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竹林寺納骨堂へ

訪れた建築のメモとしてのnoteです。

 先日、高知へ行った際に、堀部安嗣氏の設計した竹林寺にある納骨堂を訪れました。この場所へは、ずっと行ってみたいと思っていました、というのも、私が働くシルバーウッドの高齢者住宅「銀木犀」の全てを設計する一級建築士が、好きな建築家であり、影響されやすい自分はすぐ「建築を気持ちで考える」という堀部安嗣氏の著書を買いました。その時に、堀部安嗣氏の手がけた建築の1つとして紹介されていたのが、この竹林寺納骨堂でした。

 この本の冒頭、堀部氏が影響を受けた建築として、スウェーデンの「森の墓地」が紹介されていおり、その建築に対し、「何も否定しない。なにものも拒まない。とても寛容な雰囲気が一瞬で感じられました。」と、人の死を感じる場所が、人のどんな感情も肯定される設計になっていることが、書かれています。

 今回訪れた、納骨堂も書籍内で『「死と生」が共存する空間』として紹介されていて、さらに、竹林寺の住職である海老塚氏の話から「寺は人の生と死、その両方を受け入れる場所であるべきだ」という話が出ていることから、影響を受けた建築を自身の想いを体現しているのではと勝手に注目していました。

 訪れるとまず、竹林寺自体の存在感に、圧倒されました。この石畳の階段も書籍の中で、堀部氏は、「このようなものには、まず敵わない、このような魅力は、絶対に自分では作れないと初めから前向きに諦めてしまうことがある」書いていました。

            苔もすごい綺麗だった。

建物は直線的でありながらも、寺によく溶け込んでいた。

石畳はまっすぐではなく、もともとあった切り株などを尊重し、人を遠回りさせる導線になっていた。

近づくと建物の奥まで、抜けて見えて、中は暗くなっている。そして、奥から少し水の音が聞こえてくる。

入り口に置いてあるベンチは、少し後ろ目に窪みがあり、わざと深く腰掛けさせるようになっている。深く腰掛け深く思考するための配慮なのだろうか。

水の音が聞こえる方へと納骨部屋を抜けていくと小さい空間が出てくる。

水の音を聞きながら、納骨堂を背に空と緑を眺めることができる。


想像していた通り、生と死どちらも大切にし「何も否定しない。なにものも拒まない。とても寛容な雰囲気。」を感じることができました。




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