100字

強い雪が降っていた。ほんの一瞬だったけれど、それを座って見届けていた。
私の住むアパートは壁が薄くて、電子ピアノを弾くにもヘッドホンを繋がなければいけない。
ふと、私は壁に向かって「大好きです」と囁いた。

─────

ずっと、私は空を向いている。
大抵の時、少しでも空の方を向いている。
君と二人きりでお出掛けをしても、君が大好きで仕方なくても、ずっ、と空を向いている。
君と眼を合わせない様に。
君が隕石とぶつからない様に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?