「新聞記者」(藤井道人)

ちょっと公開順が前後してのレビューになります。最近本の感想ばっかり書いていたし、参院選が近いこともあってFacebookには政治関係のことを続けて書いていたので、一息ついていくつか映画のレビューを書いていこうと思います。

「新聞記者」(藤井道人)

自分より先に初日に観た人から、不思議なことを言われました。「オレはこの監督の前作を観てますよ。傑作でした。」と言ったら、「応援になるから新聞記者もぜひ観てほしい」と。

応援?何だよ応援って。誰の応援だよ、何に対する応援だよ?

知り合いが関わっている映画ならまだしも、何で応援目的で映画を観るんだよ。

で、観終わった後もわからない。オレが観たことで誰かの応援になったの?何に対する応援になったの?さっぱりわからない。「何の応援だったんですか?」と、その人に聞いてみようかと思う。

公開前にネット記事で「この映画の宣伝がテレビでできない」みたいなのを見かけた。何でこれでテレビで宣伝できないんだ?どんだけ文化が窮屈な国なんだよ。つまんねえ社会になったなあ。

別に実在の権力者が出てくるわけじゃない。実在の権力者を匂わす人物すら出てこない。「それ」を思わせる事件は出てくるけど、実在の事件が出てくるわけでもない。不思議なことに、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞という新聞社名は出てくるんだけど、主人公が勤務する新聞社は架空の新聞社。なぜこの映画でそれほど騒ぐ?例えばアメリカや韓国の映画を観てごらんよ。

とまあ、何か文句をつけたような文章になってしまいましたが、良い映画だった。東京新聞望月記者の同名の書籍はだいぶ前に読んでますが、オリジナル映画と言って良い。

観る前の不安要素だったのが「主人公を演じるのが韓国人女優」だったんですが、「日本語のセリフまわし大丈夫かな」と思ってたら、ああ、「アメリカ育ち」って設定にしたわけね。
韓国の映画で韓国人役者が日本語ベラベラしゃべる映画もあるので、変な話じゃない。

でも実質主役は松坂桃李だと思いました。赤ちゃんを「ごめんね」と言いながら抱きしめた瞬間に彼の覚悟は決まってたんだ。

日本でこういう題材を取り上げると、ヒューマンドラマ寄りになるのが日本映画なんだなあ。

前作「デイアンドナイト」も骨太な映画だったから、この監督に対する興味がわいてました。

「ペンタゴン・ペーパーズ」の時に同じようなこと言った気がしますが、新聞大好きなんで新聞が作られる過程はワクワクします。








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