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6年経って、教えてもらった大事なこと

2年ぶりににいったお店で
店主からCDをもらった。

「僕、ピアノ弾きなんです。高円寺土産にどうぞ。」

このお店と出会って6年経って、はじめて知った事実に私は驚き、道理でこのお店の音楽はこだわり抜いててセンスがいいんだと納得した(音楽のこと全然わからへんけど)

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上京してはじめて住んだ町
高円寺にあるダイニングバー。

東京に上京してから6年間。
仕事に夢中な私は、身体が壊れるくらいシゴトに注ぎ込んでた。

そんな限界がたくさんあった中で
終電で帰っても
一杯、一食よれる場所。
それがこのお店。

まだ仕事が残ってる時は
PCを開いてずーっと作業。

注文をしばらくしないと、そっと店主がきて、そろそろ何か頼んでくださいと言われる。

普段は(用があるときしか)絶対に話しかけてこない店主と、気持ちが一箇所に集中できる独特なお店の雰囲気が大好きで、多いときは週に2回、基本は月に1回いったりと、とにかくよく行っていた。


いま思うとしんどいとき、さみしいとき、もうがんばれないときはそのお店に助けてもらってたのかも。

自分の居場所になってたんかもしれん。

今の仕事に出会う前、いわば

ほぼニートのときは、棚一杯に置いてある漫画をお酒を飲みながら片っ端から読んで、これはエンタメの勉強だーって言い聞かせてたし笑

店主の趣味が最高で、面白くない漫画と本がまったくないんやもん。しゃーない。

そんな大好きだった場所に

引っ越してから、一回も行ってなかった。

いつも頭にはあのお店に行きたいなぁと思いながらもうすぐ2年が経つ。

そして、今日、
ふらっと、あ、今日いける!

と大好きだった場所にいってきた。

お店に入って、私の中のいつもの席に座る。内心、覚えてくれてたら嬉しいなーなんて思いながら。

じゃあ雑談もしてない店主が

「久しぶりじゃぁ、ないですか」

とひとこと。

((((あかん、、うち、泣いてまう)))


本当に涙が出そうになった。

「引っ越しちゃったんです、でもずっと来たくて、やっと来れました。」

そう喜びを内に秘めながら必死に返す私

本当は、引っ越すときに言いたかった、

引っ越すからもう中々来れなくて寂しい。って。このお店は最高だったって。

でも言えなかった。
店主と私はしゃべらない。それが気持ちいい時間をつくってた。

懐かしいメニューを頼み、
(カンパリビアが最高やねん)
新しく追加されてたパクチー冷奴も頼み
ちょっと強めのお酒も頼む。

そして読みかけだった『はるか17』に手を伸ばし、漫画と美味しいお酒。ああ至福。

そろそろでないと終電が...
ほんまこのお店好きやなーと思いながら、
出口へ。お会計をしていると、

お店をでるときCDをもらった。
冒頭に書いたあのかっこいいセリフが

店主
「僕、ピアノ弾きなんです。高円寺土産にどうぞ。」


めちゃめちゃ嬉しかった。

ピアノ弾きなんて知らんかってんもん。
まさかお土産くれるなんて思わんかってんもん。

なにより、
覚えててくれて、久しぶりにきた私に対して喜んでくれてる感じがしてん。

そんなん贅沢や

美味しいお酒とごはんを求めて来たのに、そんないっぱいの気持ちにさせてもらって、なんか贅沢や

「ピアノを弾いてらしたんですか!?」

唯一私が返した、なにも気の利かない言葉。

はっと思って

「私は本をつくる人なので今度私も持ってきますね」


やっとここで、自己紹介。
6年越しの自己紹介。

今までミステリアスになりたくもないのに、いっつもPCカタカタ打ってる女で、時にめっちゃ漫画大量読みする女で...

でも素性なんてなんでもいい。
このお店が好きで引っ越しても来ちゃうくらい好き。その事実を店主に伝えられてんもん。

よく行く常連ではなくなった、けど

このお店にはきっと長ーく
時に何年に一回になっても
通うと思う

「6年経って、教えてもらった大事なこと」

おわり

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ユヒコ

編集者 コルク。7年間大事にしてきたTwitterアカウントを失ったため、noteをはじめます。『宇宙兄弟』小山宙哉,『マチネの終わりに』平野啓一郎, こやまこいこ 担当。

リスタート。私がいまいる場所。

編集者、コミュニティプロデューサーとして日々過ごす中で、感じることを垂れ流していきます。一流のクリエイターさんと過ごすいまをリアルタイムに。
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