジュニオールを引き抜いた。さらには手薄だったサイドバックに湘南の三竿兄を獲得、最大の懸案事項だったGKに昨年度ACL王者全北現代からクォン・スンテを獲得。この上ない陣容なんだけど、金崎とPJ共存できるのか??とかサイドアタッカーが力不足なのでは??とか金森取ったけどどこで使うの??とかCBの層が薄くなったけど全体的に前の方余剰気味では??とかまあ若干の不安要素はある。でもまあリーグの中心ではあるだろう。

浦和
ペトロヴィッチ体制6年目。目標は優勝のみだろう。その割には補強は鹿島ほど気合入っているわけではない。即戦力になりそうなのは新潟から獲得したラファエル・シルバと湘南から獲得したサイドアタッカーの菊池。矢島や長澤などの帰還組(長澤はそんな感じしないけど)は競争が激しいので成長期待、といったところか。今回獲得の選手はGKの榎本を除けばみんな25歳前後なのが特徴。J1でもトップクラスの高齢チームになっている現状からすると正しい選択ではある。若返りと結果の二兎を追い切れるは別だけど。ただ戦力自体はあるので上位には間違いなく入る。それこそ優勝は新戦力次第。ターンオーバーするよ宣言しているのだけど、ACLとリーグ戦の二兎を追うことで戦力分散して中途半端にならなきゃいいけどね……

神戸
昨シーズンの後半戦に怒涛の追い上げを見せたネルシーニョ神戸。PJが離脱したけどその後釜に柏での愛弟子田中順也を獲得。さらにはポドルスキまで…という話もあったがそれは一旦お預け。しかしながら層の薄かったボランチ・CBに高橋秀人・渡部博文といった実力者を獲得。チームのベースはできているのでこのまま上に行けるだろう。ACLもないし、前半戦の台風の目になることは間違いなし。まあACL内分選手層も若干薄めなので怪我人が心配。去年も大量に出ていたわけだし。

上半分:大宮・広島・川崎・G大阪・鳥栖・柏

大宮
去年最も躍進を遂げたであろうチームである大宮。チームの攻撃の軸だった家長と泉澤が移籍するも、その後釜として大前を清水から、瀬川を群馬から、長谷川アーリアジャスールを湘南から獲得。とはいえタイプがかなり違うので攻撃のやり方については再構築する必要が生じている。割と潤沢になったのでどういう攻撃ユニットを組むかが鍵。あとビルドアップが課題となっているボランチについては柏から茨田を獲得。去年の岩上同様欲しいタイプの選手は明確ではあるんだけど、守備は守備できちんと求めていく渋谷フィルターに引っかからないか、という懸念はある。とはいえよくできているチームではあるので、去年以上の成績もあるかもしれない。

広島
未だにウタカの去就がわからない状況だけど、アメリカ…というかカナダから工藤を獲得。佐藤寿人の後釜としてはこの上ない人選ではなかろうか。泣き所は佐々木の長期離脱確定によりCB事情が心許ないこと。全チームで最も出入りが少なく語るところも少ないんだけど、昨年同様のチーム事情ならまあ同じくらいの順位になるだろうって感じ。あとは若手の奮起に期待かな。

川崎
良くも悪くも存在感のあるサッカーをしていた風間八宏監督が勇退して鬼木コーチが昇格。主要な戦力の流出は大久保のみに抑え、大宮から家長、G大阪から阿部、新潟から舞行龍ジェームズ、さらにはブラジルからハイネルなどを獲得。ある種森保広島初年度並みのお膳立てがされているんだけどいかんせん鬼木さんの采配は未知数。超攻撃偏重サッカーはどう変貌していくのか。最適バランスを見つけたらブレイクするかも。

G大阪
阿部・大森という汗かき役二人がその報われなさに耐えかねて脱走。そのかわりとして井出や泉澤をとったけど若干タイプ違う気も。まあ今年はもう宇佐美いないし再構築の年だよね…ということで4-3-3とかやり始めた模様。あとファビオ・三浦弦太とCBを補強。再構築に伴う産みの苦しみはあるけどそこまで大崩れはしないでしょ、って感じ。

鳥栖
フィッカデンティ体制2年目。小林祐三・小川佳純などの実力あるけどクラブの政策により出された若干高給気味のベテラン即戦力を獲得しており、そこに小野・原川といった若手も絡み、確実に昨年より選手の層は上がっている。そして林彰洋が抜けて懸案事項となっていたGKになんと海外移籍模索しているはずだった権田を獲得。FC東京とは色々複雑な関係になってしまったがそのぶんダービーは盛り上がるだろう。


田中・茨田・太田・山中と20代の中核になりうる選手がごっそり抜けたが、その代わりに撮ったのは仙台のハモン・ロペス。禁断のブラジル人3トップをやろうとしているのだろうか。伊東純也みたいなスピード型を一人置いてアクセントつけたほうがいいのでは…とか思ったり。あとは早くも中核になっている今年20歳のCB中山雄太がU-20W杯で1/3〜1/2くらいの試合に出られない見込みとなっているのだけど大丈夫か。

残留圏:横浜FM・C大阪・FC東京・仙台・清水・新潟

横浜FM
このオフいちばんの衝撃だった中村俊輔の移籍。それ以外にも小林祐三・榎本哲也などのベテランがチームを去ることとなり、ぐっと若返った。いつまでも同じ選手に頼ってはいられないからいつかはこういう時が来るもんだけど随分ハードランディングしたもんだ、という感想。チームの世代交代の時期であり結果はそうそうでないだろうなあという感じもあるのだけど、そもそもこの役目を去年随分と株を下げたモンバルエツ監督に任せていいのだろうか、という気はしなくもない。

C大阪
このオフに2番目に衝撃だった清武弘嗣の日本復帰。水沼宏太の出番はあるのか。前目の陣容が妙に厚い気もするが…DFもKリーグベストイレブンのマティ・ヨニッチを獲得し準備万端、と言いたいところなのだが、どうもユン・ジョンファン新監督の徹底してハードなトレーニングをするやり方に選手があまり順応できていないらしく、監督からしばしば厳しいコメントが飛んでいる。メソッドが仕込まれるのと選手が音をあげるのとどっちが先になるのだろうか。

FC東京
今期も大幅な補強で話題を呼んだ。GKに林彰洋を、FWに大久保嘉人と永井謙佑を、MFに待望のパサー高萩洋次郎を、SBにオランダから太田宏介を。それはいいのだが、去年の主力フィールドプレイヤーで抜けたのがムリキくらいで高秀先生も割と干されてたので特に前線が人員過剰に。前田と河野と東と中島に大久保と永井を組み合わせてどういう絵を描くつもりなのだろうか。高萩が入ったのは朗報だけど、それよりも前がごちゃごちゃしすぎてて正直混乱する図しか見えない。

仙台
FW陣がみんな出て行ってしまったが、浦和から石原、FC東京から平山が入ってきたしクリスランという期待のブラジル人が入ってきたのでトータルでは上積みかもしれない。シュミット・ダニエルが期限付き移籍で戻ってきたのでJ1の舞台でどんだけできるかにも期待がかかる。男前渡邉監督の采配は可も不可もなくという感じなので多分降格はしないと思う。他に結構やばいとこあるしな…w

清水
爆発的な攻撃力でJ2を勝ち抜いて1年でJ1に復帰した清水。しかしDF大丈夫なのか…と思っていたところにブラジル人DFカヌとフレイレを獲得。さらには仙台で暇を出されてしまった代表候補GK六反を獲得。この守備力ならなんとかいけるかな。J2からJ1に上げるのは得意だけどJ1で残るのはそこまで上手くない小林監督の腕の見せ所でもあるシーズン。ちなみに大前だけでなく結構たくさん抜けているが、特に攻撃陣の補強などはない模様。

新潟
レオ・ラファエルの主軸2名に加えて舞行龍・松原・小林裕紀など随分抜けてしまい草も生えない状態なのではと思われたが、持ち前のガッツとブラジル人コネクションを駆使してまたイキの良さそうなブラジル人選手を3名獲得。彼ら次第なところもあるがなんとかなるのでは。ただ監督が去年J3の長野でパッとしなかった三浦文丈氏なのはなぜ。いやまあ他にあまりアテもなかったのだろうけど。J2徳島とのプレシーズンマッチで0-6の敗戦を喫するなど先行きに不安が残るところ。

降格圏:磐田・甲府・札幌

磐田
中村俊輔の獲得により一気のこのオフシーズンの主役に躍り出たジュビロ磐田。確かに小林祐希が移籍して以降攻撃が沈滞してしまっていたのは事実であり、そこにハメるべきピースとしては(稼働率を考えなければ)とても良い選択と言える。しかし、問題はそこではなく守備。昨年50失点の守備をどう改善するのか、高橋祥平の獲得だけでは心許ない。カミンスキーの稼働率が高まったとしても、選手層が薄いというかそもそも軸になる選手がいない状況を脱しないといけない。それから肝心の攻撃も軸もジェイから川又ではグレードダウン感が否めない。色々と心配になる陣容だが、男名波のカリスマ采配でどうにかしてしまうのだろうか。

甲府
若手をいくら育てても取られてしまうのであれば、ベテランを取ればいいということで小椋・ウィルソン・兵働などのベテランを獲得。それはいいのだが、なぜ監督が吉田達磨氏なのか。去年新潟で、一昨年柏で微妙なサッカーをして結果も未来も見せることのできなかった監督をなぜ獲ったのか。しかも甲府といえば穴熊戦術。吉田監督は、今日本でトップクラスに穴熊に向いていなさそうな監督である。あの樋口さんですらあっさり撃沈したのに吉田達磨氏に期待するのは無理があるのではないか。TMも芳しくない状態にある模様。なんとなく秋になる前に佐久間さんが再登板しそう。しかし吉田さんはあの結果で就職力はあるわけだから、プレゼン力みたいなものはあるんだろうなあ。あと育成やってた時に作った人脈か。

札幌
J1を薄氷で優勝した札幌だが、正直モビルスーツの差が戦力の差、というような状態であり結構見通しは辛い。横浜から兵藤、大宮から横山、鳥栖から早坂(あと菊地もレンタル延長)、仙台から金園、福森の完全移籍獲得など明るい材料はあるんだけど、もうちょい上積みが欲しい。小野や稲本は1年間の稼働も厳しいし、そう考えると選手層がなあ…となる。ただ他が崩れれば意外となんとかなるかも。最低でも甲府はまくりたい。

今年も開幕だね!楽しみだね!!

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