魅力度ランキング最下位には本当に魅力がないのか。
こんにちは。
僕が今どこにいるのかというと、茨城県つくば市、つくばエクスプレスのつくば駅です。本日は、ここ茨城県を日帰り観光したいと思います。
茨城県といえば、今年、魅力度ランキングで最下位となってしまった、世間からは魅力が少ないと思われている都道府県です。しかし、県はこれを踏まえ、観光客向けに新たな施策を打ち出しています。それがこちらの「ひたちのくにめぐりん号」です。
今回の旅は、この無料観光バスを利用した、1日で茨城の魅力を探す旅です。この旅を通して、今の茨城の良いところ、悪いところを発見することができたと思います。
ひたちのくにめぐりん号について
先に言っておきます。来年の1月までは、茨城旅行は格安に済ませることができます。それを可能にしているのが、この「ひたちのくにめぐりん号」です。
このバスは県内に点在する観光地を無料で結ぶ観光バスとなっており、車内にはバスガイドさんもいらっしゃいます。茨城県の抱える問題は観光地同士を結ぶ交通機関がなかったことなのです。水戸の偕楽園、ひたちなか海浜公園、鹿島神宮、筑波山、霞ヶ浦、袋田の滝などなど思いつくだけでも観光地はたくさんあるのですが、そこまでの公共交通がなかったり、アクセスが悪かったりしたのです。
そこで、走ることとなったこのバスは、来年の1月23日までまで毎週末運行しています。今回はそのバスを使った旅行というわけです。
午前中、筑波山観光
つくば駅に着いて、まず乗るバスは「筑波山シャトルバス」です。あれだけ「ひたちのくにめぐりん号」のことを書いていたのに、最初に乗るのは違うバスなのですが、この区間はもともと有料のバスが走っていたので、仕方ありません。
車内はすごい混んでいました。土日は茨城も観光客で賑わいます。学園都市として開発された整然とした区画整理に真っ直ぐな道路が伸びていますが、少し走ると目の前に大きな山が現れます。
広く平らな関東平野に聳える筑波山の存在感は偉大です。山頂は男体山と女体山の2つに分かれています。女体山の方が少しだけ高いそうです。
30分くらい揺られて、徐々に混み始めたくねくねした山道を走り、筑波山神社というバス停に到着です。
鳥居をくぐって、少し歩くと筑波山神社が見えてきました。この鳥居は遠くから山を見ても、わかるほど赤く大きいです。
七五三の時期でしたので、着物を着た子供たちが何人かいましたね。紅葉もぎりぎり楽しめるくらいで、山は彩りを残しています。
どうやらケーブルカーがあるらしいのですが、山に来たからには登らないと気が済まなかったので、登山道に足を踏み入れてしまいました。脇道にそれて、登山道を進みます。
ということで、予想外にも唐突に山登りが始まります。一人旅でなければ、こんな突拍子のないことはできません。案内マップには山頂まで90分と書いてあります。駅に戻るバスは2時間後を予定していますが、そんなこと気にせずに登りましょう。
少し歩くと、ケーブルカーの線路を間近で見られるカーブに差し掛かります。少し待っていると、レールに取り付けられたケーブルがゴロゴロと動き出し、山の上からも下からもケーブルカーが接近してきます。いいじゃないですか、こういうの旅情があって。
1時間半くらい歩き続けて、やっと頂上にたどり着きました。気づいたら500mくらい登山していましたね。時刻は11時半くらいです。山頂で一息、と、そこで目に飛び込んできたのは、この長蛇の列です。
おいおいまさか、と思いましたが、まさにそのまさかでした。この列はケーブルカー待ちの人たちです。これからこれに並ばないといけないのです。
家から持ってきたおにぎりに、常陸牛のコロッケとカレースープを買って体を温めたら、乗車券を買って約1時間の待機列に紛れ込みます。山頂で食べるおにぎりは遠足補正がかかっているため、通常の5倍くらい美味しく感じます。
50分くらい待って、やっとケーブルカーにたどり着きました。この時点で事前に立ててきた予定は原形を留めていません。ケーブルカーでは、一番後ろの窓から景色を楽しむことができました。
きつい勾配を紅葉に囲まれながら、下っていく車窓は迫力の連続で、1時間待った甲斐があったなあと思います。スカイツリーと同じ高さである634mを伝える看板もある程、このケーブルカーは高いところを走っているのです。
神社の方に戻ってきました。ところで、先ほどから店の軒先にはカエルがずらーっと並んでいます。このカエルたちは何者かというと、筑波山名物の「ガマの油」のガマたちです。
カエルが自分のことをかっこいいと思っているという生物的な特徴を生かして、そのカエルを鏡の前に持っていき、自分の見た目に驚かせて、その時にかく汗をそのまま医薬品にしてしまおうという発想らしいこの商品は、筑波山において江戸時代から続く土産物らしいです。
ちょうど、神社を抜けようとしたところで、たまたま見ることができたのですが、これが、そのガマの油を売り込もうとする「ガマの油売り」という演出です。自分の腕をわざと切りつける素振りをして、血のりをたらし、その上から油を塗って、驚異の回復力を宣伝するといった感じ。
帰りのバス停の近くにあった公衆トイレの裏から、関東平野が一望できました。そういえば、今、自分は山にいるのだということを思い出します。バスに乗って、つくば駅に戻ります。
茨城でバラを見よう
戻ってきました。駅の近くには公園があり、エキスポセンターにはロケットが置かれています。遂にここからは、例の「ひたちのくにめぐりん号」に乗車していきます。
向かう先は「いばらきフラワーパーク」です。
再び筑波山を超え、1時間以上バスに揺られて、やっと到着しました。ここが、最近リニューアルした茨城県の新名所です。
入園すると、信じられないほどカラフルなバラたちが一面に広がっています。赤、ピンク、白、黄色から茶色や黒っぽいのまで。流石、茨城県の花「バラ」といった感じです。
筑波山山頂で予定を崩されましたが、ぎりぎり日が沈むくらいに到着したため、明るいうちに花見ができてよかったです。しかし、このパークの本当の楽しみは夜になってから、なのです。
17時になるとライトアップが始まります。すっかり暗くなってきた頃、16時59分を過ぎたあたりからカウントダウンが始まり、点灯した瞬間には歓声が上がりました。
大きなメタセコイアはシンボリックに青々と照らされ、神秘的な光り方をしています。幻想的な灯りに包まれながら、ふと僕はこんなことを考えました。
茨城県がこんなに魅力的な場所だったとは。
帰りのバスが近づいてましたから17時半頃には再び駅に戻るバスに乗り込みます。運行頻度がそこまで多くないのが、めぐりん号の欠点でもありますが、使い方次第では最高の移動手段になりますね。
魅力度最下位に眠る魅力
とまあ、こんな感じ、午前中は山登り、午後はバラ鑑賞と、かなり満足度の高い1日にできました。合計で6000円ほどしかかかっておらず、コスパにも優れます。
東京から地理的にも離れておらず日帰り旅行をするには、もってこいの立地である茨城には、この旅行で訪れた以外の場所にもたくさん魅力的な場所があります。年始の初旅行の目的地は、ぜひ茨城県をおすすめします。
快速に乗れば、秋葉原まで50分。脅威の速さで都心まで運んできてくれます。
以上、魅力度ランキング最下位の旅でした。
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