選ばなかったほうの人生

ふと思い出して、忘れてしまいそうだから書いておこうと思ったんだけど、子どもがもっと小さい頃、予防接種や病気の時にタクシーで病院に行ったことが何度かある。
あるときに運転手さんに「何ヶ月?」って聞かれてこたえたら、「うちの孫ね、3、4日前に産まれて。」と教えてくれた。
娘の子どもでね、まだ会ってないんやけどね〜。うちの嫁が向こうのお母さんと仲良くて、気いついたら産後は向こうの実家でしばらくおることが決まってて。2人で飲みに行って決めよってん。なーんも知らんかった。しょっちゅう2人で飲みに行ってんねん。向こうの家やと行きにくいやろ?仕事もあるし。
なんかお祝いにおもちゃでもあこうたろと思ってたんやけど、おもちゃなんかまだはやいわ!って言われてな。お金がええって。
友達に子どもおらん夫婦もようおるねん。子どもおらん人はなんか、こっちから見てたら気軽でうらやましいわ。夫婦っていうより同居人みたいで。飲みに行ったり旅行に行ったり、好きなことできるやん?いつまでも夫婦がそんな感じ。それはそれでさみしいんかなあ。ようわからんけど。向こうにしかわからんよなあ。子どもおったら大変やしな。それだけで時間過ぎてしまうやんか。

そうか、男の人もそんなこと思ったりするんかと思ってちょっと意外やった。
なんていうか、人生の自分が選ばなかった選択肢って、否定してしまう人もいて。でも、ほんとはどんな選択肢を選んでも、その選択肢を選ぶしかなかったとしても、選ばなかった方に思いをはせるのも大事よなぁ、とそんなことを思いながらタクシーを降りた。

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