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20歳の夏休み全部使って日本一周してみた(4:北上〜八戸)

第4日目

今日は北上の快活クラブに泊まっています。朝、始発の東北本線下り列車に乗って、花巻から釜石線でまた太平洋沿いに出ようと企てていました。

北上駅の始発列車発車時刻は5時39分です。一度4時に鳴らした目覚ましで起きたらしい後輩とのLINEのやり取りの履歴は残っているのに、二度寝して次目覚めたのは5時6分という失態を犯します。2日連続で寝坊しかけています。しかし、始発列車は諦めませんよ。

昨日と同様、秒速で準備し、おそらく目覚めてから部屋を出るまでにかかった時間は2分ないでしょう。駅に着いたらまずは、花巻へ。そして花巻から乗り換えて釜石を目指します。

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釜石線に乗車中に昨日の夜ほとんど完成させておいた夏休みの最終課題を提出しました。なんで7月中に終わらせてこなかったのでしょう。

釜石線の見所は陸中大橋駅です。来る前からずっと楽しみにしていて、高低差のある地形を大きくぐるっと回って標高を下げるようにレールが敷かれています。山の上から次の駅がもうすぐそこにあって覗けるのにレールは大きくグルーっと回っている。そんな車窓を心の底から楽しみにしていたのに、この区間、なんと寝落ちしてしまいまして、起きたのは陸中大橋駅のホームを発車した瞬間でした。

釜石に着いたら三陸鉄道に乗り換えます。駅のホームにはポケモンのイシツブテが大量に印刷された車両が置かれています。岩に手が生えたポケモンとしてイシツブテを採用するあたり、岩手県はセンスありますね。列車の中にも至る所に岩タイプのポケモンたちが描かれています。

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途中、吉里吉里という駅を通ります。この駅は、この旅で訪れたい駅ランキングトップ10には入っています。ホームの駅名標を見て初めて知ったのですが、吉里吉里というのは踏むとキリキリとなる鳴き砂に由来しているらしいです。また、一生使わないうんちくを手に入れてしまいました。

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宮古で降りて、ウミネコで有名な浄土ヶ浜に向かいます。着いてびっくりしましたが、岩手の海はこんなに透き通っていて青いのですね。シンプルに驚きました。

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レストハウスみたいな建物でかっぱえびせんを購入し、ウミネコたちにチラつかせに行きます。店を出た瞬間ワーっと集まってくるかと思ったものの、そもそもウミネコたちが海の方にいるので、砂浜に行ってみたのですが反応がありません。

そこで試しに袋を開けてみた瞬間、一羽のウミネコが、匂いに察したのか「カーカー」と声を荒げて水面から飛び立ち、僕の方へ飛んできます。そのウミネコを発端に遠くの岩の裏に隠れていたであろう無数のウミネコたちが次から次へと集合してきます。

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浄土ヶ浜でかっぱえびせんを買うと、一時だけ全てのウミネコたちを支配した気分になれる優越感が味わえるので、やってみてください。えびせん1つを投げると、うまい具合に嘴でキャッチしてムシャムシャ食べてしまいます。10個くらい一気にえびせんを鷲掴みして放り投げると、争うように群がって、ものの2秒ほどで跡形も無く平らげてしまいます。もはや面白い領域です。

すぐにえびせんは無くなりまして、空になった袋を逆さまにしてウミネコたちに見せつけると、ウミネコたちは何もなかったようにそっぽを向き、その場に居座ります。聞き分けの良い鳥です。

その後はまたバスで駅まで戻り、駅前のラーメン屋で宮古ラーメンを食べ、三陸鉄道に乗って、次は岩泉小本駅で下車します。下車後は駅でバスに乗り換えて龍泉洞へ向かいます。

現地は雨が降っていました。体を濡らしながらチケットを購入します。鍾乳洞の中に入ると、ひんやりどころか凍えるような寒さで、ビーチサンダルで来ていることに場違い感を隠せません。

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暗闇の中、遊歩道を歩き進めると、いくつか分岐点があります。隅々まで回るためには「こちらは上級者向けコースです。」みたいな道を常に選択し続ければできます。というかできました。腰をかがめながら、急な螺旋階段を下ったり、傾斜60°ある階段を上ったりと、鍾乳洞の中はうねうねしてます。

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地底湖は全部で3つあり、1番深いのは3個目の98mだったかと思います。地底湖を覗くと、天井から吊るされ、水深深いところから深々と照らす青色のランプによって際立った深さに地底へ吸い込まれるような感覚を覚えます。今までいろんな鍾乳洞を訪れましたが、ここほど神秘的な鍾乳洞はありません。

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今日は典型的な三陸観光をしていますね。岩手県の「青」がこんなにも美しかったかと驚きを隠せませんが、岩手県に対するイメージはガラリと変わりました。しかし、そんな自然の美しさと裏腹に外はバケツをひっくり返したように雨が降っています。今から、この雨の中、最寄りのバス停まで2kmの道のりを歩いて下らなければいけません。

丁度バス停が近づいてきた頃、雲の間から太陽が顔を出し、僅かな隙間から青空と陽光が差し込んできます。しかし180°反対を振り返ると真っ黒い雲がゴロゴロと音を立てています。絵に描いたような異常気象を目の当たりにしていますが、雲の間から差し込む光と低い霧から見え隠れする山々の稜線が幽玄な雰囲気を醸し出していて素敵です。

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岩泉小本に戻ってきてからは、再び三陸鉄道で北上し久慈。途中、太平洋にかかる美しいアーチの虹を見ることができました。東北の自然は偉大です。久慈からは八戸線に乗り換えて八戸へ向かいます。

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小中野という駅で降りて、近くのスーパーで半額商品を買い漁る、貧乏旅行あるあるのムーブ後、本八戸から出るフェリーターミナルシャトルバスに乗ってフェリーターミナルへ。暗闇の中、苫小牧に向けて離岸して行きました。

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明日からは1週間以上かけて北海道を遊覧します。北海道&東日本パスのみを利用した北海道地獄の普通列車オンパレード旅行の始まりです。

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