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20歳の夏休み全部使って日本一周してみた(8:稚内〜網走)

第8日目

青春18きっぷ等のきっぷを使うたびは、朝早くから移動を開始して、夜遅くに目的地に着くような行程を組めば組むほど、定額料金で本来かかる料金をはるかに上回ることができるので、こういう旅は朝早くから活動を開始することが多々あるのです。ということで、今日最初に乗る列車は5時20分稚内発宗谷本線名寄行きです(狂気)。

しかし、今日はゲストハウスに泊まってますから、目覚まし時計を鳴らすことができません。明日の朝目が覚めることを願ってちょっと早めに寝ることくらいしかできることはありません。前日は23時前に布団に入ることにしました。

夜中、一度目が覚めて「よっしゃ起きれた!」と思ってスマホで時間を確認したら0時半とかで、違う違うそうじゃない感で満たされました。再び起床できることを祈りながら眠りにつきます。

無事、4時半くらいに目覚めることができましたので、着替えて、洗濯物を回収して、シーツを剥がして荷物をまとめて駅へ向かいます。朝の稚内、寒過ぎですね。多分20℃ありません。

昨日、宗谷本線を全部乗り通したというのに、その来たルートを再び逆戻りします。昨日は天気が良くて、奇跡的に利尻富士の稜線も微かに見ることができたのですが、今日はめちゃくちゃ曇っており霧もすごいです。

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昨日はほとんど寝ていて気づかなかったのですが、たまに廃止された駅のホームがちらほらと車窓を通り過ぎるのが見えます。停車する駅の駅名標の隣の駅を表示しているところにも、かつてあったであろう駅名を隠すかのように上から新しく貼り替えられております。これだけ乗っていると、もはや宗谷本線に対して愛着さえ湧いてきます。まあ乗る前から既に抱いていますが。

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名寄から先、稚内まで廃線になるという噂もありますが、残って欲しいですね。音威子府駅は駅構内に併設されている常盤軒というそば屋が有名で、黒い蕎麦を提供していたことで知られていましたが、今年の2月に店主が亡くなられたことと跡継ぎもいないことから蘇ることは無くなりました。食べておきたかったですね、黒い蕎麦。

途中、名寄での乗り換え時間で駅から歩いて数分のセイコマートで朝飯を済ませ、再び南下、遂に11時28分旭川に舞い戻ってきました。次は石北本線で道東を目指しますが、時間があるので適当に石狩川の周りをうろちょろして時間を潰します。

お気づきになられたかもしれませんが、今日は移動しかしません。前々から北海道では「北海道フリーパス」という特急も含めた乗り放題のきっぷを使おうと企んでいたのですが、8月10日から19日の間、なぜか有効期間の対象外で販売されていないので、仕方なく「北海道&東日本パス」で普通列車で地道に行くしかないのです。

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旭川から石北本線に乗車すると、「安足間(あんたろま)」という駅があります。如何にもアイヌ語って感じですね。調べてみたところ、アイヌ語で「淵、ある、もの」という意味らしいです。アイヌ語にしても、よく意味が汲み取れない例は初めてかもしれません。

上川で降りて、快速の「きたみ」を待ちます。上川は旭岳の麓、層雲峡温泉郷が近いことで知られています。上川から先の石北本線の駅名も面白いものがたくさんあって、個人的に好きな区間です。

まずは、「丸瀬布(まるせっぷ)」のご紹介。まずは声に出してこの駅名を読んでみてほしいです。「まるせっぷ」。僕の中の声に出して読みたい駅名ランキングでは、堂々の第1位です。「まるせっぷ」。他の追随を許さない語感の良さを誇っていると思います。ちなみに2位は高崎線の倉賀野駅、3位は京王線の聖蹟桜ヶ丘駅です。西日本も探したら、声に出したい駅名が見つかるかもしれません。

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次に「瀬戸瀬」。逆から読んでも「瀬戸瀬」。なんでこんな面白い駅名が2駅連続するんですか。最高です。また、本格的に道東に入ってきましたので、そろそろ車窓に野生の鹿が見えてくるはずです。目を凝らせば、茂みの中に何頭かの鹿が列車の音に驚いてぴょんぴょんと跳ね逃げている様子を観察することができます。たまに走行中の列車が鹿と接触します。

夏の北海道のローカル線というのは、車内にクーラーがなくて取り付けられている扇風機が総動員されているにも関わらず、基本的に車内は灼熱ですので、窓をほぼ全開にして、走行中に吹き込む強風で涼む形になっています。たしかに今までもそうしてきましたし、遠軽まではそのようにしていたのですが、いよいよ道東が本気を出してきまして、急に「涼しい」のではなく「寒い」という気温になってきました。

窓は全部閉めたり、扇風機も全部止めたりして、乗客全員が防寒対策をしだしたことは間違いありません。そんな中、列車は遠軽で方向転換をし、北見に向けて走り始めました。多治見では40℃を超えて騒いでいるというのに、北見について気温を確認すると17℃です。駅の横にあるバスターミナルのトイレを借りたのですが、手を洗おうとすると温水が出てきます。しかも心地の良い、有り難みのある温水です。それだけ周りが寒いということです。日本は広いですね。

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それと北見という街は思っていた以上に都会です。バスターミナルからはあらゆる方向にバスが出ていきます。駅前の広場は典型的な地方都市の様相ですが、規模や賑わいようからするに旭川と大差はないですね。

北見駅の待合室でテレビを見ていたのですが、新国立競技場ではまもなく東京五輪の閉会式が行われることになっているらしいです。毎日いろんな競技のメダル獲得のニュースが飛び込んできていましたが、もう終わってしまうのですね、東京五輪。

そんなことを考えながら、本日最後の列車、北見から出る知床斜里行きに乗車します。稚内からの総移動距離400kmの移動も、本日はこれで最後です。網走の一駅手前の呼人というところで降りて「呼人旅館」というゲストハウスに宿泊します。今夜、そこで食べるジンギスカンをずっと待ち望んで、遥か彼方から移動してきました。計10時間以上に及ぶ大移動でした。座り過ぎて、お尻が痛いです。

呼人駅着きましたが、列車がいなくなると本当に真っ暗で、すごいとこに来てしまったなぁと恐れ慄きます。歩いてすぐのジンギスカン屋と直結してる旅館にチェックインする前に、ジンギスカンを食べました。ぱくぱく食べ進め、気づいたら肉全部食べ終わってました。

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明日以降、道東の天気が大荒れで予定していた行程に思うようにできません。例えば根室観光、明後日の根室はずっと雨です。色んな人に日本で一番好きな地域はどこなのか聞かれた時、いつも迷わず「道東!」と答えているほど、道東は好きなので限られた状況の中でも、道東の魅力を余すことなく楽しみたいと思います。

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