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68535歩で踏破して見つける新しい東京の顔

10月の終わり。山手線を1周歩いて、まだまだ知らないことの多い東京に新しい発見を探しに行った。

東京生まれ、東京育ちの自分だが、自分の故郷を知ったかぶりしている自分も、もしかしたらまだいるかもしれない。そんな自分を驚かせてやろうと、この大都市が見せる表の顔も裏の顔も、どんな色を見せてくれるのか期待を込めて踏破する。

【1】品川駅

朝の8時。スタート地点は品川駅。実はこの駅、正式に山手線の始まりの駅になっている。

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ホームにあるゼロキロポストには、ゴジラのシルエット。

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朝から忙しい、さすがターミナル駅だ。

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秋が近づいてきた気がする。

少し進めば、大きく曲がって大崎の街が見えてきた。遠回りしてカーブする山手線をショートカットするように歩いていく。

【2】大崎駅

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立派なペデストリアンデッキに改札口。

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誰も乗っていない山手線が出勤してきた。

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なんかいた。

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次の五反田までは目黒川に沿って歩く。ビルと川、葉っぱの隙間から見える山手線。ごちゃごちゃした中にも、整然と流れる川の存在が、なんだか気分を落ち着かせてくれる。

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【3】五反田駅

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東急が見えてきたら、もう五反田だ。近い。

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鳩も信号待ちしている。

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鉄橋の下を除けば国道1号。

山手線がいつの間に土手の上を走っている。遂にここから「山の手」に入っていくっぽい。

【4】目黒駅

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と思ったら、五反田を出ると、見上げていた線路を見下せるような位置関係に。

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騒がしそうな通学路だ。

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東急・メトロ・都営・JR。しれっと4社集結。

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次は恵比寿。この区間で山手線と埼京線が入れ替わり。乗っていると楽しい区間。

【5】恵比寿駅

「エビス」。地名の響きだけで伝わるハイセンスな感じ。その正体は言わずと知れたビール会社名。この地は純然たる企業城下町なのです。

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ビール工場の跡地・恵比寿ガーデンプレイス

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ビール色の街灯が街を照らす。

【6】渋谷駅

早い。もう渋谷か。品川を出発してまだ1時間半しか経っていないのに。やっぱり東京って意外と小さいのかも。

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煙突は高くなきゃね。

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顔を見せた渋谷川

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若者の街って感じがする。

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もうディズニーだけじゃないらしい。

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各方向へ登っていく坂が、ここが渋「谷」であることを証明してくれている。昔から谷には人も水も集まってくるんだ。

【7】原宿駅

少し歩くと今度は左手に国立競技場が見えてきた。

ということは、代々木公園も明治神宮も近い。ということは原宿も近い。

小さいバス・ちいばすもいた。

新駅舎を通り越して坂を下ると、竹下通りだ。

タピオカ見かける頻度は格段に減った。

【8】代々木駅

原宿の次は代々木。代々木公園に入ると、遠回りになりそうだったので、丸い山手線の内側を進む。

首都高と交差

山手線では数少ない踏切

ドコモタワーのお膝元

ドコモタワーがもう目の前ってことは、ここは同時に新宿でもある。代々木〜新宿間は本当に近い。

【9】新宿駅

小田急線の踏切を跨げば、すぐに新宿駅。

世界一の乗降客数を誇る新宿駅は、山梨・長野への路線が伸びる東京の西のターミナル駅。どこを見渡しても、人、人、人の波。

高層ビルが林立するかと見上げれば、

その足元には想像もできないくらい暗い路地裏も。

新宿では、大好きな油そばを昼ご飯に平らげて、午後に備える。食べ終わって店を出ると、雨がぽつぽつ降り始めた。でもこのくらいなら、まだ気のせい気のせいと言ってられる。

【10】新大久保駅

新大久保はもはや韓国。少し雨が強くなってきた。西武新宿線とも合流して線路が増える。

高架下の謎の落書き。

次の高田馬場までは線路沿いを進む。

【11】高田馬場駅

学生の街という印象が強いこの駅は鉄腕アトムの出身地でもある。

かの有名なロータリー

次は神田で再開するだろう神田川

新宿は後ろへ。

【12】目白駅

駅に着く手前のこの階段は映画「天気の子」の聖地になっている、分かる人には分かる階段です。目白駅に到着。

目白駅前はいつもキッチンカーがいるイメージ。

前方には池袋のゴミ処理場が見える。

【13】池袋駅

遂に池袋まで来た。品川からスタートしてちょうど距離的にも折り返し地点といったところ。

東の西武と西の東武。東西が入れ替わるあべこべ池袋。

怖そう。

可愛いバスに乗っているフクロウ。

次の大塚まで山手線は大きく遠回りして曲がる。大崎の時と同じように住宅街を突っ切ってショートカット。「東京さくらトラム」ならぬ路面電車も走っていた。

【14】大塚駅

路面電車に沿って坂を下れば、大塚駅に到着する。

大塚駅前駅。

土手の上を走る駅の構造とは一変、駅を出ると今度はすぐに自分よりも下に。高低差に弱い鉄道は、出来るだけ標高を変えまいと真っ直ぐに進むわがままな乗り物。

【15】巣鴨駅

「おばあちゃんの原宿」

トイレに行きたかったので駅ビルに入った。

【16】駒込駅

駅舎の屋根が面白い形をしている。

また登ってきた。さっきまで下を走っていた癖に。

新宿・池袋の高層ビル群から2、3駅離れるだけで全く街の雰囲気が違う。それだけ駅が点在してるってことだけど、それぞれの駅に個性がありすぎる。

【17】田端駅

駒込〜田端間には正真正銘、山手線で唯一の踏切がある。そのうちこの踏切も取り壊されるらしいが。

ここから北には京浜東北線と諸々の新幹線が伸びていく。南に目をやるとうっすらとスカイツリーの影が。雨は降ったり止んだり。

【18】西日暮里駅

山手線では2番目に新しい駅。

イケメンな猫がいた。

颯爽と立ち去る背中にピントが追いつかない。

【19】日暮里駅

京成線・常磐線とも合流して、ものすごい数のレールが束となって日暮里駅へ。写真左手の崖からも分かるように、ここは武蔵野台地の縁。

駅名標からわかるように、やっぱり猫とゆかりがあるらしい。

【20】鶯谷駅

谷中霊園を経て、鶯谷へ。スカイツリーもどんどん近づいてきた。

下町情緒が至る所から染み出す。

【21】上野駅

東北方面からの一大ターミナル駅

空もだんだん暗くなってきて、人手も増えてきた。居酒屋が賑わう頃。アメ横、上野公園、不忍池と見どころが多いからこそ、雑多な感じが伝わってくる。

【22】御徒町駅

御徒町おかちまち」。普通に難読ではないか。

街のネオンサインがうるさくなる頃

【23】秋葉原駅

中央線・総武線とも合流して、再び賑やかに。

高架下の商業施設も賑わいを見せる。

雨上がりで濡れた路面に反射する光もこれまた美しい。

【24】神田駅

万世橋付近を通り過ぎて、中央通り沿いに行くと神田駅に到着。

ゴール地点品川も近づいてきた。

神田川・首都高とも交差して、東京駅まであと少し。

【25】東京駅

神田を過ぎて、再び高層ビル群・丸の内に入ってきた。

美しい駅舎に美しい街灯

いくらでも写真を撮っていられる。気づいたら30分経っていた。これだけ歩いてきたのに写真を体力は底を尽きない。

【26】有楽町駅

有楽町と東京も本当に近い。実は一つの同じ駅なのではないかと疑ってしまう。

レンガの高架は相当歴史が古いと聞く。

たしかに年季の入り具合がえぐい。

【27】新橋駅

SLざ新橋に着いたことを教えてくれる。汽笛一声はここで鳴り響いた。

汐留へ抜けると、先ほどの飲み屋街とは一変、整然とした区画整備とゆりかもめなどの近未来的な街並みへ。

【28】浜松町駅

ゆりかもめの下に沿って歩くと、すぐに浜松町駅。ここからは少し寄り道して芝公園へ向かう。ここらへんも再開発が著しい。

【29】田町駅

寄り道を経て、田町駅へ。

札の辻交差点の歩道橋から見る東京タワーは格別美しい。

【30】高輪ゲートウェイ駅

これでラストの駅。去年開業した話題の新駅がラストです。

駅の仕組みが日本っぽくない。巨大な体育館のよう。

【1】品川駅

戻ってきた。

1日中、ずっーと歩き続けて再び同じ場所に戻ってくると不思議な感覚になる。
たしかに品川は品川のままだったけど、東京にはいろんな街が、いろんな顔をして、いろんな色をしている。
たしかに山手線は丸かったけど、スクランブル交差点も閑静な住宅街も、少し不気味な霊園も、騒がしい飲み屋街も、同じ路線の沿線に蔓延っている。

68535歩。これだけ歩けば東京という都市のいろんな側面が見えてくる。2021年の東京の姿を目に焼き付けて、スクラップアンドビルドを繰り返してきた歴史の重みを感じつつも、これからの発展に期待を寄せることができた、そんな1日でした。

この街が地元でよかった。

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