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雑誌「VERY」から学ぶ、販売員の役割

先日、
#店舗メディア の「VERY読書会」に、参加してきました。

絶対的売上部数を誇るVERY。
私はほぼ買うことはないのだけれど。

なぜ買わないか?結婚もしていないし、子供もいない。という事もあるのだけど、1番の理由は、眩しすぎるのだ。

彼女達は、きっと幼稚園の頃から、ピンク色を1番に選び、おままごとでは常にお母さん役で、思春期にはキティちゃんを愛した女に違いない。

一方私は、彼女達が選び終えた後、何事もなかったかのように青色を選び、おままごとではただ寝ているだけの赤ちゃん役を強いられ、そして思春期にはスヌーピーを愛する女だった。

なので、
「欲しいものは全部手に入れちゃうもん♡キラキラハッピー、全力笑顔と上目遣いで乗り越えちゃうぞ♡」
を、大人になってもやっている感じが受け入れがたい。

と、いう事で、いつもは買わない「VERY」といつも読んでる「GISELe」を小脇に店舗メディアの読書会に参加してきました。

読書会を終え、結論から言うと、
VERY読者は、家族思いの素敵女子でした。

※※※
「VERY」と私の愛する「GISELe」の特徴を比較 (10月号)

①とにかく着用シーンのが明確かつ多岐

VERY→ざっと30弱(和子調べ)
ホテルランチ、ママ友ランチ、レストラン、子供の友達の家に家族でお呼ばれ、子供の習い事、公園送り迎え(自転車、車)、抱っこ紐をしない日(旦那がいる日)、通勤前送り前のアクシデント時、学校行事(参観日、式典、学芸会保護者会)、面談運動会(参加する、見学のみ)、小雨、雨、ショッピング、夫とデート、親戚とのお食事会、バーベキュー仕事《営業ベーシック、華やか営業、内勤カジュアル、外資系リッチ)、旅行、ハロウィン、眠るとき…

GISELe →場所の設定なし。

②登場人物が多い

VERY→約10人以上

子供、20代の他のママ、年の離れたママ、同僚、旦那、祖母、親戚、愛犬…

GISELe→常に1人

③文字が多い(例えば表紙を見ても一目瞭然)

VERY

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GISELe

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そもそも、

VERYは、結婚していて子供がいてハイスペックな旦那様がいて、でも女としても自分らしくファッションも仕事も楽しむ女性がターゲット。

GISELeは、守りに入りたくない、人と被りたくない、もっとセンスを磨きたいという、ファッション好きがターゲット。

なので、比較しても違いは初めから明らかなのだけど。私が1番に感じた大きな違いは、ファッションに対する『不安』という心の違い。

※※※

冒頭にVERY読者への私の偏見から始まったものの、読書会後に「VERY読者は家族思いの素敵女子」と結論づけたのはこの不安の部分。

彼女達は、1番好きなピンクであり、お母さん役であり、キティちゃんである今の生活をこれからもずっと大切にするために、日々VERYを読みながら、不安解消の為のスキルを身につけているのだ。

スヌーピーも何だかんだで結局可愛いよねぇと、GISELeを読んでいる我々とは違うのです。

VERYは、場所の設定、登場人物の設定が詳細
「これからきっとこんな不安要素が出てくるよ!どうする?」っていう問いがあって、そして、「こんな時はこれを着るのが【正解】!」と、とても明確。

それほど不安で、どの服を選ぶ事が自分の大切な人がハッピーでいられるのかを、しっかり考えている賢く可愛い女性なのです。

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さて、最後にVERYから学ぶ「販売員の役割」

読書会の中で「販売員に接客されたい人はいない」という意見あって、そしてその場にいた皆が深く頷いていたので、あぁこれが現実なのだと胸がキュイーンとなって、職業柄 気絶しそうになりました。

販売員には聞きたくないのに、なぜ雑誌VERYには聞きたいのか。

それは、これから訪れるであろう自分では思いつかない脅威の警告と、その不安をきっちり解消するまでがVERYはパーフェクトだから。

例えば、運動会のページ

いつ…秋、まだ日差しもあるよ
どこで…運動場、見学でも体育座りするよ
誰と…夫と子供、そして若いママもいるよ
何を…動きやすい服装??

なぜ…動きやすい服装って書いてるからって、本当に動きやすいだけの服じゃダメだよ。色んな年齢、トレンド、所作考えて。何より好感度が大切だからね。

どのように…
・初めての運動会だったら、浮かないように、いつもとあまり印象を変えず、白シャツをアウトで着るのが正解!
・若いママもいるから、白スキニーは辞めて、紺のパンツに秋色Tシャツで行くのが正解!
・甘いトップス着たいなら、全身ブラックで甘辛バランスにするのが正解!
・見学だけならスカートもいいけど、フレアならマキシ丈、ワンピならスパッツ履くのが正解!
・旦那さんの服装は、他のページにまとめておいたよ☆

と、いうかんじで、

5w1hの「問い」と「解」が、パーフェクト。
ファッション誌というよりは、参考書でありビジネスマナー本。

この問題定義と不安解消までの明確さが、VERYが多くの読者に支持される理由の1つなのだと確信しました。

※※※

では、これを常に出来る販売員がいるか否か?

私のチームは大丈夫と思いたい。
けれど、常にできているかと言われると難しい。

まずは、目的買いの方にVERY的5w1hの聞き出しが出来ることは レベル1

次に、お客様が想定していない不安予測までのシーンの想定と解決ができて レベル2

そして、目的のない方にニーズを作る(思い起こさせる)ことが 最難関レベル3

そもそも、店舗にお買い物にいらっしゃるお客様の2割弱しか、目的買いの方はいないと言われている。

潜在的なニーズを掘り起こす事こそ、人が接客する意味と思うのです。

例えば、今の時期に接客した方が、お子様が小学生くらいだなっと思ったら、全く運動会の話をしていなくても、

「勝手な私の好みですけど、例えばこの服でお子様の運動会に行ったら素敵ママ確定です!」など、お客様の大切な行事を思い出してもらうきっかけをつくること。

お店で買わなくても、そういえばそろそろ考えなくっちゃって、思うきっかけになったら、潜在意識レベルでまたお店に足を運んでくださるはず。

もしかしたら、お家でポチッとしてくださっているかもしれないし。

私の尊敬する後輩は、少しフェミニンなお洋服の提案をする時、

「これを着てデート行って欲しいです〜♪」と、よく言っている。

デートって、未婚も既婚も、何歳でも嬉しいから、つい笑顔になってしまって、「あ、デートはないけど、これ着てどこ行こ?」とか、「実は旅行に行く予定が少し先だけどあってね」とか想像したり話し始めるきっかけになる。

読書会の中でVERYは取材力も凄いよねって話になったけど、現場で私たちは毎日、何人も何人も取材(接客)している。

だから、その接客を一回の振り返りだけに使わず、データとしても大切に収集して感性、感覚を磨いていきたい。

接客してお買い上げに繋がらなくても、自分を介して自分のお客様達の情報の精度がどんどん上がるような素敵な編集者になることか大切なのです。

そのデータを元に、お客様が不安を言わずとも感じ取って、こちらから提案をすること。

服の説明じゃなくて、お客様にとってどうなのか?をそのお客様と今までのお客様の情報も織り交ぜて言語化。
つまり、VERYのように、シーンと登場人物、5w1hの「問い」をこちらから投げかけ、キラーワードを使って「解」伝えられて初めて、お客様に本当に信頼される販売員になれるのです。

これから益々、店舗はショールーム化して販売員の存在価値が危ぶまれることは目に見えている。

だけど、瞬時にお客様の背景を洞察して、必要な情報を編集し言語化し、お客様の不安を希望に変えられるような提案ができる販売員は絶対に生き残れるし、より一層価値が生まれると思う。

将来は、美容室のように、スタイリストとしてWEB予約で接客できる仕組みとかになると楽しいなぁと思ったり。(MGとしてはシフトコントロールもしやすい。)

これからの時代に生き残れる価値のある、感動をシェアできる販売員を育てて行きたい。

そして私も、VERY読者のように「好き」を全力で守る努力のできる女性になるために、しばらくVERY購読を続けてみようと思います。





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