いちよさんに、会って来た。
いちよさんに、会って来た。
いちよさんは、気仙沼で3年間お世話になった、民宿の女将さん。
何から話していいのか、わからないくらい、思い出や、出来事がたくさんある人と場所。
民宿の名前は、唐桑御殿つなかん。
いちよさんは、22歳の時に地元の岩手で銀行員をしている時に、とある漁師に結婚を迫られ「漁師楽しそうじゃん」と、出会って3ヶ月で結婚して。
気がついたら、牡蠣養殖を稼業にしている家に嫁いで。
(実は、道を曲がれば誰かが車で待っていて「お茶いこうよ」と誘われるくらい、地元ではモテすぎてて、「あー、地元めんどくせー!!どこか遠くに連れて行ってくれる人いないかしら、、、。あ、、、いたー!!!!ということで唐桑に来たのよ」と言っていたけれど。でも、それが嘘じゃないと思うくらい、可愛い。)
(「そーっれっ!!」っつって。高校生のいちよさん。働いている時に、いちよさん家族と久慈にも行きました。ブログ読んでね。)
唐桑に来てからは、茶髪の髪をツインテールにしていたので、当時の小学生からは「牡蠣むきセーラームーン」と呼ばれたりしながら(沼のハナヨメにもでてきたチハル談)、牡蠣むきを30年近くやってたら、津波がきて、イカダは全滅、家も半壊。
それでも、ボランティアで来た学生や家族に助けられながら、震災後は、半壊の自宅を改装して民宿を始めためっちゃパワフルな女将さんで。
超適当で。
めっちゃ大切な話をしていると思ってたら、やっぱり適当で。
そして、、、。去年の3月23日に、海難事故で、旦那さんのやっさんが乗っていた船が転覆して。
もーー!!!!!!っていう感じで。(これは、僕の感想です。一代さんがどう思っているかは知らないし、聞いたこともないし、そのうち、いちよさんが、話したいと思ったら聞く。)
色々あって、1年が過ぎようとしていて。僕は東京に帰って、気がついたら熱燗にハマってて。いちよさんは、今は牡蠣屋の女将さんではないけれど、つなかんの女将は、そのままやっている。
震災でも嫌いにならなかった海なんだけど、今はやっぱり見たくもなくて。海のそばを通るときは、気持ちをシャットダウンして車を運転しながら暮らしているんだって。
会うのは去年の7月以来だったけれど。それでも、前回よりもめっちゃ顔色よくて。朝ごはんのあと、チェックアウトの時間までコーヒー(もちろんインスタント)を飲みながら、その場のお客さんみんなで、いちよさんのトークを聞いたり、いじられたりするのが、恒例なんだけれど。
まぁ、働いていた時のように、超絶面白かったので安心した。
「私、実は冷たい人で、もう無理と思ったら、サバーッッッ!!!って切るからね。」
「え、サバーッッッ??斬る時はバサーッッッッ!!じゃないの??」
とか。
「私、よくため息つくんだけど、あれは深呼吸なんだよね。息がおなかにトスン!!!って落ちてくんだよねー」
「え。。。それはストンッと落ちていくものだと思うけれど、、、。」
トスン!!!!ってwww
この一年を振り返りながら、泣きそうになったり。そういうどうでもいいことで、めっちゃ笑って、もうサバーッッッ!!!で次の話が全然頭に入ってこないわーと思いながら、とにかく楽しくてよかった。
あと、結婚前のカップルは必ず「早く結婚しなさい!!!」と言われるので、グレーな関係の人は、心して行ってくださいねw
いちよさんの魅力って。「可愛くって、少しバカ」だなと改めて思いました。
最近はねー、サウナカーが来たんですよ。
それで「ちょっと、薪をくめるの手伝って!!」と言われて。10本束の針金で縛ってある薪を、バラしたくて。いちよさんが薪を引っ張ってて「全然取れない!!りょうすけ任せた!!!」つって渡されて。
それで、僕が試しに、引いてダメなら押してみろっつって。薪を押してばらそうとしたら、すげーすんなり薪がばらけて。
二人で、言葉にはしないけれど。「相変わらずだねー」みたいめっちゃ笑ったりして。
今も、あの時と同じように「なんか、いい時間だったなー!!!!」と、働いていた時と同じ関係でいられるようになって、よかった。
震災を乗り越えた時も、海難事故を乗り越えた時も。というか、苦難を乗り越えるほど「いちよさん、すげー!!!!」って思いたくなるし「すごい人がいるんだよ」と言いたくなるけれど。3年間つなかんで言い続けた「可愛くって、超面白い人がいる!!!」ということが、いちよさんの魅力だと、僕は改めて思えたのだった。
つまり、何かを乗り越えられたことがすごいんじゃなくて、そもそも、何も乗り越えてなくてもすごいので「乗り越えたこと」とか「なにかをはじめようとすること」を強調するほど、本来のすごさではなくなっていくし、それは、いちよさんが、求めていることとも遠ざかって行く。
何か、新しいことを始めるのは、きっと他の人で。
いちよさんが言いたいのは、
「今日、私は、ここで生きていて、みなさんとお会いできることを楽しみにしている。」ということだ。それ以上でもそれ以下でもない。
(働いている時に、女将のご挨拶をまとめた時に言っていたことと全く変わっていないとおもう。。)
あとのことは、聞かれたことには、誠実に答えて、時にはドラマチックに盛ったり、新しい企画には調子よく「いいねー!!やろうぜー!!」とか言いながら生きているんだと思う、女優だからw。
最終的には、いちよさんにとっては「つなかんの女将」かどうかも、もうあまり関係なくって。
「いちよは、いちよ。今、ここに生きています。」
それだけが、残るのだと思う。
それだけで、生きられるということが、どれだけかっこよくて、尊いことか。そして、どれだけ特殊な場所なのか。
つなかんで、感じて来て欲しいなぁと思います。
いちよさん、また行くねー。
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