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裏横浜探訪記


最近、裏横浜に心を奪われている
ジャックアンドベティやシネマリンに映画をよく見に行くので昔からこの辺には来ていたのだが、なんだかんだゆっくり周辺を歩いたことはなかった

いつものようにシネマリンで映画を見たあと潜入開始
郷に入っては郷に従えというので、迷わず缶チューハイを買う
なんせここでは昼夜を問わず9割の人間が酒を片手に歩いているのだ
酒飲みにとって治安の悪い町は居心地の良い町だとつくづく思う

多恋人(タレント)

まずは黄金町から福富町へ5分くらい歩き、メリーさんが立っていたと言われるGMビルを拝みに行く
最近メリーさんのドキュメンタリーを見たばかりでいつか訪れようと思っていたので実際に目にすることができて感動した
もちろん中には入れなかったが外装のデザインが最高にかっこよかった
ここが賑わっていたころはいったいどんな人たちが出入りしてどんな夜を過ごしていたんだろうと想像するだけで楽しい

GMビル正面

そういえば風俗街でよく見かける「角海老」、これはなんなんだろうと気になっていたので調べてみたところ江戸時代から続くソープランドの大企業だということがわかった、ほえ〜

角海老

福富町のコリアンタウンを抜けさらに10分ほど歩いて寿町に向かう

寿町は日本の三大ドヤ街として知られる町
私は期待と緊張の入り混じった新成人みたいな気持ちでいっぱいだったが、いざ足を踏み入れてみるとその異様な雰囲気に腰が引けた
写真を撮るのなんてとてもじゃないけどできない
黄金町、福富町までは治安が悪いとはいえまだまだ近づけるが、ここはちょっと雰囲気がどんよりしすぎていてよそ者が入り込んではいけない土地なのだということを肌で感じる
唯一撮ったこの写真で伝わってほしいけれど、、

寿町の飲食店街

寿町にショックを受けたところでこの日はおしまい
数日前、どうしてもこのあたりで飲んでみたいという欲が芽生え、再びチャレンジしてきた

スタートは日ノ出町から
第一亭で井之頭五郎が食べたという裏メニューのパタンと瓶ビールをキメる
パタンは汁なしの冷やし二郎みたいな感じでニンニクの量が半端ではなく、重度のニンニクラバーとしてはたまらない味だった

イケイケの店構え

早々に第一亭を後にし福富町へ
気になる角打ちがあったのだがちらっと覗いたところ1人しか客がおらずものすごく入りにくい雰囲気だった
とりあえずコンビニで酒を買って徘徊し、飲み終わったころに勇気を振り絞って入店した
緊張していた私は席につくやいなやメニューはありますか、などと聞いてしまいその瞬間お姉さんの顔が曇るのがわかった
メニュー?(口に出してはいないけどは?という文字が見えた)ありませんけど、とピシャリと返されて怖気付く
まあ角打ちにメニューなんてあるはずがないので、、、

幸いにも常連さんが気を使って話しかけてくれたのでいろいろお話を聞いた
かつて栄えたドヤ街や風俗街はアートの街へと変貌することが多いのだが(池袋西口が有名な例)、そのお兄さんもアート化計画に伴って呼び寄せられたひとりだった
リレーショナルアートというジャンルに携わっているらしく人間の関係性に目を向けた作品を作っているとのこと(私も正直理解しきれなかったので気になったらググって)

無音カメラでこっそり撮った1枚

どんどん人が増え最終的に4人くらいのお客さんに混じってお話したのだが、ついつい話し込んでたった2杯で2時間も居座ってしまった

楽しかったことは楽しかったのだが店のお姉さんに今までにないほど冷たくされたのでたぶんもう行くことはないし、勇気を振り絞るほどの店はだいたい自分に合わないのでやめておくのがベターと学んだ

親切にしてくれた2人の常連さんに連れられて2軒目はおばあちゃんがやっている温かい感じのお店に行った
猫のトレーナーを誉めてくれたのがうれしかった
この辺りの店での作法とか、生き方についてとか軽く説教されたが教えてくれることを優しさと受け取る

冒険もいいけどそろそろ落ち着いてもいいころじゃない?と言われたのはけっこう刺さった
ほんとうにそう、本当にそうだけどその人は70も近い既婚者なのにいまだに遊び回ってることを武勇伝にしていたのでよく考えたらそんなに説得力はない
奥さんには全部正直に話したうえでやってるから大丈夫と言っていたので逆に浮気をされたことはあるんですか?と聞いたらないと自信満々に言っていた 
こういう人が実際されたらものすごく動揺するんじゃないかと思った

常連さんにも角打ちのお姉さんについて話を振られたが、若い女の子に特に厳しいんだよね〜とのことだった
酔っ払っていたので、嫌われたのはわかるけどイメージを変えたいからまた行く、みたいな謎の強気発言をしてしまいかなり恥ずかしい
少なくとももう3年は行けないと思う

よくみるとホラーなキティ

あと、女1人で寿町で呑むのだけは全員に猛反対されたので無理なのだと悟った
こういうとき、私がおじさんでないこと、若い女であることが本当に悔しい

土地の魔力に魂まで吸われた結果爆酔いして終電を逃し、この旅は終了
深夜にひとり磯丸で食べたタコさんウィンナーの味と風景はしばらく忘れないかもしれない

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