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アンミカとフワちゃん

アンミカとフワちゃんが真っ白な家の窓辺から私に向かって大きく手を振る。

なんという素晴らしい目覚め。

夢の中で、私は自分の夢を口にしていた。聞いてくれたのは、高校の同級生で憧れの女の子。高校時代その子とは、尊敬やら自分の自信のなさやら色んな要因でうまく話せなかったことが心残り。目覚めてから、その子は夢占いが好きだったなと思い出す。

最近カフェでアルバイトをしているのだけれど、初めてケーキを作らせてもらった。一つ一つの工程に心を込める。焼き上がりも見たいでしょ。と、優しいご主人の気遣いが嬉しい。

マニュアルなんて何もなくて、沢山コミュニケーションをとるんだよ。と教えてもらった。
『レモンケーキはどんな味ですか?』と聞かれて、突然始まる食レポ。くうきけーきを用意して、私が持ってる語彙力全てを総動員させる。レモンケーキを半分ほど食べ終わったところで『このケーキにあうお茶はどれですか。』と尋ねられ、知識が何もないことがもどかしい。気分をお伺いして、アールグレイに全ベットすることにした。
ドキドキしながらケーキとお茶を準備する。 
ティーポットもカップも、そのお客さんをイメージして選んでいる。喜んでくれるといいなと願いながら。


震える手でケーキをお出ししたら、お冷やを入れるタイミングを伺う。訳もなく辺りをぶらつくのは、まるで逃走中のハンターのよう。

『ケーキとお茶、合いましたか?』と勇気を出して尋ねると、『合いました!のんびりとしたティータイムをありがとうございます。』とお客さん。
『ベストチョイスですね!』とガッツポーズするわたし。


アールグレイ君、きみ、いい仕事するね。


将来のことを考えると、色々な事にがんじがらめになってしまうけれど、働くことの醍醐味は誰かの役に立ってこそだと実感する毎日です。

高校時代の女の子。夢の中でだけれど、ちゃんと目を見てお話できて良かった。彼女に追いつきたいとか、そんなことはなくて。私はわたしのペースで進む。交われなかったことさえも、素敵な思い出として、受け止める。

欲張りになってしまうけれど、あらゆることを愛せるようになりたい。そのときは、私からアンミカとフワちゃんにおっきく手を振るね。




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