タイパーアドカレ2018振り返り

こんにちは! タイパーアドカレ主催のたのん(@tanon_710)です。

みなさまのご協力のもと、無事に25記事を完走したタイパーアドカレですが、現在最優秀記事の投票を専用のGoogleフォームにて実施しています(投票の期限は今年いっぱいになります)。

ぜひこちらにもご協力いただきたいのですが、とはいえアドカレの最初の記事はもう1ヶ月前、なかなか全記事を読み返すのは大変だと思います。

…というわけで、みなさまの投票を円滑にするべくタイパーアドカレ全記事の振り返り記事を作成しました!
各記事には内容の要約のほか、ひとことコメントも付けていますので、記事の内容を覚えているという方にとっても新たな発見があるのではないかと思います。
※☆マークは各週の個人的ベスト記事であることを示しています。

それでは、早速はじめていきましょう!

-1週目-
1日目「多言語タイピングのススメ」(たのん)

多言語という打ち慣れないワードに取り組むことで、タイピング力を全体的に底上げすることができるという内容の記事です。
上達理論というものは成果への後付けという形でしか語れないわけですが、多言語タイピングでの上達には複数の実例があるため、個人的には最低限の効果は保障されているのかなと思います。

2日目「タイピング中級者の陥りやすい交互打鍵という『罠』」(paraphrohnさん)

タイピングの技量や目的によって交互打鍵とアルペジオ打鍵の優先度が変わってくるという内容の記事です。
一定以上の速度を目指すのであれば基本的にはアルペジオ打鍵を中心としたスタイルに移行していくものだと思いますが、25日目の記事の筆者であるNASAsanさんなど交互打鍵の速さを武器にしているタイパーの方もいて、現時点では考え方の分かれる部分になっています。

3日目「XAから3ヶ月でZJを出すための練習方法を考えてみた」(cocoaさん)

記録更新を狙う際に、ランクという漠然とした目標を立てるのではなく、目標達成のための計測可能な小目標を立てて攻略していこう、という内容の記事です。
ZJを目指すにあたってZJラップを量産できるようにする、という理屈は実体験に照らし合わせてみても納得できますし、一見ネタ記事に見えますがきちんと参考になる記事に仕上がっていると思います。

☆4日目「初速を上げる13の方法」(W/Hさん)

初速という漠然とした要素を、認知科学的な知見などから13の要素に切り分け、それぞれの対策を述べた記事です。
記事の内容はe-typingだけでなく、TODやWT、バトタイといった他のタイピングゲームにも応用がきくためとても実践的な内容になっていると思います。

5日目「qwertyと上手く付き合う」(paraphrohnさん)

2日目の記事の続きとなる記事で、QWERTY配列の問題点を分析し、その問題点への対処法として最適化の導入と同指連続打鍵への習熟の2点を提案している記事です。
アルペジオ打鍵をわずかに動作をずらした同時打鍵として捉える考え方は19日目のW/Hさんの記事にも通じるところがあり、理論上最速を目指すにあたっては非常に重要になる考え方だと思います。

6日目「私の運指」(のんさん)

最適化時の運指を自分にとって動かしやすい指を基準に決め、状況に応じて運指を使い分ける、というのんさんの実体験が述べられた記事です。
複数の運指を用意しておき状況に応じて使い分ける、という方針の最適化は上位の最適化タイパーの中では当然のものとして用いられており、9日目のparaphrohnさんの記事とも関連している考え方だと思います。

7日目「音とまばたきが認識力に与える影響」(Conconさん)

4日目のW/Hさんの記事とも関連する内容で、BGMとまばたきが脳内での打鍵列処理にどのような影響を及ぼすかについて述べた記事です。
RTCやサミットでは対戦時に実況が行われますが、その実況のせいで普段のパフォーマンスが出せないということもあるのかもしれないと思いました。

-2週目-
8日目「私のタイピング環境(キーボード周り・デスク・モニタ等)を紹介」(オリプスさん)

オリプスさんが自身のPC周りの環境について語った記事で、サミットでも発表のあったタイピングソフトの画面サイズと認識力の関係性についても触れられています。
ちなみに自分はタイピング音の静音化を目的としてキーボードの下に発泡スチロールの板を設置しています。

9日目「最適化をもっと頑張る」(paraphrohnさん)

5日目の記事の続きで、QWERTY配列における最適化をチャンクという概念を元に考察するという内容の記事です。
入力する文字列をどのように区切るかというのはタイピングにおける1つのポイントですが、区切り方がそれまでのタイピング経験や運指の違いによって変わってくるという視点は面白いと思いました。

☆10日目「【初心者向け】寿司打高級一発攻略」(よーじょさん)

非常に高い正確性が求められる寿司打の高級一発モードの攻略として、認識・入力のミスを予防するための対策が述べられた記事です。
ひらがな1文字単位で入力していくという戦略は9日目のparaphrohnさんの記事にも関連しており、文字の認識と実際の打鍵動作が一致するため正確性が高まると思います。

11日目「Dvorak配列で最適化」(司さん)

9日目のparaphrohnさんの記事とは異なり、Dvorak配列における個別具体的な運指を検討した記事です。
タイパーアドカレ内の最適化記事と比較すると最適化初心者向けの内容になっており、記事で書かれた考え方はQWERTY配列における最適化にも適用することができると思います。

12日目「RTC2019に向けた練習計画」(やださん)

RTCで出題されるワードを固定短文とみなし、それぞれのワードに可能な限り習熟するという戦略について述べた記事です。
RTCワードへの習熟そのものは、RTCの上位者であればきちんと取り組んでいると思いますが、本番のRTCワードへの習熟速度を高めるために1年間かけてe-typingで固定短文の練習を行うというのは非常に面白い考え方だと思いました。

13日目「TWK常用を約2年でSSからZEに伸ばした話」(はやとぅっ!さん)

練習を重ねていればいつか記録を更新できるという信念を貫き、実際に結果を残したはやとぅっ!さんのサクセスストーリーです。
尋常ではない練習時間と打鍵量に目が奪われてしまいますが、ZGを出してから長い休止期間を挟んだ後にあっさりとZEまで到達しているところに恐ろしさを感じました。

14日目「タイピングソフト制作におけるローマ字打ち分け対応」(eighさん)

ローマ字タイピングにおいて、入力の正誤判定をどのように行うかについて述べた記事です。
古参タイピングソフトのWeather Typingでも1年ほど前まで促音(「っ」)の正誤判定にちょっとしたバグが残っていたことからも分かるように、打ち分けの正誤判定を正しく行うのは難しいということがよく分かる内容になっています。

-3週目-
15日目「タイピング力が向上する音ゲーについて考えてみた!」(たのん)

音ゲーなどで指先や腕を動かすことで、タイピングの際にも用いる筋肉が鍛えられるという内容の記事です。
音ゲーに頼らない筋肉のトレーニングとしては、@nin.iwskさんの筋トレ記事が参考になると思います。

☆16日目「更新したければ走れ!」(dqmaniacさん)

ランニングをタイピングの記録狙いの前のウォームアップとして取り入れることで、タイピングに好影響があるということを述べた記事です。
かつては風呂上がりにタイピングをすると好記録が出やすい、という風呂効果が唱えられていましたが、ランニングは実質的に風呂効果を得ることができると考えられるため、効果があるのも納得できます。

17日目「究極のタイピング競技 AtoZ への誘い」(W/Hさん)

AからZまでの26キーをできる限り速く打つ、AtoZタイピングという最短の固定短文種目を紹介する内容の記事です。
QWERTY配列では、現実的な運指構築で大半の打鍵列をアルペジオ打鍵で処理できるようになるため、思考をカットした上で極限まで速く文字列を入力するという感覚をお手軽に味わうことができるのがいい点だと思いました。

18日目「タイピングソフト別に打鍵ログを集計してみた」(paraphrohnさん)

タイピングソフトによって各キー間の打鍵時間がどのように分布するかについて調べ、ソフトの特徴と合わせて分布について考察している記事です。
最適化でアルペジオ打鍵を増やしていても、アルペジオ打鍵自体を制御していては速度が頭打ちしてしまうということが分布から確認できるのが興味深かったです。

19日目「究極のタイピング競技 AtoZ を攻略」(W/Hさん)

17日目の記事の続きで、AtoZタイピングがタイピング能力向上につながる理由とAtoZタイピングを攻略するための方法が述べられている記事です。
12日目のやださんの記事と関連しており、やださんの練習法の理論的な根拠を示した内容になっています。
手元を見て練習するという点はRTC2018上位者の方も言及しており、面白い観点だと思いました。

20日目「毎パソ全国大会で優勝するまで」(USKさん)

小学2年生でタイピングに出会ったUSKさんが、様々なタイパーの方との交流を経て毎パソの全国大会で優勝するまでの道のりについて述べたサクセスストーリーです。
階級分けが細かく上級生と戦う必要がなく、これまでの出場経験も活かせる和文部門を捨て、英文部門で中学生たちと真っ向勝負を繰り広げたところにUSKさんの覚悟が見えて、とてもかっこいいと思いました。

21日目「RTC2018出場までの道のり」(珠さん)

腱鞘炎に苦しみながらも、白熱したe-typing予選を乗り越え本戦で熱戦を繰り広げるまでの過程がつぶさに描かれている記事です。
冷静さと正確性を保ちながら、万全の状態ではない中で強敵たちと渡り合っていく姿勢にかっこよさを感じました。

-4週目-
☆22日目「タイピングと小説と私」(司さん)

過去の司さんの自作小説をリミックスした小説を通して、筒井康隆さんの業績を紹介していくという内容の記事です。
きちんとタイピングを話題の中心に置きつつも、本当に伝えたいことを主張する構成が上手だと思いました。

23日目「第18回毎日パソコン入力コンクール振り返り」(ryotaさん)

優勝を目標に臨んだ昨年の第17回全国大会での惨敗を糧に、今年の第18回全国大会で優勝、見事にリベンジを果たしたryotaさんのサクセスストーリーです。
全国大会での優勝を目標に貪欲に練習に取り組む姿勢と、全国大会に照準を合わせた対策をきちんと行う周到さを見習いたいと思いました。

24日目「タイピングと音ゲーはどっちが"""""速"""""いのか」(paraphrohnさん)

いくつかの音ゲーについて、超高難易度譜面を対象に打鍵速度を計測しタイピングと比較した内容の記事です。
15日目のたのんの記事と関連しており、こちらではより具体的な数字を用いて議論がなされています。
音ゲーの中でも、指先を使うタイプのゲームはタイピングと並行して練習すると腱鞘炎を引き起こしやすいので注意が必要だと思います。

25日目「トプスピ理論」(NASAsanさん)

タイピング速度向上を筋肉と脳神経の発達の2要素に分け、具体的な事例を引用しながらタイピング速度向上に必要な練習について述べた記事です。
具体的な練習法についての言及は省かれていますが、文章が豊富な知識で綴られており、タイピング界隈ではなかなかみられない視点が面白いと思いました。
15日目のたのんの記事と関連する部分があるため、具体的な筋トレの方法はそちらを参考にするとよいと思います。