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Windowsを捨てて、Linuxに乗り換える

動機

皆さんのPCはどのOSで動いていますか? 筆者は今までWindowsを使い続けてきましたが、Windows11への移行に際して種々の思いがあり、いい機会なのでLinuxに移行することにしました。動機となったのは以下の様な項目です。

  • Windows10は使いやすかった。もうずっと使ってきたし。ただWindows11はどうもしっくりこない。

  • メインで使っていたノートPCは、CPUが結構古いのでそもそもWindows11はインストールできない(Core i5 3340Mだからなあ)。そろそろ新しいPCを入手するにあたり、思い切ってOSも変えたくなった。

  • Windows11は全面的にAIが採用されることになっていて、折角新しいCPUのノートPCを使い始めても、余計なAIにリソースを食われるのが嫌だった。

  • Windows10でもVirtualBoxを入れてLinux環境は使っていたし、重いプログラムビルド用のLinuxデスクトップPCは別途持っている(なので、Linuxは普段から使っている)

こんな感じで、「敢えてWindowsを使い続ける理由」が希薄になってきたのが一番の理由です。

新しいノートPCをゲットする

使っていたノートPC(Windows10)は中古で買ったもので、それでも随分長い間使用しました。次のもやっぱり中古で安くなったものをゲットすることにしました。Windows11になってIntelのCPUで言うと第7世代以前のものは対応できなくなったので、第7世代のCore i5やCore i7辺りが狙いめだったんですが、ヤフオク等で探してみると第8世代のCPU搭載でも結構安い! 当初はCore i7 7700HQ(4コア/8スレ)搭載機を狙っていましたが、切り替えてCore i5 8365搭載機を落札することにしました。

国内メーカー派で、前のノートPCも富士通だったので、今回も富士通のノートPCを狙います。このPCは法人モデルで、最近は代替リースで各社使っていると思うので、一定期間過ぎると大量に中古市場に出回るです。しかも、結構安価で♪ 今回もヤフオクで探すと大量出品されていて、最終的に1万円程で落札できました!

  • CPU : Intel Core i5 8365U(4コア/8スレ)

  • Mem : 8GB

  • LCD : 1920 x 1080(FHD)

  • SSD : 128GB(M.2 2280)

  • I/F : 有線LAN/無線LAN/Bluetooth/USB Type-C/HDMI

仕様はざっとこんな感じ。Type-Cポートが2つついていて、片方は映像出力も可能なのが大きい! 付属のSSDにはWindows10がプリインストールされていましたが、最初から使う気がないので別途500GBのSSDを購入して、こちらにLinuxを入れることにしました。

新品で約5千円なので、結構安い♪

折角Type-Cで映像出力が可能になったので、現在持っているFHDのモニタの他に、もう一台FHDモニタを購入することにしました。(今まではUSB接続のHD画質のモニターをサブモニタとして使っていた。これはこれで使い勝手が良かったのですが)

なんでもかんでも安く手に入れる(笑)。こちらはAmazonによるリニューアル品で、届いた物はほぼ新品。どうやら医療現場とかに納入している商品の用ですが、サブモニタで使うには十分です(いや、今使っているメインモニタより若干大きいし、映りもキレイです)。

さあ、環境は全部揃いましたので、いよいよLinuxをインストールします!

ディストリビューション候補

Linuxと一言で言っても多種多様なディストリビューションがある訳でして、何も考えずに入れるならUbuntu一択なのですがそれでは芸がない。最近のUbuntuは余計なものがたんまり入っていて重めなので、折角Windows11を避けたのに意味がなくなってしまいます。そこで採用するディストリビューションは以下の条件で探しました。

  • 軽量であること

  • 余計なWindow効果などは不要

  • プリインストールは少なめ

  • そこそこ人気がある(あまりマニアックじゃない)

  • Ubuntu系かDebian系

時期を同じくして、仕事で軽い開発環境(の仮想環境)を作る必要があり色々なディストリビューションを試していたので、それらも考慮して候補を絞ります。

  • Lubuntu

  • Mint

  • Zorin

  • Q4OS

  • Peppermint

  • Bodhi

  • wattOS

今まではシンプルなLubuntuを使っていたのですが、最近のLubuntuはデスクトップ環境がLXDEからLXQtになってちょっと使い勝手が悪くなったのと、現在のバージョンが23.10(これはUbuntuも一緒ですが)でLTSじゃない過渡期のバージョンであることからパス。最終的にMint, Zorin, Q4OSの三択になりましたが、まあWindowsに似たルック&フィールじゃなくてもいいだろうってことで、世界中で人気も高いMintに落ち着きました。

Mintはデスクトップ環境としてCinamonとXfce4の2バージョンがありますが、凝った効果等はいらないのでXfce4を選択。こちらを選んでもMintの各種恩恵は受けられるのと、Windowsの外見が恋しくなったらTwister UIなど突っ込めば変えられます。

Linux Min Desktop(Xfce4)

超シンプル♪。壁紙等は不要なので削除して、全体的にスッキリです。なお、インストールはWindows10上でRufusなどのツールを使ってインストール用USBメモリを作ってやれば簡単にインストールできます。

アプリケーションを追加する

Firefox

これは予め入ってますが、Windows10上でもFirefox派だったのでそのまま使用します。ブックマーク等はアカウントを作ってログインしておけばWIndows上であってもFirefox上であっても同期されますので、別段困ったことはありませんでした。

MS Edge

Linux用のMS Edgeもあり、これも一応インストール。普段は使わないのですが、2画面分割が結構好きなので。Mintの「ソフトウェアマネージャー」から簡単にインストールできます。

TigerVNC

以前はWindows10上でUltraVNCを使って、社用PCの画面を飛ばして使っていたのですが、クライアント側をLinux上のTigerVNCにしても同様に画面を見ることができました。ただ2点ほど困ったことがありまして……

  • 「半角/全角」キーでIMEをON/OFFできない

  • UltraVNCのファイル転送機能を使えない

前者は当初特に困ったのですが、サーバ側のWindowsPCでIMEのON/OFFを別のキー(F12とか)に割り当ててやるとOKになりました。後者はどうしようもないので、Linux側でFTPサーバを立てて、Windows側のFTPクライアントからファイルのやり取りをするように変更。ちなみにWindowsのエクスプローラー、アドレスバー部分に「ftp://<相手のIPアドレス>」とか入力してやると、簡単にFTPサーバにアクセスできます。ファイルのドラッグ&ドロップなんかも普段のエクスプローラー操作と同様。

Audacious

音楽再生環境は重要なのですが、これには結構手間がかかりました。まず、MintのドライバはPulseAudioで、その下にALSAがある状態。このPulseAudioが曲者で、PCとの相性もあるのかも知れませんがとにかく音が悪い。ノイズが乗ったり、音が揺れたり。設定をイジってプロセスの優先度を上げる等して若干の改善はしたんですが、やっぱり時々音が悪くなる。

他のAudio再生ソフトも色々試しましたが、一番安定して再生してくれたのはAudaciousでした。音も素晴らしい♪

Geany

巷でプログラミングエディタと言えば最近はVS Codeですが、余計なサジェスチョンとか補完とかがうっとおしいので昔ながらのエディタが好きなんです。Windows上でも最近はずっとGeanyでしたので、LinuxでもGeanyを使います。

もともとLinux用のエディタなので相性は抜群です。軽いし。Windows上で使うとコンソール機能が削られてるんですが、Linux上だとちゃんと使えます♪

screen(コマンド)

組み込み屋さんなのでシリアル用のターミナルエミュレータとして、Windows上ではずっとTeraTermを使っていました。Linuxでは残念ながらあまり良いアプリが見つけられず、とりあえずscreenコマンドで代用します。あと、LANに繋がっていればopenSSHでログインするのもありかな。ただ、その場合はブートローダーの出力が見れないんだけど。

Diodon

クリップボード履歴ソフトです。Windowsの場合は「winキー + v」でクリップボードの履歴を辿れて結構便利だったので、それと同等の機能を入れたくてインストールしました。Mintの「設定マネージャー」→「キーボード」→「アプリケーションショートカットキー」で、「/usr/bin/diodon」にショートカットキーを割り当てて使います。

ARandR

マルチモニター環境でスクリーンの並びなどを手軽に編集・記憶できるアプリ。Mintのモニター設定でもできるんだけど、メインモニターにはHDMI切替器がつながっていて、HDDレコーダーの画像も見れる用にしてある。切替器で入力を切り替えた時、Mint側の画面設定が壊れることがあったのでインストール。

XnView

Windows上ではずっとIrfanViewを使っていて、正直これが使えないのは痛いのですが、ビューワー+エディタなアプリとしてXnViewを選択しました。使い慣れたIrfanViewと同じ…と言う訳には行きませんが、ほぼ同等のことができています。

Bottles

どうしてもWindows上で使っていたソフトが必要になったら、WineのフロントエンドであるBottlesを使ってインストールします。IrfanViewもインストールはできましたが、クリップボードからの画像をコピーしても表示されなかった…。

小説を書くのに使っていたアイデアプロセッサのNanaTerryは、インストールして使うことができました。そのたMS Officeなんかも多分インストールできます。

PCManFM

MintのデフォルトファイルはThunarなんだけど、Lubuntuのときから使い慣れているのと、F4キーでターミナルが立ち上がるのが便利なので引き続きPCManFMを使うことに。

Linuxにして困らなかったこと

最近はWindows上でできる大概のことはLinux上でも同等のことが可能になってます。MS Officeがないのはちょっと困る可能性もありますが、MintにはLibreOfficeが予めインストールされていますし、Microsoft 365のオンライン版にログインすれば、オフィスソフトがほぼそのまま無償で使用可能になってます。

MintにはPeppermint由来の面白い機能があって、Webページをあたかも独立したアプリの様に使うことができます。必要ならそういう機能を使って登録しておけば良いでしょう。

趣味で小説を書いているのですが、最近はどこでも書ける様にnotesサイトで執筆するようにしています。

当然、ここ、noteやカクヨム、pixivなどでも書くことができますし、オンライン上で書いておけばブラウザだけあれば読み書きできちゃいます。

結果として、Webブラウザさえしっかり動いてくれさえすれば、必要なことの大半はWindowsであろうがLinuxであろうがOKってことになりますね。便利な世の中になったもんだ。

Linuxにして困ったこと

プログラミング用ツール類

逆に困ったこととして、「今まで使い慣れたアプリが使えない」と言うことがあります。特にプログラム開発用に使っていた上記TeraTermとか、バイナリエディタ、Diffを取るツールなどはちょっと困ってますが、まあ代替手段がない訳ではないので。VS Codeに乗り換えればWindowsであろうがLinuxであろうが同じプラグインを使えるので問題ないのかも知れませんが、そこはやっぱりGeanyで行きたいので!

Amazonサブスクサービス

あと、一番困っているのがAmazon Prime関係のVideoと音楽。PrimeVideoはブラウザ上で見ていたのですが、Linuxではなぜかビットレートが低く抑えられていてFHD画質で見れないです。そしてAmazon Music Unlimitedに入っているのですが、こちらもHD音質ではなくてSD音質止まり(そもそも、Windows用のAmazon MusicアプリはLinuxでは使えないので。裏技を使えばbottlesで入れられないことないそうだけど、そこまでするのもなあ…)

ただまあ、Amazonのサブスクサービスを使いたいならFireタブレットなりFireTVスティックなりを使えば良い訳で、どっちも手元にはあるので環境構築方法を検討中。

USB DAC

Windows用として愛用していたUSB DAC(エアリア 響音DAC HPL)が使えなくなったのは地味に痛い。DSPがCmedia社のCM6220Aなので繋げば一応認識はしてアナログ音声は出力できるけど、S/PDIFの光出力ができないです。

HDMIの切り替え用に使っているセレクターが音声も分離してS/PDIFに出してくれてはいるんだけど、ハイレゾで出してくれているかどうかは微妙。まあAmazon MusicのHDに対応できなので、ハイレゾ出力する必要もないんだけど。

まとめ

この様な感じでMintに移行して日々使っていますが、困ったところもなんとか代替手段は見つかっている。実際、Windows11にして使い続けた方が楽は楽なんだろうけど、オタクはこうやって環境イジっているのも楽しいので(笑)

Windows11は無駄にハイスペックなリソースを要求されるけど、Linuxにすれば古いPC(中古PC)でも十分なことが多いです。第7世代、第8世代のIntel CPU搭載PCがかなり安くなってきているので、メイン環境の置き換え候補ではなくてもサブ環境としてLinuxはいかがでしょうか。MintやZorinはインストールも簡単ですし、オススメです。

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