ポケットマルシェの Growth シリーズ 第3:ユーザー funnel 改善するアクションの選定

どうも!ポケットマルシェでGrowth担当しているタオです。
以前外国人料理教室のマーケットプレイスTadakuを起業し、ノマドしながら語学学習アプリOKpandaに携わった後、今ポケットマルシェ(以降「ポケマル」)にGrowth担当として身を尽くしています。

このシリーズの他の記事を読んでいる人は、「第3:ユーザー funnel 改善するアクションの選定」に飛んでください。

ポケットマルシェについて

SankeiBizを引用すると、「農業就業人口は現在182万人(平成29年)で、過去5年で2割、過去30年で6割減少しており、また急激な高齢化も進行しています。現在の農業生産額を維持するために最低限必要な就業者数は90万人と言われており、2025年にはその数を割ることが予想されています」。このまま行ったら、2025年に食ショックが起きますね。

どんどん進んでいる農家・漁師の消滅を止めるのがポケマルのミッションです。

このシリーズについて

ポケマルに入社した時は、まだかなりのアーリーステージのスタートアップでした。ポケットマルシェに限らないですが、スタートアップがアーリーステージであればであるほど、方針の可能性が無限にあって、やれること(タスク)のリストも無限。

ポケマルは「送料を下げるために物流のネットワークを構築した方が良い?」「iPhoneアプリがあるんだけど、ネイティブのAndroidアプリも作った方が良い?」「toBに展開した方が良い?」のような疑問を沢山抱えていました。

アーリーステージのスタートアップは最初から酷い赤字なので、資本がなくならない内に黒字を達成するか著しいGrowthを実現させるかの二択しかないです。よっぽど失敗しなければ、大体どのアクション(新しい機能を追加したり、PRキャンペーンしたりなど)もある程度のGrowthを生み出すけれど、リソースが限られている中で、時間との勝負しながら、次にどのアクションを選ぶかを決めるのは事業を救うGrowth発生のミソです。

このシリーズで、Growth担当として、ポケマルで成長を遂げるために採用しているプロセスをGrowth仲間に共有していきたいと思います:次にやるべきアクションの選定、ゴール設定方法、データ測定について、アイディア検証などなど。

第3:ユーザー funnel 改善するアクションの選定

サービスを運用する上で、growth に貢献するタスクとしないタスクの2種類あります。Growthに貢献するタスクは例えば購入率を上げる新しい機能を追加する、しないタスクは経理業務関係のタスクなど。

Growth に貢献するタスクは無限にある中、どれを先に採用するかという選定プロセスについて説明します。

1. ユーザー funnel が無線形

ポケマルの funnel は無線形です:ステップのコンバージョン率を変えた時に、変えたステップによって funnel の一番右の「売上」の改善率が異なります。
例えば、それぞれのステップを 10% 改善したところ、最終的に売上がどうなるかを見てましょう:

このシミュレーションを見ると、「サイト訪問 → 会員登録」のコンバージョン率、または「会員登録 → 初購入」のコンバージョン率を改善した方が売上へのインパクトが大きい。

2. 期待できる改善率でアクションを選ぶ

上の結果で考えると、売上へのインパクトが一番大きいステップの改善から行きたいですね。ポケマルの場合、それは「サイト訪問 → 会員登録」と「会員登録 → 初購入」なので、そこに集中してその二つのステップのコンバージョン率を改善した方が良さそうに見えます。

しかし、実際そんな簡単には行かない。各ステップのコンバージョン率が上がれば上がるほど改善するのが難しくなります。また、あるステップを改善したくても、効きそうなアイディアがあることに限らない。しかも、改善1、2が一番売上に貢献するとは言え、「〇倍」レベルではないので、無理してそのステップに集中すべきというほどの差ではない。

つまり、特定のステップに絞ってアクションを一生懸命考えるよりも、サービスを運営する過程で自然に出てきたアイディアの中から改善率の一番大きそうなアイディアを採用した方が改善に繋がります。

3. アイディアの管理、採用

日々色なところから来るアイディアをシートにまとめて、期待されるインパクトを入力しています。

期待されるインパクトはあくまでも感覚的な評価です。実際やってみないと分からないからね。

新しい sprint(開発期間、別の記事でこの話します)が始まる前に、このシートを見て、一番インパクトの大きそうな(つまり、funnel のあるステップを一番改善しそうな)アイディアを採用します。

4. まとめ

ポケマルみたいに funnel がほぼ線形の場合、日々出てくるアイディアの中から一番インパクトが期待できるアイディアを採用していきます。

しかし!「採用」≠「実装」!

アイディアを実装する前に必ず実装する価値があるかを検証する必要がある。その検証方法と検証のために使用しているツールを次の記事で紹介します。