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少しだけ不思議な未来のお話?

今宵の担当 noriです。

最近「○○○が好き」が続いていますが、今日はドラえもんです。

ワタシとドラえもんの出会いは藤子アニメ史上最大の黒歴史、1973年の日本テレビ放映のアニメ「ドラえもん」(通称:旧作)でした。

国民的アニメとなった今では信じられませんが旧作は藤子アニメ史上最大の失敗作と認識されています。当時幼稚園児だったワタシの記憶にも「ドラえもん=つまんないヤツ」という認識が刻まれたほどです。もっぱら登園前の朝のアニメ再放送枠で見ていました。その枠は「ハクション大魔王」とかいくつかのアニメをルーティンで再放送していたのですが、「次回から『ドラえもん』」という予告を見ると、「あぁぁつまんないヤツね・・・」とすら思ってました。

小学生になり本屋でドラえもんのコミック単行本を見つけました。

「あのつまんなかったヤツね」と思つつも、試しにちょっと立ち読みしてみると・・・これが面白かったのです。

それをきっかけに単行本をコレクションし始めました、次回アニメが再放送された際には「改めてちゃんと見てみよう」とも思ったのですが、(少なくとも関東圏では)その後旧作が再放送されることはありませんでした。それどころか、旧作の失敗により「オバケのQ太郎」以降コンスタントにアニメ化で成功していた藤子作品は五年間もアニメ化が封印されました。

そんな凍結に風穴を開け、再び藤子作品をアニメ化させたのは奇しくも同じドラえもんでした。

原作と呼ばれるコミックを面白いと思った小学生はワタシだけではなかったようです。小学館の月刊誌、「小学一年生」から「小学六年生」まで毎月6誌に新作が書き下ろしされ、1977年には一誌で複数話の書き下ろしが読める「コロコロコミック」も創刊され、原作ドラえもんの人気は一気に加速したんです。

となれば再度のアニメ化を提案するプロデューサーも出てくるのですが、藤子F先生はそんなプロデューサーへアニメ化申請に対し「ドラえもんへの想い」を記載した企画書の提出を求めたそうです。

結局は企画書を読んでアニメ化を承諾したのですが、企画書を求めた理由として、「「オバQ』、「パーマン』は幸せに嫁に出せました(アニメ化が成功した)が、『ドラえもん』は出戻りなんです。次の婿は自分で選びたかった。」ということだそうです。娘さんしかいらっしゃらないF先生らしい例えです。

その後はテレビ局上層部が難敵でした。「他局でコケたものをなんでウチでやるのよ」とどの局でも言われたそうです、そりゃそうですよね。

紆余曲折を経て、テレビ朝日の株主だった小学館もアニメ化に根回ししたこともあり、比較的視聴率の低かったテレ朝の枠(月〜金 18:50からの10分枠)にねじ込んで2回目のアニメが1979年スタートしました、以来現在まで絶賛放映中です。

その後は封印時代のリヴェンジをするかのように、藤子作品は(別作業公表前だったので、FもAも関係なく)アニメ化されまくりました。「オバケのQ太郎」、「パーマン」、「ウメ星デンカ」、「怪物くん」ら人気作品のリメイクに加え、「エスパー魔美」、「チンプイ」、「モジャ公」、「キテレツ大百科」、「笑うせぃるすまん」(黒いせぃするまん)などの原作はメジャーでなかった作品までもがアニメ化されました。

今日はドラえもんの「グッとくるストーリー」について書こうと思ったのですが、前置きで長くなったのでまた次回。(と言って大体次回を書いてないですが)

旧作がコケた理由をワタシなりに分析しました。

ドラえもんの声が嫌だった

富田耕生が初代ドラえもんを担当しました。声優としてはビッグネームですが、ドラえもんには合ってないオッサン声だったのです。当初は「のび太を見守るおじさん」的な設定を考えていたのでそういうキャスティングだったようですが、やはり評判が良くなかったのか途中で野沢雅子に交代しました。最初から野沢雅子だったら良かったのですが、突然の別方向の声優交代にますます違和感を覚えたのを記憶しております。余談ですがワタシは大山のぶ代も好きではありません、現職の水田わさびさんが歴代4人のドラえもん声優で一番好きです。

理由は一番ナチュラルで、ワタシが原作を読んで想い描いたドラえもんの声に一番近いからです。

ドラえもん自身がトラブルメーカーであるスラップスティックだった

原作あるいはテレ朝以降のドラえもんと大分趣が違いました。原作では数回だけ登場し、その後はF先生によって封印されてしまった鳥型ロボット、(やはりトラブルメーカーの)ガチャ子がレギュラー出演したりしてました。

F先生が旧作を「私の意図した原作とは全く別モノ」としていたにも関わらず、テレ朝版放送後に故郷富山で旧作が再放送された際は(いつもは温厚なF先生が)憤慨され放送中止を求めたそうです。

この富山での再放送が旧作の最後の放送になりました。

裏番組が「マジンガーZ」だった

ホームビデオのない時代、そりゃそっち見ますよね。

主題歌が演歌調だった

サビの「だけどドラえもん、イイ男〜」という歌詞に相当の違和感が・・・現在の星野源の主題歌とは大分な違いですね。

今日の一曲:内藤はるみと劇団NLT /ドラえもん(1973/コロムビア・レコード)

となれば、コレでしょう。

数年前、YouTubeでコレを発見した時に35年ぶりに見ました。

旧作はほぼマスターが残っていないそうですが、このオープニングからだけでも旧作の違和感を感じていただけますでしょうか。

旧作は中々のエピソードがあるので、ご興味ある方はディグってみては。

今宵の担当 : nori

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