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ひかりさんに、聞きました(古賀)。

生活のたのしみ展も、ついに最終日。雨降りのため、会場を恵比寿ガーデンプレイス内・グラススクエアに場所を移しての開催です。うーん、残念・・・・かと思いきや、むしろこの屋内バージョンも「こういうもの」としてすごくいい! コンパクトで、異国のバザールみたいで、イベント最終日にふさわしい総集編感にあふれています。

ということで「たのしみ展の人びと」インタビュー。本日最初にお話を伺ったのは、ひかりさん。ひととおりのお買いものを終え、ひと休みされているところでお話を伺いました。

この密度、この「にぎわい」もまたいいです。

——— ご休憩中のところ、インタビューにご協力いただきまして、どうもありがとうございます。

ひかり いえいえ、ちょうど友だちとの待ち合わせで時間を持て余していたところですので。

——— きょうはあいにくの雨となってしまいましたが、ここまでご覧になった印象はいかがでしょう?

ひかり そうですね、ほんとうは週末のどちらかでお伺いしたかったのですが、子どもとあそんだりしていたら最終日になってしまって。でも、わたしはきょうのバージョンしか見ていないのでわかりませんけど、この「にぎわい」も、たのしいですよ。ぎゅっとした密度があって、とはいえ身動き取れないほどの混雑でもなくて。

——— いいですよね! 正直、ぼくもおどろきました。もういくつかお買いものをされているようですが・・・・。

ひかり はい、ほんとうは「バリとモロッコ かごと雑貨のお店」で売っていた warang wayang さんのかごバッグを探していたのですが、売り切れちゃったらしく。

——— 「バリとモロッコ かごと雑貨のお店」、初日から大人気でした。

ひかり それで、わたし梅干しが大好きなので、以前マツコ・デラックスさんの番組でみて気になっていた梅干しを買いました。

——— もうひとつのこちらは?

ひかり 草場妙子さんと OSAJI さんがコラボしたボディゲルです。乳液とも違う潤いが得られるゲルということで、とてもたのしみにしています。

日々の感動を、歌に詠む。

——— それで、先ほどお子さんのお話がありましたが、いまおいくつなんでしょう?

ひかり 1歳7か月になりました。もうずいぶんと自我が芽生えてくる年齢で、見ていてほんとうに飽きないですね。

——— お子さんが生まれてから、やっぱり人生観とか変わりました?

ひかり もう、ぜんぜん変わりましたよ! やっぱり日々のちいさな感動がたくさんありますし、その都度考えることも変わっていきますし。その変化をどう残していくか、いろいろと考えて。

——— 写真を撮ったり、日記を書いたり。

ひかり もちろんそれも大事なんですけど、たとえば毎日「育児日記」のブログを書こうとすると、いつの間にか長々とした愚痴っぽい告白になっていくんですよね。それで、そういうものは書きたくもないし、残したくもないし。

——— ああ、ぼくも毎日ブログを書いていますが、いかにして愚痴から離れていくかはおおきなテーマです(笑)。

ひかり それで、たしか去年の秋くらいだったのかな? 子どもと一緒にテレビをみていたら、もうどの局も日馬富士とか貴乃花親方とかの、大相撲ネタばっかりだったんですね。それに飽き飽きしちゃってチャンネルを変えていたらNHKのeテレで『NHK短歌』という番組をやっていて。

——— ほう。

ひかり すごくいい歌が紹介されていたし、「この、子育てにまつわる日々の感動を、短歌にして残すのはいいかも!」って思いついたんです。

——— すばらしい! それ、最高じゃないですか。

ひかり はい。だからいまは毎週『NHK短歌』を見て、テキストも購入して、何度か応募もして。佳作みたいな賞をいただくこともできました。詩や物語を書くような才能はないけれど、短歌だったら自分なりのペースでやっていけるんです。もちろん、まだまだ下手なんですけど(笑)。

——— ぼく、短歌ってほとんど詠んだことがないのですが、どういうむずかしさがありますか?

ひかり やっぱり最初は「五七五七七」のリズムにばかりとらわれて、ただ状況説明をその音に当てはめる歌になりがちなんです。でも、たぶん短歌でたいせつなのは一瞬の情景を映像化して切りとるような能力で。

——— ああ、情景描写と心象描写が交差するような瞬間、というか。

ひかり はい。最近少しずつ、映像化を意識できるようになってきました。

——— それでは、なにかひとつ歌を紹介していただけますか?

ひかり えーっ。どれがいいだろう。ちょっと待ってくださいね、スマホに保存していますので。・・・・はい、番組でほめていただけたのは「甘い」というお題で書いた、こちらですね。

——— どうぞ、詠み上げてください。

ひかり えーっ。" コンコンの 薬という名の 甘い茶が ひとり恋しい 祖父が淹れた茶 "

——— ・・・・風邪を引いたときの、歌ですか?

ひかり はい。子どものころ、風邪を引いて寝込んでいると、祖父が「コンコンのお薬だよ」と、甘いお茶を入れてくれていたんですね。たぶん、砂糖を入れただけのお茶なんですけど。わたし、そのお茶を飲むとじんわり安心できて。

——— ええ。

ひかり それでいまは風邪を引いても看病したり、甘いお茶を淹れてくれるおとなはいなくて、むしろ自分が子どもの看病をする立場で。だから風邪を引いてお布団に入っているとき、ふと祖父のお茶が懐かしくなるんです。あれ? よく考えたらこれ、ちょっと愚痴っぽい話になってません?

——— いえいえいえ、すごくすてきなお話です。素朴な甘みが伝わってくるというか。・・・・あっ、お友だちがいらっしゃいましたね!

ひかり はい。(お友だちに)ちょっと待ってね!

——— 貴重なお時間いただきまして、どうもありがとうございました。もしよろしかったら「生活のたのしみ展」をテーマに、短歌をつくってみてください!

ひかり はい、どうもありがとうございました。