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20歳の夏休み全部使って日本一周してみた(11:帯広〜札幌)

第11日目

前日のうちに、土砂降りの中、帯広観光を済ませてしまいましたので、今日は朝一番に帯広を出て、再び札幌の友達に会いに行きます。移動だけではつまらないので、途中、石勝線の追分という駅で室蘭本線に乗り換えて、由仁という駅で下車し、駅のすぐ近くにある「ヤリキレナイ川」というのを見ようという計画でした。インスタ映えというよりかは、どちらかというとTwitter映えする観光地(?)です。

この帯広から札幌にかけての移動は、現在利用している北海道&東日本パスの鬼門となる区間です。その理由は、まず石勝線に普通列車が走っていないということが挙げられます。そのため特例で、新得新夕張の間のみ、追加料金なしで有料特急に、この切符で乗車できます。

石勝線は新得から先、トマム、占冠、新夕張、滝ノ上、川端、追分と駅があり、追分で室蘭本線と交差する形になっていますが、室蘭本線と乗り換えのできる追分ではなく、なぜ新夕張で下車しなければいけないかというと、嫌なことに新夕張からは普通列車が走っているのです、1日3本のみ。特急で乗車できる区間を最低限に留めてやろうという魂胆でしょう。

その3本とは、6時16分に出る千歳行き、12時37分に出る千歳行き、18時42分に出る千歳行きの3本ですが、本来は10時半頃に新夕張に着いて、12時台に出る2本目の千歳行きに乗車する予定でした。つまりそのためには、帯広を7時半に出るものに乗り、新得を9時20分に出るものに乗らなければいけません。

だがしかし、いざ帯広駅に着いて、列車の案内表示をしている電光掲示板には7時半に帯広を出る新得行きが書かれていません。嫌な予感がしましたが、案の定前日から続く低気圧の影響で運休していたのです。これはつまり何を意味するかというと、新夕張駅での長い長い乗り継ぎ時間を経験しなければいけないということです。

まずは、仕方なく帯広駅で1時間半待機して8時55分発の新得行きに乗車します。その後、新得で特急を待つのですが、石勝線を走っている特急は「おおぞら」と「とかち」の2種類があり、この切符で乗れる、つまり新夕張に停車する特急は「とかち」の方なのです。そのため、新得駅でも特急とかちのために再び1時間半以上、待つ必要がありました。

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特急おおぞらを1本見送り、その後11時46分に新得を出発する特急とかち6号に乗車します。このような形でこの切符で乗れる唯一の特急に乗ることになるとは思いませんでした。今考えれば新得から先、東鹿越まで代行バスに乗り、日本三代車窓の一つ、狩勝峠を越えて富良野経由で札幌に帰るルートもありましたが、失念して特急乗ってしまいましたね。そうすれば新夕張での長い待ち時間もありませんでした。バスより先に来る特急のことしか頭にありませんでした。

どうでもいい(?)ですが、することがないので新得駅の紹介をします。新得は北海道の重心らしいです。あと、駅前にかつて狩勝峠を機関車で越えていた時代の火夫の雄姿を称えた銅像がありました。あとはスポーツ合宿しに来た若者を受け入れる旗が立っていたり、北海道でよく目にするポケモンのマンホールがありました。

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新夕張駅前には道の駅「メロード」という名産のメロンを売りにした道の駅があります。それ以外は何もありません。駅の北側は工場で白い煙がもくもくと空に続いています。昔は夕張線というのがこの駅から夕張駅の方へ結ばれており、炭田開発や石炭輸送を担っていましたが、こちらは2019年に廃線となっています。昨日の広尾線もそうでしたが、昔は今では信じられないほど北海道にも毛細血管のように路線が広がっていたのです。

特にすることもないので、道の駅のベンチで夕張メロンソーダを飲みます。駅から徒歩5分くらいのところにセブンイレブンとセイコマートがあるので、野菜ジュースを飲んだり、安くなってる北海道産の男爵芋を使ったコロッケを食べたりしました。この時点でまだ14時にもなっていないので、本当にあと5時間何しようか迷いに迷った結果、少し駅の周りを歩いてみることにしました。

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Googleマップで航空写真に切り替えると、かつての夕張線の廃線跡の橋梁が駅の近くに残っています。それを見に行こうと何分か歩いて橋に向かいました。夕張線の廃線跡も良かったのですが、それよりも現在使われている石勝線の夕張川にかかる橋梁が超順光で、撮り鉄でもない僕が見ても、これは絶好の撮り鉄チャンスだと言えるほど素晴らしい構図で写真が撮れそうでした。それで1時間以上川の流れを眺めて待って撮れた写真がこちら。いい感じです。

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まあ、40日以上も旅行してたらこんな感じにのんびりしてる日もあっていいですね。乗り継ぎ時間を潰すためにぼーっとしてる1日があっても、それはそれでいい思い出です。

18時半くらいになりまして、遂に列車の発車時間も近いわけですが、いざ駅を離れようとするとちょっと寂しい気持ちも湧いてきます。最初出迎えてくれた時は「センスないなぁ」と思っていたメロン熊も、最後別れ際に見ると愛着が湧いてくるものです。

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そのあとは何事もなく千歳で乗り換えて札幌到着です。明日は北海道最終日です。長かった北海道に別れを告げましょう。

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